テイク・ ディス・ワルツ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

テイク・ ディス・ワルツ(ネタバレ)

テイク・ ディス・ワルツ

三角絞めでつかまえて-テイク・ディス・ワルツ

原題:Take This Waltz
2011/カナダ 上映時間116分
監督・脚本:サラ・ポーリー
製作:スーザン・キャバン、サラ・ポーリー
撮影:リュック・モンテペリエ
美術:マシュー・デイビス
衣装:リー・カールソン
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス
出演:ミシェル・ウィリアムズ、セス・ローゲン、ルーク・カービー、サラ・シルバーマン
(あらすじ)
結婚して5年がたつマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)とルー(セス・ローゲン)は、まだ子どもはいないが仲睦まじく穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、マーゴは仕事で訪れた島で出会った情熱的な青年ダニエル(ルーク・カービー)にひかれるものを感じてしまう。さらに、ダニエルが偶然にも自分たちの家のすぐ向かいに住んでいることを知り、マーゴの心は揺れ動いていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※ごめんなさい、今回の記事はかなり知った風なことが偉そうに書かれているので、そういう文章が苦手な方は読まない方が良いかもしれません。

観る前は少し舐めてたんですけど、「アリガトウ… (ノДT)」と感謝しました。


とりあえず卍固めをかけられながら、涙を流してアントニオ猪狩に感謝する刃牙の画像を貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-アリガトウ....


えーっと、僕はマンガ史に残る傑作「サルでも描けるまんが教室」の「ウケるレディスコミックの描き方」にて、「善良な夫に物足りなさを感じた妻がジゴロ男と浮気する」という展開を聞いた相原コージ先生が「お…夫が可愛そうだ……いい人なのに…なぜ…… (iДi) ヒドイ」という至極真っ当な台詞を言うコマがスゲー好きでして。その影響なのか、たまに“可哀相な夫に自分を重ねながら同情する気分”に浸りたくなるんですね(“悲劇のヒロイン”気取りに近い感じ)。


真っ当な台詞を言う相原先生。確かにその通りですな…。
いい人なのに


で、たまたま劇場でこの映画の予告編を観たら、そんな適当なレディコミみたいな内容だと思って(いろいろな方面に失礼な文章)。主演のミシェル・ウィリアムズは、昨年、ハードなダメージを各方面の人々に与えた「ブルーバレンタイン」繋がりで、さぞイラつく不倫妻振りを発揮するのだろうと。セス・ローゲン演じる夫もスゲー優しそうでストライクだし、これは相当な「いい人なのにぃ~ (ノДT) カワイソウ」気分が堪能できるだろうと、ヒューマントラストシネマ有楽町に足を運んだワケです。


こんな感じで記事の切り抜きが飾られてまして…。
三角絞めでつかまえて-記事の切り抜きやら

オリジナルドリンクも販売されてました。
三角絞めでつかまえて-オリジナルドリンク


ところが! 実際に観てみたら、“自分探し主婦”マーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)と、“優しい夫”ルー(セス・ローゲン)、“人妻ハンター”ダニエル(ルーク・カービー)のうち、最も感情移入をしたのはマーゴだったんだからビックリですよ。なんて言うんですかね、物語の中で最終的にマーゴはルーと別れてダニエルとくっつくんですが、思いのほか仕方なく見えたんですよね。


絶賛自分探し中の文系主婦マーゴ。夫は愛してるけど何か物足りなくて、本当のアタシが見つからないの… 川ノω・、) サビシイ
三角絞めでつかまえて-マーゴ

優しい夫、ルー。チキン作りに夢中だけど、これも生活のため! 妻とは一生添い遂げるッス (^ε^) ヤルッス
三角絞めでつかまえて-ルー

ストーカー気味な人妻ハンター、ルー。気に入った女をゲットするためなら、手段は選ばないぜ!(`∀´) ケケッ
三角絞めでつかまえて-ダニエル


とりあえず冒頭、「① 取材先でバッタリ」「② 帰りの飛行機内でも隣の席」という2つの偶然が重なって、マーゴとダニエルは親密になり、「③ しかもダニエルは斜向かいの家に引っ越してきてた」という漫画みたいなオチがつくことで、普通の女子なら誰しもが野郎に運命的なものを感じちゃうじゃないですか。これはね、並みの男では勝てない。特にダニエルは、ちくしょう、「① スゲー良い男」な上に「② ウィットに富んだ会話スキル」を持ち合わせていて、「③ アーティスト志望」という文系女子にウケる肩書きを持ち、さらに「④ ガツガツしてない」(なんとマーゴが立場を明確にしない限り、セックスしないという徹底振り!)し、「⑤ 真剣なお付き合い希望」(←これ、超重要!)という“モテの最終兵器”のような男(唯一の弱点は金がなさそうなところだけど、そこすらもなんとなく乗り越えているムード)。ハッキリ言って、こんな男に狙われたら、ほとんどの人妻が高確率でゲットされますよ(断言)。

