オリエント急行殺人事件(2017年版・字幕版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて
2018年01月06日

オリエント急行殺人事件(2017年版・字幕版)(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2018)
※今回の感想は、1968年版「猿の惑星」のネタバレに触れているんですが、とりあえず「猿の惑星」のオチは自分自身で体感した方が間違いなく面白いので、未見の人はなるべく“舐めた態度”で観てから読んで!
※今回の記事は、映画の内容とは関係のない画像や文章も書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。





<とても大切な前書き>

スゲー今さらな文章を書きますよ。本作の原作は、“ミステリーの女王”アガサ・クリスティが1934年に発表した「オリエント急行の殺人」でしてね。それはそれは世界的ベストセラーになったミステリー小説なんですが、特にその“謎”については、僕調べによると1968年版「猿の惑星」「ここは地球だったのかァーー! Σ(°д°;) ビックリ」以上に知られているんですけれども(もちろんヌケサク「な…中にいたのは……おれだったァーー! Σ(°д°;) ビックリ」よりも有名…というどうでも良い文章)。もしまだそれを知らないという人がこのブログを読んでいるのなら、悪いことは言いません、こんなネタバレ全開の駄文を読破する前に、自分自身でその“謎”を体感してほしいのです。


なんとなく小松未歩さんの「謎」を貼っておきますね↓




ただ、「映画やドラマがたくさんあって、どれにすればいいか迷っちゃう… (´Д`;) ドウシヨウ」という方もいると思いますので、ちくしょう、今回の感想を書くために、あらためて原作小説を読破→本作を2回鑑賞→昔の映画版&ドラマ版3本を観た僕がアドバイスするのなら! 話の筋が一番わかりやすいのはやっぱり原作小説だったので、ちゃんと謎解きやストーリーを楽しみたい方は原作小説が良いと思われます。で、映像で楽しみたいなら、とりあえず僕は今回の2017年版をオススメしちゃうかなぁ。ただ、1974年版はクラシックとなったほどの名作なので、昔の映画に抵抗がなくて、どことなく正月映画っぽい豪華な雰囲気が好きな方はこっちが良い気もいたします。で、ヘビーなムードが好きな方には2010年に放送された「名探偵ポアロ」シリーズの第65話が合うんじゃないかと。ちなみに、理由は後述しますが、二夜連続放送されたテレビドラマである三谷幸喜監督版と、2001年のアメリカ製テレビムービー「オリエント急行殺人事件 死の片道切符」に関しては、初見の人にはあまりオススメしません。って、ううむ、我ながら大して参考にならないような… (`Δ´;) ヌゥ








オリエント急行殺人事件(2017年版・字幕版)

オリエント急行殺人事件

原題:Murder on the Orient Express
2017/アメリカ 上映時間114分
監督・製作:ケネス・ブラナー
製作:リドリー・スコット、マーク・ゴードン、サイモン・キンバーグ、ジュディ・ホフランド、マイケル・シェイファー
製作総指揮:アディッティア・スード、マシュー・ジェンキンス、ジェームズ・プリチャード、ヒラリー・ストロング
原作:アガサ・クリスティ
脚本:マイケル・グリーン
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
美術:ジム・クレイ
衣装:アレクサンドラ・バーン
編集:ミック・オーズリー
音楽:パトリック・ドイル
視覚効果監修:ジョージ・マーフィ
出演:ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルス、デイジー・リドリー、ウィレム・デフォー、ジョシュ・ギャッド、デレク・ジャコビ、レスリー・オドム・Jr.、マーワン・ケンザリ、オリビア・コールマン、ルーシー・ボーイントン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、セルゲイ・ポルーニン、トム・ベイトマン
パンフレット:★★(720円/紙は厚いものの、内容は薄め)
(あらすじ)
トルコ発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人富豪のエドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)が刺殺体で発見される。偶然列車に乗り合わせていた探偵のエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が、鉄道会社に頼まれ密室殺人事件の解明に挑む。乗客のゲアハルト・ハードマン教授(ウィレム・デフォー)やドラゴミロフ公爵夫人(ジュディ・デンチ)、宣教師のピラール・エストラバドス(ペネロペ・クルス)、キャロライン・ハバード(ミシェル・ファイファー)らに聞き取りを行うポアロだったが……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




