劇場版テンペスト3D(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

劇場版テンペスト3D(ネタバレ)

劇場版テンペスト3D※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(11/11)

三角絞めでつかまえて-テンペスト3D

2011/日本 上映時間149分
監督:吉村芳之
企画:角川歴彦
エグゼクティブプロデューサー:椎名保、荻野和仁
プロデューサー:土川勉、鈴木光、岡田和則、坂本忠久
原作:池上永一
脚本:大森寿美男
監修:大森寿美男
編集:田中慎二
録音:柿澤潔
音響効果: 伊藤進一
音楽:長岡成貢
主題歌:安室奈美恵
出演:仲間由紀恵、谷原章介、塚本高史、高岡早紀、GACKT、若村麻由美、高橋和也、金子昇、小林幸子、かたせ梨乃、八千草薫、奥田瑛二
(あらすじ)
19世紀の琉球王国。家の再興という父の願いをかなえるため、自ら名を孫寧温とあらため、男子として王宮に仕える身分となった真鶴(仲間由紀恵)は、外交や財政改革で手腕を発揮し、異例の出世をとげていく。しかし、やがて王宮内の権力争いに巻き込まれ、女であることが明かされてしまう。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




3点


※今回の記事は、ドラマ「テンペスト」が好きな人は不快になる怖れがあるので、気をつけて!
※今回の記事は、映画とはあまり関係のない前置きが長いので、普通に感想が読みたい人は要注意!
※今回の記事は、「借りぐらしのアリエッティ」のネタバレにも触れているので、知りたくない人は読まないで!


僕は「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」というラジオ番組をこよなく愛しており、その中の人気コーナーであるシネマハスラーもまた大好きでして。「課題映画を観た方がより楽しめる」ということで、課題になった作品はほとんど観に行ってるんですね。←ここまでテンプレ

で、今週の課題映画は「劇場版テンペスト3D」。NHKドラマの映画化作品といえば、「その街のこども 劇場版」では感動し、「セカンドバージン」ではゲンナリさせられたんですが…。この映画予告編を観た時、僕は「CGの竜は安っぽいけど、結構嫌いじゃないカモ (・∀・)」と思ったんですね。その理由は2つ。

1つ目は、主人公が“男装の麗人”ということで、“ボクっ娘要素”に期待できること。僕にもそれなりにこだわりがあるので、一般女性の1人称が何の理由もなく「ボク」だったりするのはピクリとも萌えませんが、何らかの事情があって性別を偽らなくてはならない女性から発せられる「ボク」はステーキ級の大好物。それを聞いた瞬間、僕は確実にハーツ・オン・ファイヤー状態になって、「オッス!オッス!ヽ(`Д´)ノ」とテンションが上がりまくりなワケですよ(意味不明)。


なんかこの動画、このブログでかなり貼っている気がします。




2つ目は、当然ながらの沖縄空手要素。“中国拳法が琉球に伝わって「手」(ティー)となったのが現在の空手のルーツ”ということだけではなく、その技術が沖縄で培われてきた理由が大事というか。僕は平松伸二先生の漫画「ドーベルマン刑事」「沖縄コネクション!!」に出てくる空手ヤクザ・当間達也が大好きなんですけど、彼が死ぬ直前、血まみれになりながら語る台詞が凄まじく胸を打つんです。


卑劣な米兵に撃たれつつも、息吹&サンチンにより、弾丸を押し戻す当間。
三角絞めでつかまえて-ユーは化け物か?

そして、語られる沖縄の情念。武器を奪われた沖縄の人たちの対抗手段は…。
三角絞めでつかまえて-耐えることを強いられてきた…

己の肉体を武器化することだった! この後、多くの米兵を素手で地獄に送ります。
三角絞めでつかまえて-レッツ武器化!


