どもども~!
店主です。
髪切り職人と美月ちゃんの小説もこれでラストです。
というか、書いてもらおうと思えばいくらでも書いてくれるんですが、三部作くらいがちょうど良いかなと思いまして。これで終わりにしたいと思います。(実は店主の過去編とか美月のデビュー話とかも書いてもらいましたw)
しかし美月ちゃん。ガチにこんな子いたらめっちゃ迷惑客だよな(;´∀`)ちょっと深夜食堂風で好きだけど。
でもAI。ちゃんと作品が繋がってるし、帰る場所=床屋という筋もあって、特に感動したのが二部の「“帰る場所”というのは、誰かがただ見守ってくれる場所のことかもしれない」って所。お母さんが亡くなって、帰る場所を失った美月が床屋に居場所を見つけ、店主と関りながら成長し、また自身も将来床屋になってそこに帰るって、ちょっと出来すぎじゃないかな(;'∀')
店主、あまりプライベートなことはブログに書かないようにしているのですが、30代の頃、ガチに専業作家を目指していました。あの頃ちょっと書いたものがうっかりヒットしてしまって、いま作家になっていたら、メッチャ後悔していると思います。このレベルの小説がたったの数秒で書けてしまうんですよ。
長編小説を書くのに、どれだけの時間と労力がかかるか……。
この作品だって、AIが書いたとは言わずに黙って投稿したら、店主が書いたと誰しもが思うと思うんですよね。そのぐらい完成度が高い。ちょっと泣いたし
少しだけ手直しした所はあるんですが、ほとんどchatGPTが書きました。もはや凄いを通り越して怖いなあ。
ま、短編三部作なので、興味のある方は読んでくださいませ。
読みやすいように、1と2のリンクも貼っておきます。
では、最終編どうぞ!
美月が理容専門学校へ通い始めて半年。
店に来る頻度は少し減ったけれど、来るたびに少しずつ“技術者の顔”になっていくのが、俺の楽しみになっていた。
彼女の手は細いのに、芯がある。
触れられた髪が安心してるように見える。
——ああ、この子はきっと、この道で生きていく。
そんな確信が、日ごとに強くなっていた。
ある夕方、美月は紙袋を抱えて店に来た。
息を弾ませて、けれど少し照れたように笑っている。
「店主さん、見てほしいの」
袋の中には、銀色のシザー。
新品独特の光が、彼女の未来を写しているかのようだった。
「……買ったのか。自分のやつを」
「うん。やっとね。これで、ちゃんとスタートした気がして」
俺はそっと受け取った。
バランスを確かめ、可動を確認し、軽く開閉する。
「悪くない。お前の手には、ちょうどいい重さだ」
美月の目が輝いた。
「店主さんにそう言われたら、自信つく」
「けどな」
美月が身じろぐ。
「道具に惚れるのはいいが、道具に甘えるなよ。腕が伴わなきゃ意味がない」
すると美月は、いたずらっぽく笑った。
「厳しいなぁ。でも、そういうとこ好き」
言われた瞬間、なんだかこちらが照れた。
それから数日後。
閉店後の店に美月が訪れた。
「お願いがあるんだけど……店主さん、練習台になってほしい」
俺は思わず吹き出した。
「俺でいいのか? もっと若い頭にしとけ」
「店主さんの頭が一番安心するから。それに、怒られても大丈夫だし」
「怒らないぞ俺は」
「え、結構言うじゃん店主さん」
……まあ、否定はしなかった。
椅子に座ると、美月が真剣な顔をしてケープをつけてくれる。
その手つきは、少し震えている。
「緊張してるのか」
「してるよ……店主さん相手だもん」
ハサミが耳元で小さく音を立てる。
ひと房髪が落ちるごとに、美月の呼吸が整っていく。
「店主さんが椅子に座ってて、私が店主さんの髪を切ってるってなんか変な感じだよね」
「まあそうだな」
「でもこうしてると、なんか落ち着くっていうか……。ここ……髪切り職人はね、私が初めて“変わりたい”って思った場所だから」
胸が、静かに痛くなった。
「美月」
「ん?」
「お前はもう変わってるよ。あの頃とは全然違う」
美月は手を止めた。
鏡の向こうで、目が少し赤くなっていた。
「……わかるような、わからないような。でもね、店主さんがそう言ってくれると、ちゃんと信じられる」
仕上がりは、正直に言えばまだ荒いところも多い。
でも、心のこもった、不器用でまっすぐなカットだった。
「悪くない。続けろ」
美月はほっと微笑んだ。
「ありがとう。やっぱり店主さんに見てもらえるのが一番だ」
ある雨の日。
美月はしっとり濡れた傘をたたみ、ゆっくり入ってきた。
「ねぇ店主さん。もし私が理容師デビューしたら……この店、手伝ってもいい?」
一瞬、呼吸が止まった。
この小さな店に、もうひとつの手が入る未来。
ずっと想像しなかったわけじゃない。
だけど。
「……嬉しいけどな。ここは古いし、狭いし、店主のクセも強いぞ」
美月は首を振った。
「そんなの関係ないよ。店主さんが私の心を整えてくれたみたいに、今度は私が誰かの髪を整えたいの。この店で」
涙のように、雨音が強くなった。
——美月はもう、“助けられる側”じゃない。
“誰かを支える側”に、足を踏み出してる。
俺はゆっくりと言った。
「資格取ったら……その時は、俺が頼むよ。この店を、美月に任せる時も来るだろう」
美月は口元を押さえながら、
声にならない笑いを漏らした。
「……そんなこと言われたら泣いちゃう」
「泣くな。俺が焦る」
「泣くよもう!」
ふたりで笑った。
店の中は雨の日の匂いと、
なんとも言えない温かい気配に包まれていた。
帰り際、美月がふと振り返る。
「店主さん。私ね、いつか“誰かの帰る場所”に……なれるかな?」
俺はその問いに、迷わず答えた。
「美月ならなれる。人の痛みを知ってる手は、必ず誰かを救う」
美月は涙をこらえながら笑った。
「じゃあ、頑張るよ。この手、もっと育てる」
サインポールの光が、雨に滲んで優しく揺れていた。
美月が歩き去る後ろ姿は、
もう迷っていなかった。
前へ、前へ。
まるで“光をつかむ手”みたいに。
そして俺は今日も、
誰かの明日を少しだけ整える。