いや、マジでこのダニエルの戦闘力がハンパじゃないの。僕なんて付き合っている相手に性的な会話をするのすら超ハードルが高かったのに、コイツったら昼間の酒場で人妻に濃厚エロトークをかましちゃって、しかもそれでマーゴもハァハァしちゃう有り様! アレはマジで超能力チックというか、X-メンの一員かと思いました。


真っ昼間のエロ話。「まず、僕だけ全裸で四つん這いになって、手錠を…」なんて内容はドン引きでしょうな。
三角絞めでつかまえて-ザ・セックストーク!


それと、「④ ガツガツしてない」って本当に大事で。「相手が『抱いて!川;´Д`)ノ』って言ってきてもセックスを急がない→キミを抱きたいんじゃないんだ、キミの心がほしいんだ (`・ω・´)キリッ」的な? もうね、よくわからないけど、超憎らしい!ヽ(`Д´)ノ つーか、さすがに“2人が誰もいないプールで疑似セックス的に泳ぐシーン”は「そこまでやるなら、もうセックスすりゃいいじゃん ( ゚д゚) アホウガ」と思ってバカバカしかったけど…。ダニエルはとことんマーゴのペースに付き合うから(途中で「もう面倒くさいから、セックスしてから考えようぜ (`Δ´)」とか決して言い出さない)、彼女は余計に奴に惹かれたんでしょうなー。


水中疑似セックスシーン。この場面は結構イライラしちゃいました。
三角絞めでつかまえて-水中疑似セックス!


大体、夫のルーもね、「優しい」って触れ込みだったけど、僕からすればまだまだでした ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ 「一生添い遂げる」という心意気は買えるけど、奧さんに対しての気の使い方が全然甘い(偉そうに)。例えば、キスしようとして拒否られてムッとしてたけど、あんなの我が家では日常茶飯事だし、逆に奧さんがジャレついてきたら、いつ何時でも技を受けるのが旦那。そもそも、そんなに仕事を邪魔されたくないのなら、もっと日常生活から工夫すべきでしょうに。「仕事が軌道に乗ってない→まだ子どもを作りたくない」という気持ちもわかるけど、それだって妥協点を見つけて話し合うべきだし。あのディナーの場面だって「この肉が美味い!∑(゚Д゚) ヤベェ」「この麺が美味い!ヽ川`Д´)ノ オカワリ!」とか、話すことなんて腐るほどあると思うしさ。今年で我が家は結婚8年目ですけど、5年目であそこまで相手の気持ちを汲み取れない状況になってる時点で、同じ夫として「見通しが甘い!ヽ(`Д´)ノ」としか言いようがなかったです(上から目線で)。

とは言いつつも、非常に感心したのが“シャワーのイタズラ”。「マーゴもすぐ気付けよ ( ゚д゚)、ペッ」って話ではあるんですが、「彼女がシャワーを浴びる→その最中にルーが上から冷たい水をかける→シャワーが故障してると思って『早く直して!』と叫ぶ→これをずっと繰り返して80歳になったら打ち明けるつもりだった」という展開はね、「くッそ……どうして思いつかなかったかな、これを (;`Δ´) オノレ...」とつくづく思ったり。実は僕も結婚4年目に「そうだ、結婚10年目に小遣いから捻出した貯金で指輪をプレゼントしたら、さぞ喜ぶだろう」と思いついて、それからは毎月少額の積み立て貯金をしてるんですが(女性読者獲得のための良き夫アピール)、それ以降のプランは全然考えてなかったので、いろいろと考えさせられましたね (;・ω・) ウーム