85点


アガサ・クリスティの「オリエント急行の殺人」については、1974年にシドニー・ルメット監督が撮った「オリエント急行殺人事件」がスゲーよく出来ている上に有名であって、僕も幼いころにテレビで何回か観ていて(高校生の時、原作小説も読んだ)。そりゃあ、シェイクスピアは何度も何度も上演されているし、「忠臣蔵」「ドラゴン怒りの鉄拳」だって幾度もリメイクされているけど、ミステリーというジャンルは“明かされる謎”が超大事じゃないですか。「乗客全員が犯人だった!Σ(°д°;) ナンデスト!」というオチが世界的に知られているのに、わざわざ映画化する意味ってあるんですかね?(苦笑) その上、もともとケネス・ブラナー監督作があまり好みに合わない印象があったので、あまり観るつもりはなかったんですが、しかし。

愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の“新年1本目”の課題映画になっちゃいまして。まぁ、でも、正月映画っぽいオールスター感は嫌いじゃないし、年末最後に観るには良いかなぁと。で、青森の奥さんの実家に行く12月29日、「奥さんが友だちと遊ぶので新青森駅まで迎えに来てくれない…というか、僕に1人で行動してほしい→映画を観に行ってもOK!」ということになったので、青森松竹アムゼにて割引クーポン券を駆使して観ましてね。そして、年明けの今日、TOHOシネマズ新宿にて1ヵ月フリーパスを利用して2回目を鑑賞してきました。ステキな映画体験でしたヨ (´∀`=) ホッコリ


『PS4U』を聴きながら東京駅へ!ヽ(`Д´)ノターン!」「駅弁を買う!m9`Д´) ドーン!」と黄金コースを気取っていたら切符をなくしたというね…。
PS4Uを聴きながら

何とかなって、駅弁をモサモサと平らげる気分は、なんとなく「オリエント急行」だッ!
新幹線で食べた駅弁

新青森まで新幹線で行って、在来線で青森駅へ。すっかり雪景色であり、超寒い。
青森駅

バスで「サンロード青森前」まで行けば、青森松竹アムゼは目の前でして。
青森松竹アムゼ

東京と比べても、二番館的なムードが漂わないラインナップでした。
上映中の映画

売店はこんな感じ。チケットを買う際、つい「オリエンタル急行殺人事件」って言っちゃった!(*ノ▽ノ) キャッ
青森松竹アムゼの売店

劇場ロビーはそこそこ広めなんですが…。
青森松竹アムゼの劇場ロビー

なんと電子レンジ食品の自販機があったのです!
電子レンジ食品の自販機

思わず焼きそばを購入。飲み物が爽健美茶なのは、摂取カロリーを気にしているからなんだぜ?
ソース焼きそば

リンゴの形なのが可愛いね。観客は12人だった…というのはウソです(確か7人ぐらい)。
リンゴの形

そして今日のTOHOシネマズ新宿の6番スクリーンは満席でしたよ。
6番スクリーン

鑑賞後の僕の気持ちを代弁する志誠館の雄・片岡輝夫を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
ステキな体験でした...


ハッキリ言って、スゲー舐めてました。予想外にハートを掴まれたので、思わず比較したくなって、あらためて原作小説を読んでから、1974年版「名探偵ポアロ」シリーズの第65話三谷幸喜監督版「オリエント急行殺人事件 死の片道切符」と他の映像作品をチェックして、あらためて2回目を観に行ったほどであり、その上で「よくできているなぁ」と。ワンカット長回しや面白い構図での撮影を入れたりするだけでなく、ちゃんとそのシーンがポワロの有能さを見せているあたりが良いし(ステッキをバールのように使ってドアをこじあけたりとか)、車内ばかりのシーンになりそうなところを飽きさせないように工夫していて、なかなか感心いたしました。


