踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(ネタバレ)

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(11/11)

三角絞めでつかまえて-踊る大捜査線 THE FINAL

2012/日本 上映時間126分
監督:本広克行
製作:亀山千広、永田芳男
プロデューサー:立松嗣章、上原寿一、安藤親広、村上公一
協力プロデューサー:高井一郎
ラインプロデューサー:巣立恭平
脚本:君塚良一
撮影:川越一成
照明:加瀬弘行
編集:田口拓也
出演:織田裕二、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、柳葉敏郎、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、佐戸井けん太、小林すすむ、甲本雅裕。遠山俊也、川野直輝、滝藤賢一、水野美紀、真矢みき、筧利夫、小栗旬、香取慎吾、小松彩夏、津嘉山正種、大和田伸也、大杉漣
(あらすじ)
湾岸署管内で開催中の国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が発生し、被害者が射殺体で発見される。緊急招集された捜査会議では、すべての捜査情報を鳥飼管理官に文書で提出するという異例の義務が課され、所轄の捜査員は一切の情報を開示されないまま捜査を進めなければならない。そんな中、第2、第3の殺人事件が立て続けに発生し……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




16点


※今回の記事は、「踊る大捜査線」シリーズのファンは高確率で不快になると思うので、絶対読まない方が良いです。

「踊る大捜査線」シリーズは、「3」の時に心底頭に来たので、もう観るつもりはなかったんですが…。僕が大好きなラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の人気コーナーシネマハスラーの課題映画になったので、渋々とユナイテッド・シネマとしまえんで観て来ました。「お疲れ様でした m(_ _ )m」と思いましたよ。


なんとなく「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」バージョンの「Love Somebody」を貼っておきますね↓




冒頭の唐揚げ屋のくだりや、“隠蔽”繋がりの「間違えてビールを注文しちゃった」くだりとかが生理的に合わなかったのはスルーするとして(特に前者は、テレビシリーズとのフィクション・ラインが違うというか、あそこまでの“ふざけ”はどうも好きになれない)。過去作からの引用の数々や、“踊るファン”へのコミカルなサービスシーン&小ネタなどは、良いと思いましたよ。ただ、警察や事件の描写が凄まじく酷すぎて…。僕が残念に感じたところを挙げますね↓


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① 無能すぎる警察

フィクションに“無能な警察”は付きものですけど、この映画は相当酷いです。まだ「疑わしい」レベルならともかく、拳銃を持ち出した犯人が警視庁捜査一課の久瀬(香取慎吾)だということが明らかだったら、「泳がせる」なんて100パーセントあり得ない選択ですよね。「共犯を探すため」なんて言ってたけど、さっさと身柄を拘束して、尋問するなり、家宅捜索するなり、通話記録を調べたりすりゃあ良いじゃないですか(しかも、普通に共犯とメールでやり取りしてそうだったし)。ごめんなさい、正直、もうこの時点で相当バカバカしくなってました。あと、「ボーッとしてて久瀬を見失った公安刑事2人」を観た時は、本広克行監督は警察が大嫌いなんじゃないかと思ったり(せめて「上手く尾行をまかれる」とか、そういうシーンを入れるべき)。

警察行政人事院の横山(大杉漣)だって“隠蔽のプロ”的な設定でしたけど、事件の隠蔽振りがズサンすぎてビックリというか。「明らかにアリバイがある人間を所轄のせいにして逮捕&書類も偽造すれば大丈夫→青島(織田裕二)と室井(柳葉敏郎)をクビにして解決!ヘ(゚∀゚*)ノ」って、余計な問題をどんだけ増やしてるんだと(警察の人間とは言え、隠蔽工作の目撃者も多数だし…)。まぁ、「警察の上層部は邪悪で無能」って描きたかったんでしょうけど、特撮番組に出てくる「悪の組織」じゃないんだからさ、もう少し筋の通った隠蔽振りを見せてほしかったです。しかも最後の最後に、横山が警察庁長官とかを辞めさせて“良い側ヅラ”するに至っては、「あ、そんな解決で良かったんだ!? Σ(゚д゚;)」と唖然としましたね。