シャワーを浴びているマーゴに上から水をかけるルー。
三角絞めでつかまえて-水を掛けるルー

マーゴはすっかりシャワーが壊れてると騙されてました。このネタを80歳まで続けられたかはともかく、その志は評価。
三角絞めでつかまえて-騙されるマーゴ

僕的には鞍馬彦一の乱入を見たグレート巽のような心境に…。
三角絞めでつかまえて-口惜しがるグレート巽


いや、僕的には、マジでマーゴは超一流の人妻スナイパーに狙われつつも、よく耐えたと思いますよ。一応はダニエルを諦めようともしたワケですから。ただ、最後の“「2040年8月5日、午後2時」と書かれたルイブール要塞の絵葉書”攻撃は、もう無理。だって、「① 初めて出会った場所の絵葉書」「② マーゴが『30年後の8月5日、午後2時に会いましょ』と何の気なしに言ったことをキッチリ覚えてた」「③ でも、彼はそのハガキを家に投函した後、家を引き払い、車で去ってしまった…」と、「スピード・タイミング・破壊力、共に人智を越えた攻撃→防御ぎようがない! Σ(゚д゚;)」ですよ、あんなの。結局、ルーと別れてマーゴはダニエルの元に走るワケですが、とりあえずマーゴ的にはルーに“それなりに”筋を通してはいるし、これは仕方ないなぁと。僕は「これで映画も終わりか~」なんて思ってたんですが、そうは問屋が卸さないから超驚いて。


多くの人が「だからなに (゚Д゚) ハァ?」と思いそうな範馬刃牙の画像を貼っておきますね。
防御ぎようがない!!!


2人の新生活が始まると、まず、カメラが1つの部屋をグルグル回りながら映して時間経過させるという、“非常に気が利いた形の生活ダイジェスト”を見せるんですね(ただ、セックスシーンの途中でデカいボカシが入って雰囲気を台無しにしたのは超ガッカリ。R18にして取るべきだったと思う)。それは“ちょっとオサレ”というか、なんと3Pシーンが「女2人vs男1人」と「男2人vs女1人」の2回も入ったりして、“そっち系文化の奔放かつイケてるムード”がプンプンしたりして、若干、イラッとするんですが…。

そのシーンが終わると、なんかマーゴにはルーと一緒だったころと同じような倦怠感が漂ってて。2人の思い出の地であるルイブール要塞にも行ってみたりするものの、観客的には「もう他に盛り上がるイベントがないのかしら… (´Д`;) ダイジョウブ?」って心配になるんですね(2人の台詞も微妙な雰囲気だし)。

そんな時、「ルーの姉のジェラルディン(サラ・シルバーマン)が失踪して、その娘のトニーが会いたがってる」という連絡を受けて、マーゴは久しぶりにルーの家族たちと顔を合わせるんですが…。アル中でずっと禁酒してたジェラルディンが飲酒運転しながら帰ってくると、マーゴに「新しい男に走ったアンタはアル中のアタシよりタチが悪い! 人生なんてどこか物足りないものなのYO!ヽ川`Д´)ノ ビッチ!」とダメ出しするんです。


酔った勢いでダメ出しをするジェラルディン。僕はアル中の方がタチ悪いと思いますがー。
三角絞めでつかまえて-ジェラルディン、容赦せん!


そのジェラルディンの言葉は、マーゴにかなりダメージを与えまして。というか、現時点で、すでにダニエルとの暮らしが物足りないの。ちょっと「こんなんじゃなかったハズなのに… 川´・ω・`)」って思い始めてたの。久しぶりに会ったルーったら、いつの間にかレシピ本がヒットして売れっ子作家みたいだし…。姪のトニーもよく可愛がったっけ。というか、ずっとこの一家と仲良くしてたんだよなぁ、アタシ。ルーったら、いつも優しかったから、もしかして付き合っている人がいないのって、アタシのこと、今も想ってるのかしらーー? なんて思いきや、ルーは優しく対応しつつも「それはない!(・∀・)」とキッパリ。マーゴは泣きながら帰宅するというね…(この時のミシェル・ウィリアムズのワナワナションボリ顔が最高すぎて泣ける!)。ここはマーゴの自業自得を満喫する場面というか、ある種の「ざまぁ! (`∀´) メシウマ」シーンではあるんですけど、サラ・ポーリー監督、スゲー意地悪だと思ったYO!ヽ(TДT)ノ ヒドイ!

