ゴモラ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

ゴモラ(ネタバレ)

ゴモラ

三角絞めでつかまえて-ゴモラ

英題:GOMORRA
2008/イタリア 上映時間135分
監督・脚本:マッテオ・ガローネ
原作・脚本:ロベルト・サヴィアーノ
脚本:マルリツィオ・ブラウッチ、ウーゴ・キーティ、ジャンニ・ディ・グレゴリオ、マッシモ・ガウディオーゾ
撮影監督:マルコ・オノラート
編集:マルコ・スポレティーニ
美術:パオロ・ボンフィーニ
衣装:アレッサンドラ・カルディーニ
音響デザイン:レスリー・シャッツ
音編集:ダニエラ・カッサーニ
整音:マリチェッタ・ロンバルド
プロデューサー:ドメニコ・プロカッチ
出演:トニ・セルヴィッロ、サルヴァトーレ・アブルツェーゼ、ジャンフェリーチェ・インパラート、サルヴァトーレ・カンタルーポ、マルコ・マコール、チロ・ペトローネ
(あらすじ)
イタリア・ナポリ。少年トト(サルヴァトーレ・アブルツェーゼ)はある儀式を経て、犯罪企業組織カモッラに加入。一方、産業廃棄物ビジネスを牛耳るフランコ(トニ・セルヴィッロ)の部下ロベルト(カルミネ・パテルノステル)は、業務の実態を前に悲惨な現実に打ちのめされる。また、組織から武器を盗んだマルコ(マルコ・マコール)とチーロ(チロ・ペトローネ)は、組織を敵に回してしまい……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




78点


もうね、このタイトルを見て、「円谷プロ『大怪獣バトル』の流れで、とうとうゴモラを主役にして勝負をかけてきたか… (;゚д゚)ゴクリ」なんてボケをかますような安い男じゃないんですよ、僕は! 「ゴモラ」と言えば、旧約聖書の「創世記」に出てきた都市の名前であり、退廃しまくって性的にも乱れていたため、神様に滅ぼされたんだか何だかですよね(適当な説明)。どの号か忘れちゃいましたけど、映画秘宝町山智浩さんが紹介されていた記事を読んで気になっていたので、シアター・イメージフォーラムで観てきました。先日観た「サウダーヂ」に続いて、「うわぁ… (´Д`;)」って心境になりましたよ…。

いや、内容は「サウダーヂ」と全然違うんですけど、“煮詰まってどうしようもない人たちの群像劇”という点が似てるなぁと思ったんですよね。一応、イタリアナポリの犯罪組織カモッラを題材にしているんですけど、登場人物がリアルすぎて全然カッコ良くなくて、マフィアモノというよりも“絶望的な世界であがく人たち”という感じで、そういう点でも近いような…。まぁ、犯罪組織の話なので、命のやりとりが絡む分、ハードさは増しているワケですが。

物語は、5つのエピソードが同時進行するものの、大して交錯しない感じ(多少は交わりますが)。で、どの話もハッピーエンドにはならないというね…。一応、各エピソードの内容を書いておきますね↓


<①組織に憧れるトト少年の話>

組織に入るための“度胸試し”ということで、防弾チョッキを着て撃たれるトト。
三角絞めでつかまえて-子ども

トトは、組織にスゲー憧れている少年。積極的に奉仕することで、“防弾チョッキを着て撃たれる”という儀式を経て、組織の一員になりまして。最初はウハウハだったんですけど、超仲良しだった中年女性マリアの息子が敵対組織に入ってしまったため、組織から“彼女を売る”ことを迫られるんですよ。トトは悩んだ末、マリアをおびき出してしまうというね…(そして組織の人間が無惨に射殺)。


<②お手当運搬係ドン・チーロの話>

真ん中にいるサエない感じのおっさんがドン・チーロです。
三角絞めでつかまえて-可哀想なおじさん

ドン・チーロ(ジャンフェリーチェ・インパラート)は、組織の一員の家族や遺族に“お手当”を渡すのを仕事にしている中年男性。金を持っていくと、「もう少し多く払え!ヽ(`Д´)ノ」とか文句を言われ、それを上に伝えると「知るか!(`Δ´)」とか怒鳴られてしまうという、板挟みでゲンナリする日々を送ってまして。で、抗争が激化したせいで、組織に敵対する勢力に脅されると、「平穏に暮らしたい」がモットーなドン・チーロは組織を裏切ってしまうというね…。


