ジャッキー・チェン カンフー・キッド(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて

ジャッキー・チェン カンフー・キッド(ネタバレ)

ジャッキー・チェン カンフー・キッド



英題:Looking for Jackie
2009/中国 上映時間88分
監督:ジャン・ピン、ファン・ガンリャン
脚本:シュエン・フア、ウー・ジヤーミン
出演:ジャッキー・チェン、チャン・イーシャン、ユン・ワー、ユイ・ラン、デヴィッド・ラム
(あらすじ)
北京生まれの16歳の少年チャン・イーシャンは、幼い頃に両親とともに移り住んだインドネシアで暮らしている。彼はジャッキー・チェンの大ファンで、カンフーをこよなく愛し、武術学校へと進学する。しかし、外国育ちで中国語が下手なため、いつもクラスメートにからかわれていた。ある日、イーシャンの中国語を何とかしようと、祖母は彼を生まれ故郷の北京の実家に送り出す。意気揚々と旅立つイーシャン。彼はひそかに、北京で憧れのジャッキーに弟子入りしてカンフーの達人となり、同級生たちを見返してやろうと決心していたのだ。果たしてその計画は成功するのか―。(以上、松竹DVD倶楽部より)

予告編はこんな感じ↓




28点


レンタル屋でこのDVDのを見た時は目を疑いましたよ。劇場未公開のDVDスルー映画が“ヒットしている類似作品”のタイトルやポスターのデザインを似せることはよくあるものの、まさかジャッキー・チェン本人が出てるリメイク版「ベストキッド」をパクるなんて! 便乗感アリアリな節操のないタイトルにも好感が持てるということで、早速、借りてきたんですが…(ちなみにウチの近所の「GEO」では6本中5本が貸出中という人気振りで、最後の1本をゲット)。かなり微妙でしたな… (´・ω・`) ウーン

一応、最初に書いておきたいのは、タイトルからリメイク版「ベストキッド」的な内容を期待して観ると死ぬほど後悔するので要注意ということです。共通点は「ジャッキーが出演してる」「主人公の少年がイジメに遭ってる」「主人公がカンフーをする(一応。かなり弱いけど)」ところくらいしかなかったりして。主人公のチャン・イーシャン(「役名が本名と一緒」の理由は不明)は16歳の少年で、10歳の時に北京からインドネシアに引っ越してきた“華僑”でしてね。落第点を取ってしまうほど中国語が苦手なんですが、先生に「中国語を学べ!」と怒られても「目標はジャッキーです!」と言い放つ筋金入りのボンクラでして(部屋はジャッキーのポスターだらけ)。で、同級生にそのアホっぷりをからかわれてキレたら、逆に集団でタコ殴りにされてしまうワケです(正直、「ベスト・キッド」の主人公と違ってそんなに同情できない感じ)。

「ジャッキーの弟子になって、カンフーを習い、あいつらを見返してやる!」と思ったイーシャンは、「北京にいるおばあちゃんの家に行く」ことを口実にして、ジャッキーがロケをしている場所に向かうんですが…。あまり漢字を読めないので目的地と違うところに着いてしまい、ジャッキーをダラダラと探すロードムービーが始まるワケです(原題は「ジャッキーを探して」)。女の子と仲良くなったり、スリの一味に誘拐されたり、刑事さんを助けたりと、いろいろなイベントはあるんですが、脚本と演出のせいなのか、正直、あまり面白くはなくて。主人公のイーシャンが「自分がジャッキーに会いたいということを免罪符に、周囲に迷惑をかけまくるクソガキ」にしか見えなくて、まったく感情移入できなかったし、微笑ましくも見えなかったんですよね。特に北京のおばあちゃんに対する態度の酷さは心からムカつきました。

で、そのおばあちゃんがイーシャンのために部外者立入禁止の場所に忍び込んだら、偶然ジャッキーと遭遇。本人とは知らずに「あの~、ジャッキーさんを探してるんですけど…」「どうしたんですか?」「実は孫が大ファンで…」みたいな会話をしたおかげで、イーシャンはジャッキーと会えることになって…。この時の老婆に対するジャッキーの態度は、映画の中とはいえ、「ジャッキー、いいやつ!Σ(゚д゚;)」と心から思いましたね。