最後は、冒頭のシーンと同じように、どこか寂しげな表情でもたれかかるマーゴが映りまして(一緒にいるだろうダニエルがボンヤリとしか映らない→結構どうでも良い存在になってるのが、また残酷!)。彼女が映画中盤でダニエルと一緒に乗った遊園地のスクランブラー(グルグル回る乗り物)に1人で乗っているところを夢想して終わるワケですが…。それは「後悔とともに彼女の中で折り合いを付けた」とも取れるし、永遠に終わらない“ときめきの業”のようでもあって、非常に胸を打たれましたよ… ( ;∀;)イイエイガダナ- もうね、スクランブラー乗車時に流れる「ラジオスターの悲劇」の破壊力が凄まじくて、最近は加藤あいさんの缶チューハイのCMのイメージでしたけど、すっかり塗り替えられましたね。


要はダニエル云々というより、スクランブラーが象徴する“人生のときめき”を味わいたかったというね…。
三角絞めでつかまえて-ラストシーン


バグルス「ラジオスターの悲劇」が、歌詞の意味も含めて超凶悪でした。




とにかく予想以上の出来でしたよ。役者さんたちは素晴らしいわ、演出は素晴らしいわ! 僕はとにかく2回あるスクランブラーのシーンにやられちゃいました…(しみじみ)。主人公を含むまだ若い人妻たちと、太ったおばさん連中たちのシャワーシーンがあるんですけど(ちゃんと全員ヘアヌード)、「まだ女」組と「女を捨てた」組の対比が実にわかりやすくて、見事だなぁと。ミシェル・ウィリアムズの「脱ぐシーンではちゃんと脱ぐ」という姿勢には好感を持ちました。それと、これは全然関係ないんですけど、アクアビクスのシーンでは、なんとなく「インスマウスの影」ダゴン秘密教団の集会を連想しちゃったり。


全員でユッサユサと揺れるところとか、ダゴン秘密教団っぽいなぁと。
三角絞めでつかまえて-ダゴン秘密教団


率直に書くと、僕的にマーゴは全然間違ってないと思ってて。これは僕が婚約者を寝取られたことがあるからなのかもしれませんが、そういうタイミングはあって、そうなることが仕方ない時だってあるんですよ、たぶん。世界愛妻家ランキングがあったら、確実に上位入賞するだろうとウワサされる僕だって、いつでも浮気する可能性はあるワケでね。例えば、今、いきなり全裸でミシェル・ウィリアムズが迫ってきたら!? …って、そんな突然全裸で迫ってくるような奴は誰だろうと普通に引くから、スムースに通報すると思いますがー(だったら例えるなよ)。例えば、今回の映画の逆パターンとして、自分好みの美人に良い感じで迫られたら、そりゃあ浮気しちゃう…というよりは、僕に美女が近づくなんて100パーセント何らかの罠だと思うので、間違いなく相手にしませんがー(だったら例えるなよ)。まぁ、それでも浮気する時は絶対すると思うんですよ、僕も奧さんも。ただ、そんな残念な出来事をなるべく防ぐためにも、普段からそれなりに思いやりを持つ関係性が必要ってことであり、それこそ結婚したころの情熱を思い出せば何だってできるんですよね、本当は。

ってことで、「アントニオ猪狩と対戦した時、母親のそっくりさんを見せられて、“戦う目的=初心”を思い出して、猪狩に感謝した刃牙」のように、僕はこの映画を観て、「そういえば、奧さんが結婚してくれただけありがたかった!ヽ(TДT)ノ」という初心を思い出したので、サラ・ポーリー監督に「アリガトウ…」と感謝した次第(つーか、天才だと思う)。好き嫌いが非常に分かれるような内容ですけど、結婚してる人には観てほしいような気がします。あと、僕的に知った風なことを書くと、いくら結婚しようとも、それを捨て去るのだって1つの選択肢なんだから、マーゴのような生き方だって胸を張ってほしいけど、あの段階からルーと元サヤに収まろうとするのはさすがに美しくないと思うので、新しい恋に燃える時は、ちゃんと考えてから行動しようね! (o^-')b ナニコノオチ




サラ・ポーリー監督作。「奧さんがボケて、自分のことを忘れられる」って設定だけでキツすぎて観られません。



デレク・シアンフランセ監督による地獄映画。スゲー良く出来てたけど、キツイからもう二度と観ないと思う。