わざわざ屋根の上を歩いて調べたりとか、こういうシーンを入れたのはとても良かったですな。
屋根の上を調べるポワロ


脚本も練られていて。「『アームストロング誘拐事件』(元ネタは「リンドバーグ愛児誘拐事件」)の関係者たち13人がオリエント急行に乗り込んで、ラチェットと名前を変えて逃亡していた犯人のカセッティをみんな(12人)で殺しました」という本筋は一緒ではあるものの(そりゃそうだ)、省略するところは省略しつつ、今までの映像作品と比べると、マーティンやメアリ、アーバスノットなどの登場人物にクローズアップすることで、「もしかするとこの人が犯人!?Σ(゚д゚;) マサカ!」と観客をミスリードする要素を強くしているんですよね。だから、僕も途中から「今回は全員が殺してないのかも」なんて思ったり、思わなかったり ( ゚д゚) ドッチダヨ まぁ、確かに推理力が抜群すぎ問題はあって、「お前、それだけの情報でよくマーティンが検事の息子だってわかるな…」とか思うところはあるんですけど、映画冒頭で単なる推理には留まらない力を見せて(犯人が戻ることを予期してステッキを刺しておくとか、凄まじい)、本人も“特別な力”と言っていることから、本作のポワロは「X-MEN」みたいなものと考えれば、まぁ、良いかなと(雑な考察)。


要は、ジョニー・デップ演じるラチェット(本名:カセッティ)が“12人のオレ流陪審員”に裁かれる話なのです。
カセッティ(ジョニー・デップ)

ちなみに、この集合写真に車掌と伯爵夫人がいないのはなぜなんですかね (゚⊿゚) ナゼー
2人足りない集合写真


あと、ケネス・ブラナー演じるポワロがスゲー魅力的でして。正直、彼の独壇場が多いのは好き嫌いが分かれるところだし、カトリーヌという女性の写真を愛でる場面はどうでも良かったけど、僕的には今まで観たケネス・ブラナーの中で一番カッコ良くて面白かった。あの巨大なヒゲのためのリサーチとデザインに9ヵ月かけたという「ヒゲ部」並みの情熱が報われたというか、ハマリ役じゃないでしょうか。最後は「最後の晩餐」風に座った乗客たちの前で推理を披露してから12人の犯人たちを見逃すと、「ナイルに死す」に繋がるムードで終わってましたが、また彼のポワロが観たいと強く思いましたよ。


ケネス・ブラナーのポワロ、好みのタイプでした。
ポワロ(ケネス・ブラナー)

それと、セルゲイ・ポールニンがダンサー役でアクション要員だったりしたのも正月映画っぽくて好きだったり。
セルゲイ・ポールニンのアクション


でね、僕が何よりもグッときたのは、本作は犯罪被害者の話だったということ。観る前は「こんなオチが有名なミステリーをやるなんて意味あるのかよ!(`∀´) カエレ!」なんて思っていましたが、そもそもこの有名なミステリーのトリックは「1つの犯罪の陰では多くの人が傷ついている」ということを表すためだったんだなぁと(若いころはそこにまったく気付いてなかった…)。エンドクレジットが始まると流れる「Never Forget」(歌うのはリンダ・アーデン役のミシェル・ファイファー!)の歌詞を聴くと、僕のような英語力低め脂多め味濃いめの男にもわかるレベルで泣けてくるし、「アームストロング誘拐事件」や犯行の回想シーンでも流していることからも、本作はそこに一番力を入れていたのではないでしょうか。ポワロが最終的な結論を出す前、犯人だけども犯罪被害者でもある乗客たちが肩に手を置いたりして慰め合う雰囲気とか、昔、警察で働いていたころ、理不尽な事件をいくつか目の当たりにして、精神的にキツかったことを思い出して、スゲー泣いちゃったりもしてね…。

