ラッカは静かに虐殺されている(ネタバレ)
ラッカは静かに虐殺されている
原題:City of Ghosts
2017/アメリカ 上映時間92分
監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン
製作総指揮:アレックス・ギブニー、モリー・トンプソン、ステイシー・オフマン、ロバート・シェアナウ
編集:マシュー・ハマチェク、パックス・ワッサーマン
音楽:H・スコット・サリーナス、ジャクソン・グリーンバーグ
出演:「RBSS」のメンバー
パンフレット:★★★★☆(400円/値段の割に、しっかりしたコラムが載ってて、映画の補完にピッタリ)
(解説)
メキシコ麻薬戦争を追った「カルテル・ランド」のマシュー・ハイネマン監督が、5年間での死亡者が43万人にものぼる戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦に肉薄したドキュメンタリー。シリア北部の街ラッカを過激思想と武力で勢力を拡大するイスラム国(IS)が制圧し、ラッカの街はISの首都とされた。かつては天国と呼ばれ、穏やかだった街は爆撃により廃墟と化し、残忍な公開処刑が日夜繰り返されていく。匿名の市民によって結成されたジャーナリスト集団「RBSS」(Raqqa is Being Slaughtered Silently=ラッカは静かに虐殺されている)は、海外メディアも報じることができないこの惨状を国際社会に伝えるべく、スマホを武器に街が直面している現実を次々とSNSに投稿。そのショッキングな映像に世界が騒然となったが、RBSSの発信力に脅威を感じたISはRBSSメンバーの暗殺計画に乗り出す。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
100点
※本作については、佐々木俊尚さんの評が非常にわかりやすい&タメになるので、読んでみて!
「映画秘宝2018年5月号」にて、“信用できる映画ライター”岡本敦史さんが紹介されている記事を読んで、「これは観なければ!(`Δ´;)」と思ったんですけれども。題材が超ヘビーというのもあって、なかなか足を運べなくて、結局、6月1日=映画の日サービスデー、ポレポレ東中野にて1000円で鑑賞いたしました。凄まじかったです。
ポレポレ東中野、8割ぐらいは埋まってたような。
劇場で売られていた南沢共働学舎のクッキーを購入。サックリしてて甘い!(ストレートな感想)
内容をザッと書いておくと、西暦2011年、アラブ世界で勃発した「アラブの春」の影響を受けて、シリアの地方都市ラッカでも民主化運動が盛り上がりまして。政府による反対派の弾圧・逮捕・拷問が日常茶飯事だったアサド政権の軍をやっと排除したものの、2014年4月、イラクから来た「イスラム国」(IS)が居座って「首都」にしてしまって、新しい暗黒時代がスタート。アサド政権の暴虐を告発するために誕生した市民ジャーナリスト集団「ラッカは静かに虐殺されている」(Raqqa is Being Slaughtered Silently/略称:RBSS)は、ISのクソっぷりをSNSに投稿して告発するも、メンバーやその身内が殺されるわ、国外に逃亡しても暗殺されるわと、地獄のような報復を受けるのです。だがしかし、命の危険を常に感じながらもRBSSのメンバーたちの心は折れずに活動を継続。最後は、創設者の1人であるハムードに息子が誕生→ISに殺された父親の名を付けて、終わってましたよ…。
ラッカの状況を「北斗の拳」で例えると、KINGの統治が終わったとホッとしてたら…。
街にジャギたちがやってきたのに、ケンシロウが助けに来ない…って感じですかね。
“劇場と一体化する試練”「バルト9」を終えた後、たまたまお会いした映画仲間の下手の横好きさんと本作の話になって。当時の僕は未見ながらも「『ビルマVJ 消された革命』みたいな感じなんじゃないか?」なんて話したんですが、実際、その通りだったというか。自分の父親が処刑される様子がネットにアップされたりとか、友人が次々と殺害されたりとか、これほどまでの「命懸けのドキュメンタリー」には何も言えない。僕だったら2秒で心が折れそうな状況下、命を張ってISを告発するRBSSの人たちには、もう絶句するしかないし、マジで尊敬しましたよ。それと「メキシコのハードすぎる麻薬カルテルvs自警団の現実」を撮った「カルテル・ランド」に続いて、こんなに凄まじいドキュメンタリーを撮影したマシュー・ハイネマン監督もまたスゴいとしか言いようがなくて、その姿勢には頭が下がりすぎて地面に埋まるほどだった…って、別に面白くないですよね、すみません (´∀`;) ゴメンナサイ
