マジカル・ガール(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて
2016年03月19日

マジカル・ガール(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2016)
※本作はネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、“惨劇が起こる映画”が苦手じゃない方は観てから読んで!
※ムービーウォッチメンのリンク等を追加しました(5/23)







マジカル・ガール

マジカル・ガール

原題:Magical Girl
2014/スペイン 上映時間127分
監督・脚本:カルロス・ベルムト
撮影:サンティアゴ・ラカハ
編集:エンマ・トゥセル
出演:バルバラ・レニー、ルシア・ポシャン、ホセ・サクリスタン、ルイス・ベルメホ、イスラエル・エレハルデ、エリサベト・ヘラベルト
パンフレット:★★★★(700円/読み物が充実。ブルボンヌさんのコラムに超同意。)
(あらすじ)
白血病で余命わずかな少女アリシア(ルシア・ポシャン)は、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファン。ユキコのコスチュームを着て踊りたいというアリシアの夢をかなえるため、失業中の父ルイス(ルイス・ベルメホ)は高額なコスチュームを手に入れようと決意する。しかし、そんなルイスの行動が、心に闇を抱えた女性バルバラ(バルバラ・レニー)やワケありな元教師ダミアン(ホセ・サクリスタン)らを巻き込み、事態は思わぬ方向へと転じていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




89点


あァァァんまりだァァアァヽ(TДT)ノAHYYY


僕の気持ちを代弁するエシディシの画像を貼っておきますね(ジョジョ第二部より)。
三角絞めでつかまえて-あんまりだー!


尊敬する映画評論家の町山智浩さんが昨年のベスト10に入れていた…というだけでなく。最近はサッパリですけど、小学生のころは姉に隠れて「魔法少女シリーズ」を観ていたのでね(苦笑)、「魔法少女ユキコ」が出てくるという本作にも興味を持って前売り券を購入しまして。ただ、まだ2月公開の「ヘイトフルエイト」が未見→「観るのは当分先だな」なんて思っていたら、今週のムービーウォッチメンの課題映画になったということで! 水曜日に恵比寿ガーデンシネマに行ったところ、なんとサービスデー=1100円で観られる日だったというね…。ううむ、1500円の前売り券を1100円で鑑賞できる日に使わなくてはならない屈辱!ヽ(`Д´)ノ キィィィィッ! とは言え、劇場の人をにらんでいても仕方がない(迷惑な客)。前売り券を使って席を取り、ムシャクシャした気分で鑑賞いたしました。ちなみに、1100円で観られる日だったことも影響したのか、1番スクリーンは8割ぐらいの入りだったり。


恵比寿ガーデンシネマに来たのは、昨年11月の「ステーキ・レボリューション」以来。
恵比寿ガーデンシネマ

記事の切り抜きが通路に貼ってありまして。
記事の切り抜き

著名人のコメントも展示されていたんですが…。
著名人のコメント

目玉は劇中で使われていた「ユキコのステッキ」と「黒トカゲの紋章」の展示なのです。ちょっと得した気分 (´∀`) ウフフ
ステッキと紋章の展示


で、映画は小学生ぐらいのバルバラが教師ダミアンの悪口を書いたメモを持っているのを見つかり、「それを渡せ」と言われる→「もう持ってないもの」と手を開くとメモがない→「魔法少女ユキコ」のテーマ(後から長山洋子さんのデビューシングル「春はSA-RA SA-RA」だと知ってビックリ)が流れるとともにタイトルが出て、3部構成の物語が始まるんですが…。ここから予告編の画像を使いまくった雑なストーリー紹介を交えたネタバレ全開の感想を書くのでね、しつこいようですけど、未見の方は映画を観てから読んでいただければありがたいです。


少女バルバラが手を開いた瞬間、タイトルが出て…。
もう持ってないから

長山洋子さんの「春はSA-RA SA-RA」が流れるのでした↓ イントロがそれっぽくてナイスな選曲。





<世界(MUNDO)>

アリシアは12歳の女の子。白血病で余命幾ばくもないのです。
アリシア(ルシア・ポシャン)

そんな彼女がハマっているのが日本のテレビアニメ「魔法少女ユキコ」でして。
「魔法少女ユキコ」

父・ルイスは、アリシアの日記を見て、彼女の「ドレスがほしい」という想いを知るものの、値段は7千ユーロ(90万円)。
アリシアの日記

失業して蔵書を古本屋に売るほど困っていた元教師ルイスには、どうしようもない金額ということで。
失業中の父ルイス(ルイス・ベルメホ)

宝石店でも襲おうかと思ったその時! 頭上からゲロが降ってくるのでした ∑(°д°;) ナンダッテー
強盗直前にゲロが!