つーか、そもそも原作はもっとスッキリ&アッサリしたラストであって(ポワロの葛藤はゼロな感じ)。それはそれで愉快なんですが、生きた人間が現実世界で演じるとなると、小説ほどアッサリ塩味では済ませられなくなる…ってのは、ミステリー小説の実写化によくある話ですわな(実写化したことで「なにこの変な話 (゚⊿゚)」と気付くことも少なくないような)。で、他の映像化作品を観ると、有名な1974年版でも“若干の浮かれ感”があって居心地が悪いし(オールスター映画にせよ、乾杯はちょっと…)、容疑者たちが事件の準備をするところを「忠臣蔵」のように描いた三谷幸喜監督版はさらにポジティブになってて乗れないし(「なんで脅迫状を燃やしちゃったのよ!川`Д´)ノ」とか原作の変なところに新解釈を入れるあたりは好きだし、それなりには愉快だったけど)、ポワロに魅力がない上に登場人物たちのエピローグまで入れた「オリエント急行殺人事件 死の片道切符」に至っては完全にハッピーエンドで論外ということで(しかも舞台を現代に移したのも微妙)、僕的には本作の“静かで穏やかな雰囲気の着地”が一番好みだった次第。ちなみに、2013年までドラマが作られていたことを知って驚いた「名探偵ポアロ」シリーズの第65話(出演者がこれまた豪華!)の場合は、「罪とは何か?」に焦点を絞った「精神的にポワロを追い込むヘビーな仕様」になっていて、「ポワロがどっちを選んだかをわざわざ説明しないで終わるラスト」もまたスゲー良かった…ということを書き残しておきましょう(偉そうに)。


第65話の何が素晴らしいって、カセッティの殺し方。「体の自由だけ奪う薬」を飲ませてから…。
体の自由だけ奪った

意識がある状態で、老婆に説教をされながら次々と刺されていくという残酷仕様なのデス (・∀・) ザマァ!
老婆の説教


って、ベタ褒めですが、多少の不満はあって。ポワロがカトリーヌの写真を愛でる場面はマジどうでも良かったし、本作では「カセッティが裁判を受けていない(高飛びした設定)」のだから「捕まえて警察に引き渡すべきでは?」とは思っちゃうし、ラストの「弾倉が空になるように拳銃を渡す」というポワロの試し行為もどうかなぁと。とは言え、「私はウソをつけない→止めたければ殺せ」というくだり自体は面白い試みだと思ったので、例えば、最後はポワロが12人と実際に戦う…なんて展開はどうだろう? いや、そもそもポワロは「ベルギー人」という設定なので、いっそ“マッスル・フロム・ブリュッセル”の異名を持つジャン=クロード・ヴァン・ダムを主演に起用するとか、そんな大胆な翻案もアリだった気がするんだけど、君はどう思う?(唐突かつ馴れ馴れしい問い掛け)


思い切って12人の容疑者を全員ぶちのめす…そんなポワロはお好きですか?(お好きですか?)苦手ですか?(苦手ですか?)
食堂車にいる12人、ここへ集めろ!


念のため、「ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン」の予告編を貼っておきますね↓ このヴァン・ダム、少しポワロっぽいな…(無理がある文章)。




ううむ、ダラダラとした感想になっちゃいましたが(汗)、作品自体が好きなだけでなく、観る前の新幹線は勝手にオリエント急行気分だったし(なんだそれ)、たぶん青森で“最初で最後に観た映画”になるし、映画館で焼きそばを食べながら観たのも初めてだったし、本作がキッカケになっていろいろと読んだり観たりしたのも楽しかったし、トータルしてとてもステキな映画体験でしたヨ (´∀`=) ホッコリ 本作を観た人は、ぜひ原作小説や他の映像作品も観てみてくださいな(特に「名探偵ポアロ」シリーズの第65話がオススメ!)。




デジタル盤のサントラ。輸入盤もあります。



アガサ・クリスティによる原作小説。ずいぶん昔に書かれたものだけど、面白いです。



名匠シドニー・ルメット監督による1974年版。原作を読んでから見ると、脚色がスゲー上手い。



今、あの「名探偵ポワロ」シリーズがamazonプライムビデオでも観られるのです。ヘビーな後味がグー (o^-')b グー



2001年製作のテレビムービー。現代が舞台になっている&ラストが、まぁ、微妙。



三谷幸喜監督による2夜連続テレビドラマ。好きじゃないところもあるけど、それなりに愉快。


「そして誰もいなくなった」を翻案しすぎたアーノルド・シュワルツェネッガー主演作。僕の感想はこんな感じ








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