僕の気持ちを代弁するインドの修行者…って、怒られそうですな(「ジョジョ第三部」より)。
ISに関しては、クソみたいな集団だとは知ってましたけど、スクリーンに映る非道行為の数々は正視に耐えなくて(死体や処刑シーンがバンバン流れる)。特に子どもを兵士に仕立てるくだりは吐き気がしたし、そりゃあ「普通のムスリムは違う」ということも十分知ってますが、あらためて「宗教は害悪だな」って思ったり。あと、ドイツでの排外主義者によるデモのシーンも実に醜悪でゲンナリするというか。日本でも観た光景だし、今もネットではそういった言葉が飛び交ったりしますけど、少しでも想像力が働く人間なら「そうだ難民しよう!」なんてクソみたいな表現は絶対できないよなぁと。
幼子にアウトな教育。ISのメンバーの所業には反吐が出ます。
こういう発言をする人や…。
こういうことを言う人って日本にもいるけどさ、問題は自分自身にあることに気付いてほしい。
パンフに載っていたジャーナリスト・川上泰徳さんのコラムによると、2017年10月には、クルド人主導の「シリア民主軍」(SDF)が米軍・有志連合の空爆の援護を受けてラッカを陥落させたそうですが、民間人の死者が飛躍的に増えたそうで、もう何が何やらというか(ISが4年間に殺した数より多いとか)。ハッキリ言って、あまりにも問題が大変すぎて、何の権力もない単なる「45歳のオッサン」でしかない僕がどうこうできるレベルの話ではないんですが(汗)、とりあえず本作はスゲータメになりました。日本だっていつこういった状況になるかわからないワケだし、相当ヘビーだけど多くの人に観てほしいなぁと。最後に「ウルトラマンA」最終回での北斗星司の名台詞を残して、この駄文を終えたいと思います。
( ´_ゝ`)
優しさを失わないでくれ
弱い者をいたわり、互いに助け合い、
どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ
例えその気持ちが何百回裏切られようと
それが私の最後の願いだ
おしまい。
本作はすでにamazonプライムビデオでは観られるので、ぜひ!m9`Д´) ビシッ
マシュー・ハイネマン監督による地獄のメキシコ自警団ドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
非常に思い出したドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
ハードすぎるドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
劇場で売っていた関連書籍、その1。ちょっと読みたい。
劇場で売っていた関連書籍、その2。これもハードそうですな…。
劇場で売っていた関連書籍、その3。ううむ、kindle版で読もうかしらん。
原題:City of Ghosts
2017/アメリカ 上映時間92分
監督・製作・撮影・編集:マシュー・ハイネマン
製作総指揮:アレックス・ギブニー、モリー・トンプソン、ステイシー・オフマン、ロバート・シェアナウ
編集:マシュー・ハマチェク、パックス・ワッサーマン
音楽:H・スコット・サリーナス、ジャクソン・グリーンバーグ
出演:「RBSS」のメンバー
パンフレット:★★★★☆(400円/値段の割に、しっかりしたコラムが載ってて、映画の補完にピッタリ)
(解説)
メキシコ麻薬戦争を追った「カルテル・ランド」のマシュー・ハイネマン監督が、5年間での死亡者が43万人にものぼる戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦に肉薄したドキュメンタリー。シリア北部の街ラッカを過激思想と武力で勢力を拡大するイスラム国(IS)が制圧し、ラッカの街はISの首都とされた。かつては天国と呼ばれ、穏やかだった街は爆撃により廃墟と化し、残忍な公開処刑が日夜繰り返されていく。匿名の市民によって結成されたジャーナリスト集団「RBSS」(Raqqa is Being Slaughtered Silently=ラッカは静かに虐殺されている)は、海外メディアも報じることができないこの惨状を国際社会に伝えるべく、スマホを武器に街が直面している現実を次々とSNSに投稿。そのショッキングな映像に世界が騒然となったが、RBSSの発信力に脅威を感じたISはRBSSメンバーの暗殺計画に乗り出す。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
100点
※本作については、佐々木俊尚さんの評が非常にわかりやすい&タメになるので、読んでみて!