② よくわからない犯人たち

犯人は久瀬と小池(小泉孝太郎)と鳥飼(小栗旬)で、その動機は「6年前の誘拐事件の加害者たちと警察上層部への復讐」だったみたいですけど、全体的になんか釈然としないというか、彼らが何がしたかったのか、イマイチ掴みきれなくて。鳥飼や小池の立場だったら、6年前の事件&警察の腐敗なんていくらでも内部告発できそうだし、あんな風にやる必要があったのかなと…。大体、6年前の事件の原因は“杓子定規に規定を守ったせい”であって、別に“警察の腐敗”ではないので、そこも若干引っ掛かったり。

好意的に考えると、久瀬が真下の子どもを殺せば、「警察が隠蔽しようとしたせいで死んだ」ってことで警察上層部の腐敗が露わになるし、前の事件を多少なぞらえたことで「6年前、『交渉班が担当するのは48時間』という規定に従って、少女が死んだ」ことが発覚して“規定に縛られる公務員のネガティブ面”も世間にクローズアップされるし、誘拐事件の関係者への復讐も果たせるってことなのかもしれませんが、だったら、「なぜ久瀬は、釈放された誘拐犯を射殺した後も、堂々と警察署に姿を見せていたのか?」と。

「すぐに久瀬の逮捕を指示した場合、警察上層部はまだ見込みがある→その後の犯行は実施しなくてOK! (o^-')b」って計画だったのかもしれませんが、その理屈もよくわからなくて…。大体、たまたま公安がバカで久瀬が捕まらなかったから良かったけど、あまりにも不確定要素が多すぎますよ。終盤、唐突に久瀬が6年前の事件の状況をなぞるのだって「なんで? (゚Д゚) ハァ?」って感じだし(そんなに再現したいんだったら「48時間の交渉」過程からやって、真下を苦しめれば良かったのに)。それに、共犯の小池ですが、アイツは結局、何がしたかったんですかね? 真下へのドヤ顔を青島に見られて、尋問されて即ゲロしてましたが、共犯のくせに行動に意味がなさすぎてビックリしました。

そもそも6年前の誘拐事件の犯人たちは、たまたまお台場にいて拉致されたり殺されたりしてましたけど、一応は証拠不十分で無罪なんですよね? いや、そいつらが犯人なんでしょうけど、「なんで証拠不十分だったのか」が描かれていないから、僕的には「なんで犯人だと確信して復讐できるのか?」が気になって…(だって、「証拠不十分で無罪」って、かなりハードル高いし)。つーか、大元の原因となる「交渉班が担当するのは48時間」という規定自体がリアリティ皆無のフィクションだから、その時点で少し話に乗れなかったのもあるんですがー(せっかく現代の日本を舞台にしてるんだから、もっとリアルな問題を取り上げても良かったのでは)。


③ 主人公サイドのカオスすぎる行動

このシリーズに理屈云々を求めるのはムダなんでしょうけど、とにかくクライマックス、犯人の気持ちになって自転車を漕いだり、マラソンをしたりする青島があまりにもバカバカしくて…。あんなんで事件を解決しちゃうって、香港映画ですら奇人扱いですよ。それと、あの予告編での撃たれたっぽいシーンが「古傷が痛んで倒れただけ」だったのは、予想はしてたけどガッカリしました(倒れ方も不自然)。

で、一番イラッとした場面ですが、いくらそれまでバナナ関連の描写を散りばめていようと、「子どもはバナナが好きだからバナナ倉庫だ!m9(・∀・) ビシッ!!」って展開は伏線回収でも何でもないですよね。香取慎吾さんのメタ的要素が入ってるのかもしれないですけど、理屈がおかしすぎて全然乗れない…って、ケチつける方が大人げないんでしょうかねー(死んだ目で)。