<③産廃業者フランコとその部下ロベルトの話>

真ん中がフランコで左がロベルト。一番右の人はよく覚えてないッス (・ε・)
三角絞めでつかまえて-廃棄物処理おじさん

コネで産廃業者フランコの部下になったロベルト。「仕事、頑張るッス!ヘ(゚∀゚*)ノ」と思いきや、有害物質の不法投棄はするわ、危険な処理を何も知らない子どもにやらせるわと、その内容はクズの所業でして。フランコに農家のお婆ちゃんからもらった桃を「捨てろ」と言われて、ガマンできなくなったロベルトは「こんな仕事、やってられっか!ヽ(`Д´)ノ」とブチ切れて、フランコも「誰かがこの仕事をやらなくちゃいけないんだYO!ヽ(`Д´)ノ」とブチ切れるというね…。ちなみにロベルトが「北で一人を生かすために南では一家を殺している」という印象的な台詞を言ってましたけど、イタリアは南北格差が激しく、それ故に南部では裏社会が発展したという背景があるそうな。


<④仕立屋パスクワーレの話>

仕立屋パスクワーレ。残業代がもらえてなかったりと、職場の環境は厳しい…。
三角絞めでつかまえて-仕立屋のおじさん

パスクワーレ(サルヴァトーレ・カンタルーポ)は、組織が運営するオートクチュールの工場で働く仕立屋。低賃金&重労働にウンザリしていたら、中国人の業者が「先生、アナタの技術をウチの職人たちに教えてくれたら、お金をタップリあげちゃうんだから (´∀`)」と誘惑してきまして。幼い子どもがいてお金がほしい&先生と言われるのも悪い気しないパスクワーレは、その話に乗って、技術を伝授するものの、それが組織にバレてしまい、中国人の業者は殺されてしまうんですよ。パスクワーレは腕の良い職人ということもあって命は救われたものの、すっかり嫌気が差してしまって仕立屋を廃業。トラックの運転手になるというね…。最後、パスクワーレがパーキングエリアで、低賃金で作ったドレスをスカーレット・ヨハンソンが着ているのをテレビで観るシーンが印象的でしたな。


<⑤ボンクラ野郎マルコ&チーロの話>

パンツ一丁で組織から盗んだ銃を乱射しまくるバカ2人。いろいろな意味で、スゲー怖い。
三角絞めでつかまえて-残念な2人

マルコ(マルコ・マコール)とチーロ(チロ・ペトローネ)は「スカー・フェイス」に憧れて、無謀な犯罪を思いつきで無闇に繰り返す超無鉄砲な2人組。組織の武器を奪って大はしゃぎしていると、さすがにリンチされちゃうんですが、それでも大して反省しない姿勢は、バカを通り越して“凄み”を感じるレベル。組織の大人たちは「ガキを殺すのも面倒くさいし… (´・ω・`)」と何とか穏便に済ましてやろうとするものの、マルコとチーロは「オレたち2人は最強!ヽ(`Д´)ノ」と画期的に聞く耳を持たないので、“罠感丸出しの罠”にハメられて無惨に射殺されてしまうというね…。


お話はこんな内容ということで、「“悪のボス”を倒せばOK」と単純ではなく、「もう社会のシステムがこうなってるから、どうしようもない」感がビンビン伝わってきて、「あ~あ… ('A`)」って心境になりましたよ。演出が“ちょっと距離を置いている”というか、映画的なカタルシスがなくて淡々と出来事を見せられるから、感情移入とかはあまりできないんですが…。なんて言うんだろう、それでも画面に映し出されることがあまりに無惨であり、現実をそのまま映像化したようなリアルな迫力があるので、グッとは来ないけど呑まれてしまうというか。ううむ、分かりにくいですかね。

ちなみに、wikipediaによると、原作者のロベルト・サヴィアーノが2006年からマフィアに殺害を予告されてたり、元マフィアが出演していたり、作品公開後に出演俳優の1人が指名手配中の組織の一員であることが分かって逮捕されたりと、その“実録っぷり”もハンパじゃないということでね。正直、万人にオススメできる作品ではないけど、間違いなくスゴい映画ではあるので、興味がある人は劇場に足を運んでみてくださいな。




原作本。組織から脅迫された作者は、最終的には海外に移住したそうな。
三角絞めでつかまえて-死都ゴモラ
死都ゴモラ---世界の裏側を支配する暗黒帝国 (河出文庫)


思い出した映画。子ども絡みのシーンが超キツイ。
三角絞めでつかまえて-シティオブゴッド
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ボンクラ男子が憧れる名作。
三角絞めでつかまえて-スカーフェイス
スカー・フェイス  プレミアム・エディション [Blu-ray]


面白いとか面白くないとか、そういうことじゃなく、貼っておきたいんです。
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