世界一と言われた映画館(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて
2019年05月18日

世界一と言われた映画館(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2019)
世界一と言われた映画館



2017/日本 上映時間67分
監督・構成・撮影:佐藤広一
プロデューサー:高橋卓也
音声技術:折橋久登
整音:半田和巳
語り:大杉漣
出演:井山計一、土井寿信、佐藤良広、加藤永子、太田敬治、近藤千恵子、山崎英子、白崎映美、仲川秀樹
パンフレット:★★★★★(700円/コンパクトな作りながらも、イラストマップが付いていたり、当時の小パンフが入ってたりするのがイイ!)
(解説)
映画評論家・淀川長治が「世界一の映画館」と評し、足繁く通った山形県酒田市のグリーン・ハウス。1949年の開館以降、初代支配人の佐藤久一のアイデアによるさまざまな趣向と設備で来館者を迎え、人びとから愛されたその映画館は、1976年10月に起きた酒田大火の火元となり、消失してしまう。消失家屋1774棟、死者1名、負傷者1003名という甚大な被害をもたらした記憶から、かつて地元の自慢であった映画館の名を語る者はいなくなってしまった。あれから40年以上の歳月が流れ、酒田の人びとがグリーン・ハウスとともに歩んできた自身の歴史を振り返りはじめる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




55点


ああん、超今さらながら1月に観た映画の感想をアップしておきますよ。一応、「映画ファンのはしくれ」として、いろいろな映画館に足を運んでいる僕ですよ(苦笑)、タイトルを聞いた時に「おやおや、そんな映画館が本当にあったんですかねぇ?(`∀´) ケケケ」と興味が湧いたので、「特製グリーティングカード」が付いた前売り券を購入。1月30日(水)、あつぎのえいがかんkiki旧 アミューあつぎ映画.comシネマ)にて鑑賞いたしました(その後、高校時代の親友と町田で飲んだ)。ううむ、ごめんなさい、ちょっと物足りなかったカナー (´∀`;) ウーン


当日のgifを貼っておきますね。良い映画館でした。



一応、内容を書いておくと、映画は酒田大火の記録映像からスタート。で、その火元となった映画館「グリーン・ハウス」の思い出をいろいろな人が語っていく…という証言集のような作りで、最後は「良い映画館でしたな (´∀`=) ホッコリ」的なムードで終わってた気がします(うろ覚え)。いや、面白いドキュメンタリーではあったんですよ。まず、僕は恥ずかしながら、“戦後4番目の大火”といわれる酒田大火を知らなかったんですけど(汗)、当時の記録映像の迫力が凄まじくて。不謹慎な文章ですが、無惨に街を炎に包んでいく映像を劇場の大きいスクリーンで観られただけでも良かったです。火災の恐ろしさをあらためて思い知らされましたね…(あれで死者1名というのもビックリ)。


酒田大火の映像があったので、貼っておきますね↓




「グリーン・ハウス」の思い出を語る人たち&その内容も良くて。当時の観客や従業員、経営していた佐藤久一さんにかかわった人たちが「グリーン・ハウス」に与えられた影響を語る様子は、これまた恥ずかしながら同劇場の存在をまったく知らなかった僕的には、とても新鮮でした。元消防士の方が「タワーリング・インフェルノ」を2回観て使命感を与えられたというエピソードは運命の皮肉を感じさせられたし、同じ時期にドキュメンタリーが公開されていた井山計一さんが登場したのは「シンクロニシティ ( ゚д゚)」だと思ったし、当時の劇場発行のパンフを集めていた人は微笑ましかったし…。「“映画館の話”って結構面白いんだな」なんて思ったり。

そして何よりも「こんなゴージャスな映画館が山形県酒田市にあったとは!Σ(゚д゚;) マジカ!」と、「グリーン・ハウス」に驚かされました。最新の上映環境(当時)を整えただけでなく、劇場で流す音楽、回転扉、ホテルのようなロビー、座る座席、女性用のトイレにまでこだわって、本格的なコーヒーが飲める喫茶店やブティック、名画座まで併設したというのだから、スゲェなと。本作のタイトルである「世界一」というのは、別に支配人の佐藤久一さんが主張したのではなく、昭和38年に映画評論家の淀川長治先生が「週刊朝日」の取材に対して「あれは、おそらく世界一の映画館ですよ」と言明したものなんですが、確かに本作に出てくる「グリーン・ハウス」は見事としか言いようがなくて。「僕も行ってみたかったなぁ…」なんて、超ありきたりな感想を抱いたというね (´∀`) コナミ


こんな感じで佐藤支配人自身が主張していたワケではないのです…という雑なコラ(「JOJO」第2部より)。



って、褒めてますけど、正直なところ、食い足りなく感じた部分も大きかった。焼失しちゃったのかもしれませんが、思った以上に「グリーン・ハウス」自体の資料が少なかったし、佐藤久一さんのことや支配人を引き継いだ人のことももう少し掘り下げてほしかったし(佐藤久一さんが愛人を作って東京に行ったこととか、バトンタッチした後の劇場の経営状態とか)、「同劇場が火元になった→被災した人は封印したい記憶」という“負の面”にもちゃんと踏み込んでほしかった。佐藤久一さんの関係者への取材が無理だったのかもしれませんが、柳原陽一郎さんが登場しなくて消化不良だった「たまの映画」をちょっと連想しちゃったというか。なんて言うんでしょうか、「マイルドな口当たりで美味しいもののコク不足」というか、想い出はいつもきれいだけど、それだけじゃおなかがすくわ…って、伝わりますかね。鑑賞後、佐藤久一さんを取り上げた「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田市につくった男はなぜ忘れ去られたのか」をkindleで読んだんですが、これが実に読み応えのあるノンフィクションだった分、余計に「もう少し何とかならなかったかなぁ (・ε・)」なんて思っちゃった次第。


ということで、JUDY AND MARY「そばかす」を貼っておきますね↓




あと、僕には「ロビーで『ムーンライトセレナーデ』を流すことを良しとする上品な感性」が欠落しているのでね(涙)、「グリーン・ハウス」は確かに素晴らしい映画館だと認めながらも、自分には合わなそうに感じた…なんて残念な文章も書いておきますよ。何はともあれ、良い部分が多かっただけに、逆に物足りなさを感じたりもしましたが、基本的には真面目で良いドキュメンタリーだと思うので、映画ファンは機会があったら観ておくと良いんじゃないかしらん。さて、最後になんとなく「ぼくががんがえたりそうのえいがかん」を垂れ流しておくと、上映するのはアクションかホラーで、食べ物は「鳥肉のささみスティック」といった高タンパク低脂肪なものオンリーで、飲み物は水かプロテイン(「ペコちゃん ミルキー風味」などさまざまなフレーバーを用意!)。劇場に流れるBGMは「Fight to survive」で、ロビーには映画を観て興奮した観客のためにチンニングバー木人椿が設置されている…って、好事家しか来なくて即潰れそうですな (´・ω・`) オシマイ




パンフにも寄稿されていた岡田芳郎さんによるノンフィクション。映画を観た人はかなり楽しめると思います。



劇中で消防士の方が言及するパニック映画の傑作。未見の方は、観ておくと良いです。



ナレーションを担当した大杉漣さん最後の主演作。僕の感想はこんな感じ



映画館映画で大好きなのはこれですかね (・3・) チュー