そんな感じで迎えた感動のご対面シーンですが…。この時点の僕は、バカで身勝手で図々しいイーシャンに本当に苛立っていて、ハッキリ言って、本作を借りたことも後悔していたんですよ。ところが! 彼が顔をクシャクシャにして泣きながら弟子入りを訴えるシーンが意外と良かったから、映画とは不思議なもの、ですな(知った風な口で)。ザッと書いておくと、こんな感じでした↓


(iДi)
「僕を弟子に」
(「なぜ弟子入りしたい?」と聞くジャッキー)
「学校で中国語の成績が悪くて落第点だったから、同級生にバカにされたんです」
「僕を笑った奴を懲らしめようとしたら大勢に殴られて」
「だから、あなたの…弟子になって…本物のカンフーで仕返しをしたいんです」
「小さい頃から大ファンでした」
会いたかった



もうね、嗚咽を漏らしました。映画序盤の同級生たちにバカにされたり、ボコボコにされたりしたくだりは、ちょっとコミカルタッチで描かれているから、僕はイーシャンがそこまで悔しかったとは思ってなかったんですけれども。「ジャッキーの弟子になってカンフーで仕返しする」と言ってるのは“単に会うための口実のひとつ”とかではなく、本当に彼の心の支えだったんですね。「君の痛みに気付かなくてゴメンね… (ノω・、) グスン」とマジで反省しましたよ…。

あと、これも映画の冒頭でちょっとした説明台詞があったんですが、イーシャンの両親はあまり家にいなくて、普段はもう1人の祖母に育てられているワケです。そんな彼にとって強くて優しいジャッキーは父性の象徴であり、彼のこれらの台詞はやっと出会えた“父親”に対する必死のSOSなんですよね。だからこそ、スゲー泣けるというか…。で、ジャッキーはそれにどう答えたかというと↓


( ´_ゝ`)
君は間違ってる。よく聞いて」
「カンフーはケンカの武器じゃない」
「中国語の成績が悪いと言ったね。君が生まれた国はどこだ?」
目上の人も大切にしなさい。おばあ様が君を心配してたぞ。知ってたかい?」
「志と勇気が大切なように母国語も大事だ」
「君は中国人だろう? 中国語ができなけりゃ笑われて当然だ
「忘れないで。弟子になりたいなら、まず勉強して中国語の試験で合格点を取るんだ
「君ならできる。信じてるよ」



なにこの正論!(°д°;) もう完璧というか、グウの音も出ないというか、当たり前だけど「大人」というか…。まぁ、ジャッキーに弟子入りしたいなんて思う頭がアレな人は世界中に腐るほどいるワケで(例えば、あなたが今読んでいる文章を書いた人間とかね…フフフ)、もちろんジャッキーが言ったのは映画の中の台詞ですけど、「ガチだなぁ」と。ジャッキーが文盲だったことを踏まえると、さらにいろいろ考えさせられるというか。なんにせよ、この終盤の主人公を安易に甘やかさない展開は気に入りました。

最後は「ジャッキーの携帯電話で記念撮影→『合格点を取ったら送るよ!』とジャッキー→学校に戻り、見事に中国語で合格点を取るイーシャン→同級生たちとも和解→イーシャンは『ジャッキーの弟子なんだ!』と周囲にアピールし、ジャッキーに電話するものの留守電→同級生たちが『だまされた、行こうぜ』→失望し携帯を投げ捨てる→立ち去ると投げ捨てた携帯から着信音が→ジャッキーからメールで記念撮影した写真が届いていた!」って感じ。たぶん観た人のほとんどが「マネージャーが“仕事”をしたんだろうな」って思うだろうし、冷静に考えるとイーシャンも中国語の勉強はできるようになったけど、あまり人格的に成長したようなところはなさそうだし、本作は単に「ジャッキーが厄介なファンをうまくあしらっただけ」だったような…ってのは意地悪な見方ですかねー (´∀`;) エヘヘ

ということで、終盤はかなり泣いたものの、僕的には結構微妙な作品でした。一応、冒頭と終盤にジャッキーのアクションシーンがあったりとか、途中であのユン・ワーがちょっと出てきたりとかするけど、ジャッキー関連の作品は何でもチェックするという人以外はオススメできないかなぁ。




ジャッキーの師匠役が観たい人にオススメの作品、その①。まぁ、良い映画でしたよ。



ジャッキーの師匠役が観たい人にオススメの作品、その②。ジェット・リーも出てきますぞ。