僕は、世界一可愛い娘・マナ子(仮名/4歳)の父ということでね、「白血病で死にそうな12歳の娘」なんてのが登場した時点で涙が止まらなくなるというか。そりゃあ、彼女の要求通り、タバコを少し吸わせたりするのはスゲーわかるし(だって、13歳まで生きられないのだもの!)、90万円のドレスだって買ってあげたいですよ。ただ、「宝石店を襲う」という短絡的なチョイスは、本当に教師だったのかと。もし無事に盗めたとしても質屋で足が付いて逮捕されたりしたら、娘は独りぼっちになっちゃうんだから、例えば出品者に「娘が白血病なので、ローンでの支払いはダメですか?」的なお願いをするなり、ネットを利用して募金を集めたり、メイク・ア・ウィッシュプログラム的な団体に頼むなりする方がまだ現実的ではないか…って、映画なんですが ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ まぁ、同じ父の立場として擁護すると(なんとなく偉そうな文章)、精神的に追い詰められているんだろうし、そういうことができないカタブツってことなのかもしれません。

唐突ですけど、つい会社で見てしまい、トイレにこもって20分泣いた動画を貼っておきますね↓



もうね、アリシア役のルシア・ポシャンが超可愛い&可哀想で可哀想で仕方がなくて…。彼女がラジオ局に出した「父宛の手紙」の内容がわかるのは次のパートでしたけど(「入院している時は父親がずっと側にいてくれてうれしかった」的な内容)、本当はドレスなんてなくても、ずっと一緒にいてくれたら良かったんだろうなぁと。あと、冒頭でルイスが「宝石店の前=バルバラの家の下」でパズルのピースを拾う描写があったワケですが、あの時点で“大きな魔術”に取り込まれたんでしょうな… (´・ω・`)



<悪魔(DEMONIO)>

時間軸が少し戻って、バルバラの話がスタート。嶋田久作さん似の夫に薬を飲まされるも、実は飲まなかったため…。
夫アレフレド(イスラエル・エレハルデ)

精神を病んでいる彼女は、友人の赤子を抱いた時にクスクス笑い→「窓から投げたらどんな顔をするかと思って」とハードすぎる不適切発言。
バルバラ(バルバラ・レニー)

そのせいで夫に見放されてしまったので、鏡に額を打ち付けて猛省ですよ(そして額に傷が付く)。
鏡に頭を打ち付けて猛省

「自殺しよう」と大量の睡眠薬を飲む→外で吐いたら、そのゲロがルイスに直撃!
強盗直前にゲロが!

ルイスを家に入れたら、寂しさのあまり、一夜の関係を結んでしまうのです。
ルイスを家に入れたバルバラ

翌日、夫は戻ってくるものの、「浮気を旦那にバラす」とルイスに脅迫されたバルバラは“ある男”に電話するも、出てもらえず。
バルバラからの電話

7千ユーロを作るために性派遣業を営むシガニー・ウィーバー似の友人アダ(昔、関係があった風)のところへ行きまして。
アダ(エリサベト・ヘラベルト)

金持ちの家で、「1日で7千ユーロを稼ぐ仕事(挿入はナシ)」にチャレンジし、見事大金をゲットするものの…。
1日7千ユーロのプレイ

ドレスを手に入れたアリシアがステッキ(2万ユーロ)もほしがったから、超大変!ヽ(´Д`;)ノ タイヘーン!
ドレスをゲット

バルバラはさらなる脅迫を受け、みんなが止める「トカゲの部屋」に入ることに。
さらなる脅迫

重傷を負った彼女は、“ある男”のアパートの階段で倒れて、助けられるのでした…。
ダミアンに助けられるバルバラ

アリシアの「口には出さないけど、『あれぇ、ステッキはないのかなぁ (・ε・) ドコドコ?』と探す演技」がキュートすぎて、ミスチルのセカンドシングル「抱きしめたい」を歌いたくなった…というのはどうでも良いとして。<世界>の時とは打って変わって、いくら娘のためとは言え、人妻を脅迫するルイスのゲスっぷりには超ガッカリしたワケですが、このパートで一番ドキドキするのが、夫を頼れないバルバラが自らお金を稼ぐ手段。