「映画秘宝2018年5月号」にて、“信用できる映画ライター”岡本敦史さんが紹介されている記事を読んで、「これは観なければ!(`Δ´;)」と思ったんですけれども。題材が超ヘビーというのもあって、なかなか足を運べなくて、結局、6月1日=映画の日サービスデー、ポレポレ東中野にて1000円で鑑賞いたしました。凄まじかったです。
ポレポレ東中野、8割ぐらいは埋まってたような。
劇場で売られていた南沢共働学舎のクッキーを購入。サックリしてて甘い!(ストレートな感想)
内容をザッと書いておくと、西暦2011年、アラブ世界で勃発した「アラブの春」の影響を受けて、シリアの地方都市ラッカでも民主化運動が盛り上がりまして。政府による反対派の弾圧・逮捕・拷問が日常茶飯事だったアサド政権の軍をやっと排除したものの、2014年4月、イラクから来た「イスラム国」(IS)が居座って「首都」にしてしまって、新しい暗黒時代がスタート。アサド政権の暴虐を告発するために誕生した市民ジャーナリスト集団「ラッカは静かに虐殺されている」(Raqqa is Being Slaughtered Silently/略称:RBSS)は、ISのクソっぷりをSNSに投稿して告発するも、メンバーやその身内が殺されるわ、国外に逃亡しても暗殺されるわと、地獄のような報復を受けるのです。だがしかし、命の危険を常に感じながらもRBSSのメンバーたちの心は折れずに活動を継続。最後は、創設者の1人であるハムードに息子が誕生→ISに殺された父親の名を付けて、終わってましたよ…。
ラッカの状況を「北斗の拳」で例えると、KINGの統治が終わったとホッとしてたら…。
街にジャギたちがやってきたのに、ケンシロウが助けに来ない…って感じですかね。
“劇場と一体化する試練”「バルト9」を終えた後、たまたまお会いした映画仲間の下手の横好きさんと本作の話になって。当時の僕は未見ながらも「『ビルマVJ 消された革命』みたいな感じなんじゃないか?」なんて話したんですが、実際、その通りだったというか。自分の父親が処刑される様子がネットにアップされたりとか、友人が次々と殺害されたりとか、これほどまでの「命懸けのドキュメンタリー」には何も言えない。僕だったら2秒で心が折れそうな状況下、命を張ってISを告発するRBSSの人たちには、もう絶句するしかないし、マジで尊敬しましたよ。それと「メキシコのハードすぎる麻薬カルテルvs自警団の現実」を撮った「カルテル・ランド」に続いて、こんなに凄まじいドキュメンタリーを撮影したマシュー・ハイネマン監督もまたスゴいとしか言いようがなくて、その姿勢には頭が下がりすぎて地面に埋まるほどだった…って、別に面白くないですよね、すみません (´∀`;) ゴメンナサイ
僕の気持ちを代弁するインドの修行者…って、怒られそうですな(「ジョジョ第三部」より)。
ISに関しては、クソみたいな集団だとは知ってましたけど、スクリーンに映る非道行為の数々は正視に耐えなくて(死体や処刑シーンがバンバン流れる)。特に子どもを兵士に仕立てるくだりは吐き気がしたし、そりゃあ「普通のムスリムは違う」ということも十分知ってますが、あらためて「宗教は害悪だな」って思ったり。あと、ドイツでの排外主義者によるデモのシーンも実に醜悪でゲンナリするというか。日本でも観た光景だし、今もネットではそういった言葉が飛び交ったりしますけど、少しでも想像力が働く人間なら「そうだ難民しよう!」なんてクソみたいな表現は絶対できないよなぁと。
幼子にアウトな教育。ISのメンバーの所業には反吐が出ます。
こういう発言をする人や…。
こういうことを言う人って日本にもいるけどさ、問題は自分自身にあることに気付いてほしい。
パンフに載っていたジャーナリスト・川上泰徳さんのコラムによると、2017年10月には、クルド人主導の「シリア民主軍」(SDF)が米軍・有志連合の空爆の援護を受けてラッカを陥落させたそうですが、民間人の死者が飛躍的に増えたそうで、もう何が何やらというか(ISが4年間に殺した数より多いとか)。ハッキリ言って、あまりにも問題が大変すぎて、何の権力もない単なる「45歳のオッサン」でしかない僕がどうこうできるレベルの話ではないんですが(汗)、とりあえず本作はスゲータメになりました。日本だっていつこういった状況になるかわからないワケだし、相当ヘビーだけど多くの人に観てほしいなぁと。最後に「ウルトラマンA」最終回での北斗星司の名台詞を残して、この駄文を終えたいと思います。
( ´_ゝ`)
優しさを失わないでくれ
弱い者をいたわり、互いに助け合い、
どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ
例えその気持ちが何百回裏切られようと
それが私の最後の願いだ
おしまい。
本作はすでにamazonプライムビデオでは観られるので、ぜひ!m9`Д´) ビシッ
マシュー・ハイネマン監督による地獄のメキシコ自警団ドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
非常に思い出したドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
ハードすぎるドキュメンタリー。僕の感想はこんな感じ。
劇場で売っていた関連書籍、その1。ちょっと読みたい。
劇場で売っていた関連書籍、その2。これもハードそうですな…。
劇場で売っていた関連書籍、その3。ううむ、kindle版で読もうかしらん。