「バキ―New grappler Baki」の第6巻で愚地独歩が「唐と呼ぶ唐手から空の空手へ」「手に何も持たぬことを旨とする道ーー」「だから空手だ」と語っていましたが、要は沖縄にとっての空手は、奴隷が編み出したというブラジルのカポエイラに近い精神性の武道であり、全県民が常備しておいてほしい武器なワケです。だから、「チェケラッチョ!! 」のような明るい作品には別に期待しませんけど、基本的に沖縄を舞台にした映画には空手要素を入れてほしくなるのが人情じゃないですか。


と言いつつも、wikipediaによると、空手カポエイラも「武器がないから発達した説」は疑問視されてるとか。ギャフン!
三角絞めでつかまえて-禁武政策の虚実


まぁ、僕も大人ですから、まさか仲間由紀恵さんに空手をやれとは思いませんよ(「ごくせん」のアクションシーンを見た限りでは、向いてると思えないし)。例えば、彼女を影ながら慕う男がいて(猛虎親方とか、そんな名前の剛の者)、漆黒の闇の中で空手バトルが繰り広げられる感じ。監督の吉村芳之さんが演出に携わっていた「琉球の風」では、確か東山紀之さん演じる主人公が目潰しをしようとしたシーンがあったので、「もしや吉村監督はテレビでは見せられなかった“その先”の残酷空手描写を見せるのではーー? (゚д゚;) ゴクリ」なんて期待したりしてね。


「花の慶次」でお馴染みの毛虎親方。「親方」の読みは「うぇーかた」なので気をつけて!
三角絞めでつかまえて-毛虎親方


ってことで、勝手に妄想を膨らませまくった挙げ句、「やべぇ、何だか面白そうじゃん!ヘ(゚∀゚*)ノ」と過度な期待まで抱きながら、仕事の合間に有楽町の丸の内ピカデリー3で観たんですが…。「テレビでやれ ( ゚д゚)、ペッ」って思いました。


丸の内ピカデリー3に来るのは初めてだったり。
三角絞めでつかまえて-丸の内ピカデリー

いろいろグッズが売ってました。
三角絞めでつかまえて-グッズいろいろ


これテレビドラマの総集編なんですよ。僕がポスターとか見た限りでは、そんな映画だとは思ってもみなかったので、いきなり死角外からブン殴られた気分でした。まぁ、決して「ダイジェスト=悪」ってことではなくて、例えば、「きょーれつ!もーれつ!! 古代少女ドグちゃんまつり スペシャル・ムービー・エディション」なんて、工夫して編集しつつ新要素も入れたりして、楽しく観られるようになってましてね。作品として面白ければ良いとは思うんです。

でも、この映画は、初回73分+1話43分×9回=460分で描いた物語をあまり工夫せずに149分に収めたせいで、本当に単なるダイジェストというか、展開がバカみたいに早くて、初めて会った登場人物が次のシーンではすっかり仲良しになってたりとか、そんなことが連発状態。僕はよく「ストーリーがイマイチだった!(`∀´) ケラケラ」なんて身の程知らずな偉そうな文章を書いちゃいますけど、たぶん「テンペスト」のストーリー自体は結構面白いと思うんです(ドラマには興味が湧いた)。だけど、単にそれらを圧縮しただけの映像を観せられて何を楽しめというのかと。登場人物の葛藤や苦悩があまり描かれないまま話だけドンドン進行していくから、行動が恐ろしく短絡的に見えたり、キャラクターによっては何をしたかったのか分からなかったりして、まったく乗れないというか…。なんとなく「借りぐらしのアリエッティ」を愉快に凝縮した「4コマでわかる借りぐらしのアリエッティ」という柳原満月先生の身も蓋もない漫画を思い出したんですけど、同じダイジェスト構成にするにしても、もう少し上手く編集できなかったのかなぁと。


「劇場版テンペスト3D」柳原満月先生の漫画みたいだと思いました(これ自体は実に愉快なんですが)。
三角絞めでつかまえて-アリエッティ4コマ


いや、好きなところも結構あるんですよ。最初、主人公が生まれる前にCGの竜が出たりして、そのトンデモ感にはときめいたというか。「産婆さんが『生まれたのは女の子』→お父さんガッカリ→竜が火を吐く→タイトルがドーン!」の流れは何だか笑っちゃったし。仲間由紀恵さんもなかなかグッとくる“ボクっ娘”演技を見せていたし、「お前、女だな…服を脱げ!ヽ川`∀´)ノ」の展開はドキドキしたし(そして、脱いだら竜が出てきて爆笑)、兄(金子昇)を助けるためにトンファーを装備して駆けつけた時はね、ちくしょう、ここだけは「トンファー、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!」ってテンションが上がっちゃったしね。


まさかここでトンファーが出るとは! ただ、アクション自体は微妙というね…。
三角絞めでつかまえて-トンファー!