「挿入ナシで1日7千ユーロ稼ぐプレイ」が現実的に存在するかどうかは、当ブログをよく読んでいただいている風俗店従業員の沖田虎丸さんにお聞きしたいところですが、実際に何をやったのかを観客に見せないところがイヤ~な想像をさせて素晴らしい(プレイを止めるために言うフレーズが「ブリキ(Hojalata)」とか、そういうところも素敵)。しかも、バルバラが今度は1日で2万ユーロを稼ぐために「トカゲの部屋」へ入る時は、いろいろな人が暗に止めたり、わざわざ用意された手紙にプレイを止めるフレーズが書かれていなかったりと、直接描写ナシで恐ろしさを表現しているのが最高なのです (´Д`;) コワーイ つーか、部屋の上に飾られている黒トカゲの紋章とか(「黒蜥蜴」へのオマージュだとか)、バルバラの額の傷がビンディー第三の目のようでもあったりとか、魔術的な雰囲気が濃くなったパートでしたな。

「黒蜥蜴」のオープニングとエンディングの動画があったので、貼っておきますね↓


映画「黒蜥蜴 (美輪)丸山明宏」 明智小五郎 O... 投稿者 spyagent0011



<肉(CARNE)>

また時間軸が戻って、模範囚として出所することになったダミアンのパートに突入。
ダミアン(ホセ・サクリスタン)

彼は映画冒頭で、幼いころのバルバラを問い詰めた教師でして。
教師と生徒だった2人

出所後、いそいそとパズルをやっていたら、バルバラから電話→無視。2人は過去に何かあったんでしょうな。
バルバラからの電話

そんなある日、大ケガをしたバルバラを仕方なく救助。それでもダミアンは距離を置こうとするんですが、しかし!
ダミアンに助けられるバルバラ

彼女から「ルイスにレイプされた」と告白されると、守護天使モードが発動!ヽ(`Д´)ノ ウォォォォ!
重傷を負ったバルバラ

銃を入手して、言い訳するルイスだけでなく、パブにいた他の客&店長を射殺するというね。
射殺!

そして「バルバラとの情事を録音した」という携帯電話を取りにルイス宅に向かい、明かりを点けたところ…。
ルイスの家を訪れるダミアン

そこにはステッキを手にして衣装に身を包んだアリシアが立っていた…。アリシアが立っていたんですYO!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン!
父を驚かせようとしたアリシア

ダミアンに言い訳する時のルイスの表情があまりにもゲス化していたので、アイツが死ぬのは仕方ないとして。部屋が暗い中、あの格好でアリシアが待っていたということは、「パパが帰ってきたら、驚くだろうな (´∀`) ウフフ」という娘心であり、それだけでペットボトル12本分は泣けるんですけど、このままではアリシアが危険すぎるじゃありませんか。しかも、彼女ったら、怯えて命乞いするワケでもなく、ジッとダミアンを見つめるんですよ。

この凜々しい表情を見て! この予想外に強気な彼女を見た僕は…。
見つめ続けるアリシア

この愚地独歩のような気持ちになったのです。
良いツラ構え

そこで問題だ。白血病に蝕まれた12歳の少女がどうやって殺し屋に勝つのか?

3択ーひとつだけ選びなさい

① 少女はその目力で“闇のロリおじさん”を虜にして、射殺を免れる。
② 奇跡が起こって、本物の魔法少女となり、魔法で勝利する。
③ 殺される。現実は非情である。

おれが○をつけたいのは答え②だが、フィクションラインが狂うので期待はできない。突然、「魔法少女ユキコ」のテーマが都合良く流れて、間一髪奇跡が起きるってわけにはいかねーぜ。となると、答えは①しかないということで、必死に応援しながら見ていたんですけれども、答えは③。現実は非情なのでしたーー (ノДT) ウェェェェェェェェ