僕が大嫌いな命令、「責任はとるから勝手にやれ」が出たのも不快でしたね。一見、理解ある風だけど、そうやって何も考えずに現場に好き勝手やらせてるから、室井の周囲にはムダにウロウロしている刑事たちが大量にいるんじゃないの? ここでも見事に警察が無能揃いにしか見えなかったです。

さらに、恩田(深津絵里)が大型バスでバナナ倉庫に突っ込んでくるに至っては、唖然としましたよ。まぁ、「公務員にあんな秘密の退職があるか!(ていうか、配置換えで済むのでは?)」とか「体が悪い奴が大分まで長距離バスで帰るか!」とか「あとで説明描写入れたからって、無理ありすぎだろ!」とか、そういう点は置いといて、僕的にはバスのシーンの無茶な迫力自体は嫌いじゃないんです。ただ、「過去に少女が殺されてる」というハードな事件の背景があったからこそ、バナナやバスなどの終盤のふざけた展開にはかなりカチンと来たというね…。


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って、文句ばかり書いてますけどね、僕的には結構好きなところもありまして。それは、犯人たちの動機がそれなりにはしっかりしていたこと。犯行計画自体は呑み込みづらかったけど、一応はちゃんとした言い分があったので、今までの映画版の犯人たち(日常が退屈な若者たち血迷ったリストラサラリーマン狂信的なスーパー犯罪者)と比べると、それだけで劇的に良く見えました (o^-')b ヨカッタ!

あと、これまでを振り返ったオープニングと、ラスト、現場に走っていく青島の姿→エンドクレジットは意外とジーンとしちゃって…。このブログをよく読まれている方はご存知だと思いますが、僕は元警官でして。テレビシリーズがやっていたころはモロに現場で働いてたんですけど、仲間内では結構好評なドラマで、毎週楽しく観てまして。なんかその当時をスゲー思い出したんですよね。終盤、“警察を立て直します委員会”の記者会見の場に青島がいて、スピーチしちゃう展開は「超蛇足だろ! ( ゚д゚)、ペッ」と思ったんですけど、彼の「警察官は、警察官になった時、誰でも思う。正しいことがしたいって」って感じの台詞を聞いた時は、僕ですらそうだったから、思いのほかグッと来たりしてね (ノ∀`) テヘ その他、「水野美紀さんの復活がうれしい!(・∀・) ヨカッタ」とか「真下の野郎はもう少し反省しろ! (`Δ´) シネ!」とか「とうとう『Love Somebody』が完全態に!? Σ(゚д゚;) ヒィ!」とか、いろいろ思ったりしたけど、面倒くさいので割愛!ヽ(`Д´)ノ キィィィィ!


なんとなく織田裕二withマキシ・プリーストの「Love Somebody」を貼っておきますね↓




ってことで、全体を振り返ると、映画としてはやっぱり合わなかったです。僕だって脚本や演出がアレな出来でも好きな作品は腐るほどあるけどさ、例えばアクションだったり、テンポの良さだったり、派手な画面だったりと、不備な点を補って余りうる魅力がない上に、不快なところが多いのだもの (´・ω・`) それこそ、各キャラクターに思い入れがあるファンなら、細かいところを気にせずに楽しめるんでしょうけど(例えば、主要キャストを「エクスペンダブルズ2」と入れ替えたら、僕的には同じ脚本&演出でも感動する気がするでガース!(゚∀゚し ミタイ!)。ただ、思い出を美化しているのかもしれませんが、最初のテレビシリーズには良い思い出しかないので、なんかね、「今までお疲れ様でした m(_ _ )m」って心境です。おしまい (・ε・) ネバネバ

宇多丸師匠がかなり容赦のない批評をされてるので、聴いてみてくださいな~。




今回の映画の公式読本です。



とうとう出た! ついに完成したんだよ、「Love Somebody」が…(愚地独歩風に)。



こんなのも出るそうです(発売は来年予定)。ファンならマスト・バイ!



ドラマ版。コミカルだけど意外とリアルで良かった記憶なんですが…。今、観るとどうなんでしょうか。



前作。僕的には2010年のワースト作品でした…。