ヘイトフル・エイト(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて
2016年03月26日

ヘイトフル・エイト(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2016)
ヘイトフル・エイト※ムービーウォッチメンのリンク等を追加しました(3/28)

裏切りの八悪人

原題:The Hateful Eight
2015/アメリカ 上映時間168分
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
製作:リチャード・N・グラッドスタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジョージア・カカンデス
撮影:ロバート・リチャードソン
美術:種田陽平
衣装:コートニー・ホフマン
編集:フレッド・ラスキン
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、ブルース・ダーン、ジェームズ・パークス、デイナ・グーリエ、ゾーイ・ベル、リー・ホースリー、ジーン・ジョーンズ、キース・ジェファーソン、クレイグ・スターク、ベリンダ・オウィーノ、チャニング・テイタム
パンフレット:★★★★(880円/少し高いけど、資料価値があってオススメ。ただ、もっとネタバレ全開で良いのでは)
(あらすじ)
どこまでも続く白銀の世界。北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)が、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体を椅子代わりに座っている。寒さで馬がやられ、誰かが通りかかり拾ってくれるのを待っているのだ。やがて1台の駅馬車がウォーレンの前で停まる。馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が繋がれていた。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯のその女は、散々殴られた顔で不敵に笑っている。迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地でうまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士用品店へ向かうという。途中、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)が乗り込み、新任保安官だと名乗るが、ルースは彼が黒人殺しで名を馳せる凶悪な南部の略奪団の一員だと知っていた。ミニーの店へ着くと、見知らぬメキシコ人・ボブ(デミアン・ビチル)が現れ、母親に会いに行ったミニーの代わりに店番をしていると話す。ルースは早速ストーブの上のコーヒーを飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。店には3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。絞首刑執行人のオズワルド・モブレー(ティム・ロス)は、洗練されているがどこか胡散臭い英国訛りの男。カウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)は、何を考えているかわからず、母親とクリスマスを過ごすために帰る途中だということ以外は一切語らない。そしてサンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)は、大勢の黒人を虐殺した南部の元将軍。ルースはこの怪しげな男たちに疑いの目を向けていた。この中にドメルグの仲間がいて奪還するチャンスを待っているのではないか。あるいは1万ドルのお宝を横取りしようとしているのではないか……。偶然集まった他人同士のはずが、マニックスは父親がヒーローと崇めていたスミザーズとの出会いに感激し、そのスミザーズの息子の謎の死につてウォーレンが何かを知っていた。それぞれの過去の糸が複雑にもつれ出した時、コーヒーを飲んだ者が激しく苦しみ、間もなく息絶える。夜も更け、外の吹雪はますます激しくなっていく……。(以上、Movie Walkerより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今作はネタバレを知らないで観た方が絶対面白いから、この感想文は観てから読んでほしいんですが、別にミステリーとして優れているワケではない上にエグい映画なので気をつけて!
※今回の記事は、やたらと画像が貼られてダラダラしているので、そういうのが苦手な人は読まないで!
※今回の記事は、「キン肉マン」のネタバレに触れているので、気をつけて!
※今回の記事は、性的で非道い文章が書かれているので、18歳未満の方は読まないで!


「マッドマックス 怒りのデス・ロード」V8ジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンが“主人公の1人”として活躍するNETFLIXのオリジナルドラマ「センス8」「X-ミッション」の中でオノ・オザキが提唱したオザキ8など、8ブームが巻き起こる現在、2月下旬に公開された“クエンティン・タランティーノの8本目の監督作”「ヘイトフル・エイト」(以上、不要な文章)。タランティーノ監督作は観る主義なので、前売り券を購入して楽しみにしていたものの、仕事が忙しい&他の作品を優先していたため、なかなか観に行けなかったんですが…。今週のムービーウォッチメンの課題映画になったということで、TOHOシネマズ六本木ヒルズで鑑賞しまして。さらに、「映画秘宝 2016年 04 月号」の特集記事&パンフを読んでから、“信用できるサタニスト”高橋ヨシキさんの解説と尊敬する映画評論家の町山智浩さんの解説(有料)を聞いて、新宿ピカデリーで2回目を観て来ました。「ヒデェ映画… (´Д`;) イヤーン」と思ったり。