あと、GACKTさんが演じた宦官・徐丁垓は大好きでした。かなりやりすぎなキャラなんですけど、観ていて実に楽しかったです。それと、聞得大君役の高岡早紀さんも良かった。最後、「ゴゴゴゴゴー!」と飛んでいくシーンとか、微笑ましい気持ちになったりして。全然関係ないんですけど、若いころに「フルーツインゼリー」のCMで“何か”のお世話になったことを思い出したりして(たぶん“キレイな海”繋がりで)、なんか、しんみりしちゃいましたね… (´・ω・`)


邪悪な宦官・徐丁垓。主人公をレイプするシーンがアッサリ塩味だったのは超残念でした。
三角絞めでつかまえて-ガクトさん

アクの強い聞得大君。頑張ってましたよ。
三角絞めでつかまえて-飛ぶ直前の高岡早紀さん


ただ、結局はそれ以外の苦痛な時間がスゲー長いの。2時間半のダイジェストを一気に見せるなんて、テレビだってやらないだろうに…。しかも3Dなんて竜のシーン以外は大して効果がない割に、ずっとメガネ着用だから目が恐ろしく疲れるしさぁ。僕的にはGACKTさんが死んだあたりがマジ限界で、本当に帰りたくて仕方なくて。最後、主人公と元・薩摩藩士の浅倉(谷原章介)が「はじめまして」と挨拶→「琉球王国はここに、沖縄県となった」というテロップが出てエンドロールが始まった時は、「やっと終わったよぅ… (ノω・、)」って、少し安堵の涙が流れちゃいましたよ。

この企画を進めた角川歴彦さんは「映画化を前提にNHKにドラマ企画を持ち込んだ」そうなんですけど、その映画がこんなレベルで満足してるんですかね? いや、映画のクオリティ自体も腹立つけどさ、むしろこんな代物を平気な顔で劇場公開する“その心”にイライラする感じ。これが例えば料金が1000円で上映時間が60分とかだったなら、ちくしょう、まだ許せなくもないけどさ、

①全10話のドラマを工夫もなくダイジェストした映画に
2000円も払わせて
2時間半も時間を無駄遣いさせた上に
目に“疲れ”というダメージまで与える


って考えると、超悪質ですよ。「強制徴収した受信料で作ったドラマを適当に編集しただけの映像でひと儲け!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハー」って考えると、NHK的には素晴らしい企画だったのかもしれませんが、ハッキリ言って、この映画のプロデューサーとか監督とか企画を進めた人とか、全然信用できないと思いますね。

ということで、乱暴な文章を書いちゃいましたけど、僕は大嫌いな映画でした。ドラマのファンは「ダイジェストでも良いから、あの名場面を大画面&3Dでまた観たいわぁ 川´∀`)」という心情もあるだろうから別として、ドラマ未見の人はまったく観る必要がないというか、他の映画を観た方が人生を有意義に過ごせるんじゃないでしょうか。興味がある人は、4月からドラマが地上波で再放送されるそうなので、そっちを観れば良いと思いますよ。

宇多丸師匠の非常にわかりやすい批評がアップされてるので、聴いて!




原作本。お話自体は面白そう。
三角絞めでつかまえて-テンペスト文庫
テンペスト 第一巻 春雷 (角川文庫)


吉村芳之監督作のテレビムービー。どうなんですかね。
三角絞めでつかまえて-シェエラザード
シェエラザード 海底に眠る永遠の愛 [DVD]


NHK発、ドラマから映画になって良かった作品。僕の感想はこんな感じ
三角絞めでつかまえて-その街の子ども
その街のこども 劇場版 [DVD]


NHK発、ドラマを映画化しなければ良かった作品。でも、「劇場版テンペスト3D」よりはマシだと思う。僕の感想はこんな感じ
三角絞めでつかまえて-セカンドバージン
【初回限定生産】セカンドバージン スタンダード・エディション(応募ハガキ付) [Blu-ray]




※備考

映画鑑賞後、会社に戻るべく駅に向かったら、売店で東スポが売ってたんですが…。なんと見出しに高岡早紀さんの名前が! 「これは竜のお導きでは!? ∑(゚Д゚)」と、つい衝動的に買っちゃいました。


なんと高岡早紀さんにAV出演のオファーが!?
三角絞めでつかまえて-あの日の東スポ


よく読むと、「『“AV出演のオファーのために億単位の金を集めている”というウワサが囁かれている』と業界事情通が語っていました」という、凄まじく不確かな記事だったり。東スポよ、わずか130円で夢を見させてくれてありがとう!ヽ(`Д´)ノ