峠の我が家

我が家から峠に峠から峰に、そして帰るべき我が家を中心に足跡を残そう。


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父親の生まれ故郷、伊賀市上野まで遥々やって来ました。(携帯より)


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伊賀上野は父の生まれ故郷、すでに此の地を離れ60年以上になります。

大阪で当時の軍需産業に勤務していた父は、戦時中に長野の某工場へ

先に長野で勤務していた父の兄に呼ばれて移り住んだ(おかげで兵役は免れたけど)

まだ新婚ほやほやだった母と、一日がかりで大阪から長野の薄暗いホームに着いた時

母は心細くて涙がとまらなく、一日も早くこのお役目が終わり故郷の伊賀に帰りたかったそうだ。

しかし、そうはいかなかった。終戦から暫く父と父の兄は此の地に事業を起こし生活の基盤とした。

すでに私と兄の子供2人が生まれ、生めよ増やせよで2人の弟も授かった。

月日が流れて、共に苦労した母が8年前に亡くなり、昨年は父の兄が他界した。

その後を追うように叔母も今年の夏に亡くなり、ついに父は一人になってしまった。

生まれる事も選べないように、死も選ぶ事ができない。

でも最後に残された時間を、せめて故郷の地を踏みこの眼でしっかり見、心に刻んでおきたい

・・・・と思うのは、ごく当たり前の人としての感情かも知れない。


せいぜい家の中を歩くのが精一杯、はたして93歳の父を伊賀上野まで連れて行く事ができるのか?

幸い私の車はワゴン車、後に簡易ベッドを作り、看護士代りのもと姫に介護を頼み

移動用の車椅子を積み、何時ものスピードを押さえ、成り行き負かせの○○陛下のお里帰り。


峠の我が家
父の兄弟が眠る墓をまずはお参りします。

付き添いの看護士さんも心配そうに見守ってます。
峠の我が家

此の日上野は年に一回の「天神祭 」で大賑いです。

子供の頃この祭りが楽しみだった父を車椅子で小一時間程見物。

峠の我が家

宿に戻り、従兄弟を招き親しく食事します。

峠の我が家

さすがに父も疲れ、早めの就寝のベッドに就きました。


翌朝は朝から雨、これはちょっと想定外でした。

たった2人の姉妹だった母の妹が眠る菩提寺に向かいます。

峠の我が家

快く従兄弟も仕事を休み、案内役と運転手をお願いしました。

最後に父の生まれた場所、伊賀上野のお城が見える父の姉の家。

もうすでに他界してますが、父にとって実家と言える家です。

子供の頃悪戯をして縛られた「柿の木」もまだありました。

一族の眠るお墓を、名残惜しそうにお参りしました。


峠の我が家

やれやれ、これでやっとお役目も終わり帰れるか・・と思ったら。

「どうしても逢いたい人が居るので連れて行け」と言う。

しかも、年は同じで、名前も忘れてしまったと言うではないか。

「無理だよ、名前も分からなければ、しかも93歳じゃ~、生きてても寝たきりかも」

60年前と違って、区画整理が進み当時とは街並みも格段の変化。

従兄弟さえ、10年前と大分変わってしまって分からないみたいだ。

唯一、神社の側だったと言う記憶しかない。しかも神社は地区に3箇所位ある。


一つ目の神社はどうも違うみたい、2つ目の神社に来るとどうも此処だと言う。

車の中から周辺をみながら記憶を思い出す父。

「どうも此の家だと思う」と言われて見ると、この辺では格段に大きな屋敷だ。

ええい!こうなれば当って砕けろ!と恐る恐る門のブザーを鳴らす。

品の良さそうなご主人らしい人が木戸から顔を出したので

訪問の意図を告げると、さも怪訝そうに僕を見ながら・・。

「同じ年位の父がいますよ」の返答が返ってくる。

人違いかも分からないけど、是非私の父に逢ってくれと頼むと家に入り暫く待たされる。


80年振りの父の幼馴染との再会は、素晴らしい出来事でした。

生きていても、殆ど寝たきりか忘れてしまってるのが普通だと諦めていた。

まさに奇跡に近い出来事でした。2人共耳は遠くなったけど、しっかり当時を思い出しました。


峠の我が家

こんな事が人生にはあるんだ・・・・

でも、それは何かをしようとする強い思いが無ければ出来ない。

殆ど諦めて、いや!父に諦めさせようと行動した自分が其処にはいたけど。


「生きている間は何事も諦めてはいけない」

心の奥底に何とも言えない深い感動を、父から貰いました。

父の故郷帰りは、父にはもちろん私達夫婦にも素晴らしい旅になりました。







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