公開から結構経ってるせいか、TOHOシネマズ六本木ヒルズの5番スクリーンはそんなに入ってなかったです。
5番スクリーン

入口にはこんな注意書きがありましたよ。
こんな注意書きが

2回目は、給料が入った&前日にチケットを無駄にして可哀相だった(自分が)ので、ソフトクリームを買っちゃった (〃∇〃) エヘヘ
ソフトクリームアイス・クレミア

4番スクリーン、8割ぐらい入ってて、ビックリしました。
4番スクリーン


「ヒデェ映画」というのは、作品として酷いとか日本の公式ポスターが海外版と比べると残念とか、そういうことではなく(冒頭に貼ったのは、高橋ヨシキさんが勝手に作った超カッコよすぎるポスターでございます)。登場人物の行動がエグくてドン引きしたというか… ('A`) これから予告編などの画像を使って、観た人が「そんな話だったっけ…? (´・ω・`) ウーン」と思いそうなほどに雑なあらすじを残しておきますが、本当にネタバレを知らないで観た方が面白いので、未見の方は映画を観てから、18歳未満の方は大人になってから読んでいただけるとありがたいです。


さて、画像を使ってあらすじを書くと、御者のO.B.が駅馬車を走らせていると…。
“御者”O.B.ジャクソン

雪の中で立ち往生してた“賞金稼ぎ”マーキス少佐が「乗せてくれないか?」と。
“賞金稼ぎ”マーキス・ウォーレン少佐

馬車を貸し切っていた賞金稼ぎ”首吊り人”ジョン・ルースは、マーキスのことを一目置いてたので乗せてあげることに。
”首吊り人”ジョン・ルース

彼は1万ドルの賞金首の“囚人”デイジーをレッドロックの街に連れて行く途中だったのです。
“囚人”デイジー・ドメルグ

さらに馬が死んで困っていた自称“保安官”のクリス・マニアックスを同乗させたら、口ゲンカが勃発したりしてね。
“保安官”クリス・マニアックス

吹雪のため、“ミニーの紳士服飾店”に避難すると、出迎えたのは“メキシカン”ボブ。店主のミニーは実家に行っているそうな。
“メキシカン”ボブ

店内には「バトンルージュの戦い」で黒人捕虜を虐殺した“老将軍”サンディ・スミザーズ将軍や…。
“老将軍”サンディ・スミザーズ将軍

よく喋る絞首刑執行人“小さき男”オズワルド・モブレーに…。
“小さき男”オズワルド・モブレー

クリスマスを母親と祝うために実家に帰る途中の“カウボーイ”ジョー・ゲージがいたのです。
“カウボーイ”ジョー・ゲージ

悪党仲間にデイジーを奪還されることを恐れたジョンは、マーキスと組んで、他の客の銃を取り上げたりするんですけれども。
1万ドルの懸賞金はオレのだ

黒人を虐殺したスミザーズ将軍をマーキスが「息子を陵辱して殺した話」で挑発→射殺している間に…。
息子を知ってるのか?

毒を入れられたコーヒーを飲んだジョンとO.B.が漫☆画太郎先生の漫画ライクに吐血して死亡するからビックリですよ。
嘔吐する教頭先生

コーヒーに毒を入れた奴を探すことになって、マーキスはとりあえずミニーに関してウソをついていたボブを射殺しまして。
犯人探しを始めるマーキス

さらに犯人を捜そうとすると、「地下にいた男に陰嚢を撃たれて泣き叫ぶ→銃撃戦勃発!」という急展開!Σ(゚д゚;) ナンダッテー
地下に潜ってました

回想シーンに突入すると、ジョンたちが来る前に“4人の男”が“ミニーの紳士服飾店”にやって来て…。
店にやって来た4人

客のスミザーズ将軍以外を皆殺しにしていたことが判明。要は「店にいた奴らは全員グルだった」と。
井戸に捨てられるジュディ

だがしかし、デイジーの弟であり伝説の強盗団のボス“9人目の男”ジョディは、姉を人質にされてしまい、アッサリ頭部を吹き飛ばされてました (ノ∀`) アチャー
“9人目の男”ジョディ