以上、ジョジョ第三部のポルナレフのパクリでございます。
答え③

その後は、バルバラにルイスの携帯を渡そうとする→消えてしまうという、冒頭の展開をやり返して終わってました。
バルバラの手

「ルイスには携帯電話をテーブルに置き忘れる癖がある」というのをちゃんと序盤に見せてたりとか、そういう丁寧な伏線の貼り方は褒めたいものの、もうアリシアが殺されちゃったのが超可哀想!ヽ(TДT)ノ キィィィィッ! パンフでブルボンヌさんが書かれていたように「アリシアとバルバラという2人の魔法少女による使い魔バトル」と考えるなら仕方ないと思えなくもないんですが、やっぱりあんまりだなぁと。まぁ、殺す直接描写がなかったので、もしかすると最後にダミアンがバルバラに携帯を渡さなかったのは「2人の間の気が利いたジョーク」ではなく、「アリシア側に付いた→使い魔としての反抗だった!?」ってのは、妄想が過ぎましたな (´・ω・`) スミマセン

何はともあれ、このパートは「2人の間に何があったのか?」を一切説明しないものの、ファム・ファタールに人生を狂わされたダミアンの物語」として、ハードボイルドなムードが漂ってましてね(「炎の少女」(not チャーリー)が流れる中、スーツに着替える場面とか)。アッサリと人を殺していくあたりは、なかなか恐ろしかったです。あと、「トカゲの部屋」でのプレイ後の凄まじいダメージを見て、「バルバラはルイスへの支払期限を交渉すれば良かったのに (´・ω・`)」と思ったりもしたんですけど、彼女は「自分への罰」としてあの部屋に入りたかったんですかね…。

エンドクレジットで流れていたピンク・マルティーニがカバーした「黒蜥蜴の唄」を貼っておきますね↓





僕の感想は大体こんな感じでございます。「人の思惑が不幸を連鎖していく物語」というだけでなく、「2人の魔法少女の使い魔合戦」とも言えるし、「難病モノ→スリラー→ノワール」と1本の中でジャンルが変わる映画としても面白いし、「スゴい作品を観たなぁ… (`Δ´;) ヌゥ」というのが率直な感想。「春はSA-RA SA-RA」のイントロの使い方とか最高だったし、円環構造的なオチもゾクッとしたし、カルロス・ベルムト監督はこれがデビュー作だそうですが、これからが楽しみな人、ですな(知った風な口調で)。それと、「人を動かす力は“魔術”」という考え方も好きだったというか。ある意味、多くのメディア関係者を煙に巻いたショーンKさんも“現代の魔法使い”と言えるのかもしれません(そして現代の異端審問所「センテンススプリング」!?)。


なんとなくMEGさんの「MAGIC」を貼っておきますね↓




今回、気をつけなくちゃなぁと思ったのが、ゲス化したルイスのこと。僕もつい愛犬リュウ目線で「君が笑ってくれるなら、僕は悪にでもなるぅ!ヽ(`Д´)ノ」なんて思いがちなんですが、「悪銭身につかず」じゃないけど、いくら愛する人のためでも悪事に手を出したら良い結果は生まないんだろうなと。あの時、ルイスが出掛けずに、ラジオから流れるアリシアの手紙を聞いてあげればと思うと、本当に切なくなるというか。僕ももっと娘と一緒にいようと、あらためて思ったり。


この場面で一緒にラジオを聞いていたのなら… (ノω・、) グスン
パパに一緒にいてほしかった


そんなワケで、エキサイティングに楽しめたんですけど、アリシアが殺されたのがあんまりすぎるということで、なんとなく89点という着地。もう一度見直したい気持ちもあるんですが、あの展開がキツいなぁと。それにしても、今年公開された「リザとキツネと恋する死者たち」でもあざとすぎるほどに変な日本要素が盛り込まれてましたけど、もしかするとそんな日本ブームが来るのかもしれません…なんて2秒で思いついた適当な文章を書いて、この雑な感想を終えたいと思います (・ε・) オシマイ

宇多丸師匠の「なるほど~」と思わせる時評がアップされているので、読んでみて!




近年に観た変なスペイン映画といえば、このペドロ・アルモドバル監督作。僕の感想はこんな感じ



なんとなく長山洋子さんのアイドル時代のCDBOXを貼っておきますよ。



「黒蜥蜴」のソフトがなかったので、代わりにこれを。ちょっと観たい。



魔法少女と言えば、これのイメージが一番強いかも。俊夫は嫌い。






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