そして、みんな瀕死の状況の中、デイジーは「自分たちの無事が確認されないと、完璧超人の弟子1000人が殺しに来る」と言いだしたので…。
襲撃予定の1000人の弟子

なんと喧嘩男が自爆→人狼煙を決行して、侵攻を止めるという自己犠牲を見せるのです!
人狼煙

キン肉スグル
は「男であったぞ、喧嘩男…」と彼を称えたのでした…って、やだ、「キン肉マン」が混ざっちゃった!Σ(゚д゚;) ワザトラシイ
男であったぞ、喧嘩男


ごめんなさい、本当のオチを書いておくと、デイジーは“保安官”のクリスに「アタシたちが無事に帰らないと、強盗団の殺し屋15人がレッドロックの住民を皆殺しにすることになってる」「マーキスを殺して、他の賞金首の死体を持ち帰ればいいじゃない 川o^-')b ドウカシラ?」的な取引を持ち出すので、黒人差別野郎のクリスと仲違いしまくっていたマーキスは超ハラハラするものの! 今回の事件で成長したクリスは「お前みたいな性悪女の話なんて信用できるか!( ゚д゚) クソガ!と言い放って、2人でデイジーを絞首刑。瀕死状態で横たわる中、マーキスが生き延びるために使っていた「リンカーンの手紙」をクリスが朗読して、映画は終わってましたよ。


エンドクレジットで流れるロイ・オービソンの“反戦ソング”「There Won't Be Many Coming Home」を貼っておきますね↓




本作に関してのトリビアや小ネタ、作品で描かれたことの意味云々に関しては、先に挙げた「映画秘宝 2016年 04 月号」&パンフ&高橋ヨシキさんの解説町山智浩さんの解説(有料)に加えて、今晩のムービーウォッチメンでの宇多丸師匠の時評を聴いていただければ十分なので、それはそれとして。とりあえず僕の感想を雑に書いておくと、面白かったし、考えさせられたのは確かなんですよね(奥歯に物が挟まった文章)。

まず、役者さんがスゲー良かったというか。メインの人たちはとにかく芸達者なんですが、特にジェニファー・ジェイソン・リーはスゴかったですねぇ…(しみじみ)。序盤、鼻をエルボーされた彼女が「Apple Blossom」をBGMにニヤリと笑う場面、ファングメモリのCMのフィリップ並みにゾクゾクしたというか(よく貼るリンク)。「エクソシスト」のリーガンを意識して演技したそうですが、まさに悪魔のような魅力がありましたよ。あと、僕はカート・ラッセルが好きなので、マーキスが持っていた「リンカーンの手紙」をウソだと笑われたジョンが「ほんとだもん! ジョン、感動したもん! 本当にリンカーンが書いたんだもん!ヽ(TДT)ノ」とションボリするシーンには萌えましたね…(一部ウソ)。


ジェニファー・ジェイソン・リー、本作で超見直しましたよ。
笑顔が魅力的

こういう仕草もキュートで良かったですな…性悪だけど。
しぐさがキュート


サミュエル・L・ジャクソンの相変わらずの“説教力”も愉快だったし、満を持して登場するチャニング・テイタムがフランス語を話したりと気取ったムードを漂わせたりしながらもバカっぽく殺される展開も笑っちゃいました。それと、“ミニーの紳士服飾店”の店主・ミニー(デイナ・グーリエ)の「アタシのケツがデカいか聞いて!川 ゚д゚)」のくだりも良かったし、大好きなゾーイ・ベル歳に似合わない乙女チックな演技をしてたのもうれしかったです。


ミニー役のデイナ・グーリエ。好みのタイプだったり… (´Д`;) ハァハァ
ミニー役のデイナ・グーリエ


それと、高橋ヨシキさんの解説「話を知ってから観ると、いろいろと気付けて面白い」みたいなことを言ってたので、悔しい思いをしながらもう一回観たら確かに面白かくて。デイジーの気まぐれに見えた表情が意味のあるものに変わったり(「リンカーンの手紙」を見た時のマーキスへの視線とか、初めて店に入った時の顔とか、恋人関係にあるジョーへの視線とか)、モブレーの質問の数々が探りを入れる内容&他の仲間たちにそれを知らせていることがわかったりと、足を運んだ甲斐があったなぁと。その他、ところどころ「死霊のはらわた」っぽかったのも好きだったし(「スペル」のババアとかも思い出した)、銃撃戦の見せ方や残酷描写も相変わらずイイ感じでした。


2回目は、同じ場面でも違った風に見えるのです。
楽しい時を過ごせそう

ギターを破壊する場面、この話を知ってからみると、ジェニファー・ジェイソン・リーのリアクションが素に戻った感があって愉快。
ギターをクラッシュ!


って、褒めまくってますが、乗れないところはありまして。「密室ミステリーというには雑すぎる」とか「種明かしが終わってからの会話シーンが長すぎる」といったところだけでなく。なんというか、鑑賞後の後味が最悪なんですよね… ('A`) 僕的にこの映画のテーマは2つあると思ってまして。1つ目はフィクションの力。ウソの「リンカーンの手紙」がジョンの心を動かしたり、ジョディ一味はウソの力でデイジーを奪還しようとしたり、マーキスは物語を話すだけでスミザーズ将軍を逆上させたり、デイジーは「殺し屋15人」の話で窮地を脱しようとしたりと、本作はフィクションが人の命を左右する物語なんですよね。最後、バカにしていた「リンカーンの手紙」を読んだクリスが「良い創作だな」と褒めながらも丸めて捨てたのは、「でも、これってコイツの作り話なんだよな」って思ったからじゃないかと。

僕的にはこのテーマだけだったらスゲー良かったんですが…。2つ目のテーマは「憎悪なんてくだらない」ってことじゃないかと。本作に出てくる登場人物たちは大なり小なり「憎悪」を抱えていて、特に黒人差別が露骨だったりしながらも、最後は「悪党を前にして一致団結する=憎悪を乗り越える」んですけれども。それが女性の縛り首であり、結構グロい&長々と見せるんですよ。要は、「だからって別の相手に憎悪を向けたら、それだって醜いんだぜ?」ってことだと思ってて。だから、メッセージ的にはスゲー正しい着地だと感心しながらも、見せる絵が醜悪すぎて(わざとなんでしょうけど)、後味が超苦かった…って、伝わりますかね (・ω・;) ウーン

そして、一番ダメだったのが、マーキスがスミザーズ将軍に「息子が死んだ日」を話す場面。銃を持たせて正当防衛で殺すために延々とイヤ~な話をするワケですが…。濁して書くと、「全裸にして雪原を何時間も歩かせた挙げ句、ナニをお口で奉仕させてから射殺した」という内容で、もしかしたら射殺した以外はウソなのかもしれませんが(とは言え、マーキスも「陰嚢を撃たれて致命傷を負う」という報いを受ける)、そのくだりを映像で見せられるからドン引きですよ。正直、「セルビアン・フィルム」よりもゲッソリした(あっちはまだ「狂った映画」前提で鑑賞したし…)。全裸シーンで股間にモザイクを入れなかったのは超偉いと思いながらも、マジでキツい場面であり、2回目の時も画面から目を逸らしちゃったほど。つーか、僕は「尊厳を貶める描写」が苦手なんだなぁと自覚いたしました。まぁ、登場人物の誰にも感情移入させないため&黒人の憎悪の深さを表すためにあそこまでやったんでしょうけど、さすがにやりすぎじゃないでしょうか。


僕の気持ちを代弁する神心会空手・女子部の井上さんを貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
やりすぎじゃないでしょうか


そんなワケで、途中の描写&後味があまりにも酷くて、「ヒデェ映画… (´Д`;) イヤーン」と思った次第。ただ、いつものタランティーノ節や先が読めない展開は楽しかったし、メッセージ性自体は良いと思ったのも確かなので、タランティーノ監督には後2本と言わず、もっとたくさんの作品を撮ってほしいと心から思っております。おしまい。

宇多丸師匠のタメになる時評がアップされたので、聴いてみて! なんか70mm上映版が観たくなりましたよ、無理だけど。




クエンティン・タランティーノ監督の前作。僕の感想はこんな感じ



サントラでございます。アナログ盤もあるのね。



本作の特集記事が載った「映画秘宝」。タメになりました。



8体のフィギュアセット。ほしいけど、チャニング・テイタムは付かないのね。



引き合いに出されたジョン・カーペンター監督×カート・ラッセル主演作。怖いです。








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