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改めて、全文。

ほんと!いいことが書いてある。

 

「 さぞ苦しいであろう。

  さぞお困りであろう。

  死んだ方がほうがましだと考える。

  その心持ちもよくわかる。

  ただ、貴方よりもっと苦労しながら

  立ち上がった人がある。

  もっと困っていながら切り抜けた人がいる。

  絶望してはならない、

  人生には必ず活路がある。

  人を呪うよりも自分の在り方を

  反省することだ。

  人の幸福をうらやむよりも

  自ら築くことに努めるべきだ。

  そして神仏に仕えるつもりで

  人々に奉仕すれば人々を幸いに 

  するとともに自分が幸いになる。

  善人は人から重んぜられ

  正義は人から尊ばれる筈である。

  然し善人なればこそ悪人にきらわれ

  正義なればこそ不正の輩に却けられる。

  善人必ずしも重んぜられず

  正義必ずしも尊ばれない。

  だが悪人にして栄えたためしなく

  不正にして誉れを得たものはない。

  重んぜられずともよい

  私は善人でありたい。

  尊ばれなくてもよい

  私は正義であることを欲する。」

 

        身延山 第九十世 日勇上人

 

この4年間にいろんなことがあった。

いろんなこと。まぁ、ほんと、いろんなこと!

それが今更、大変だったことかは正直わからない。

絶対的な道徳観念も抜けてきたこの頃。

何が良くて何が悪いのかはある意味さっぱりわからない。

そう、幸せかどうかさえも。

 

思えば4年前。

3年間続けた仕事に一区切りをつけて

眼の手術も重なって訪れた場所だった。

共に歩いた友人は、昨日、何を思いついたのか

ここに行くことを思い出した。

それも不思議な話だ。

いつもだいたい山梨に富士山を見に行く。

天気は上々で、一度雨に降られたことはあったけれど

上手い具合に降って助けられたこともある。

まさにご縁の賜物だ。

 

ちなみに、私は運転が出来ない。

彼女が居なければ、楽しい小旅行は出来てはいない。

お陰様で。

このご縁を作ったのは一冊の本。

私が勇気を持って降ろしたオリジナルストーリーだ。

で、結局、なぜかふたりでドライブをすることになって … … 。

それがいつからかは覚えていない。

いろんなところに行ったけれども、

楽しかったという記憶が先行してポツリポツリとしか思い出せない。

今だ鮮明に覚えているひと言。

確か、奥多摩の周遊道路だったかな?

「 まさか、こうやって運転をしているとは思わなかった 」

それは、初めて会って何回目かのこと。

お互いに違和感がなく長年の友のように思っていた。

 

友人はそれこそ努力の人だ。

いわゆる障害を持った子の子育て。

理解されない学校との闘い。

言葉では現わせない苦労の連続であったと

今現在、楽しげに言った。

そして、訪れた自分との闘い。

ストンと見事に落ちた。

上がるまでがとにかく大変だった。

私は夢の中でふたりで大きな渦の中を見つめている情景を見せられた。

厚い絵の具を重ねたような白い渦。

その時教えられた。

この人をなんとしてでも引き上げなきゃ。

それからはもう言葉の押収で…、それはもう結構必死だった。

「 なんであの時、あんな余計なことを言ったんだろう。

  本当に申し訳ないと思いつつ、

  でも、どうしても諦め切れなかったんだよね 」

そんなことをしている内、彼女はスコンと立ち上がった。

自分の力で。

本人曰く。

「 なんとなくどうでもよくなったんだよね。

 いろんなものを吐き出して。

 落ちたお陰だよ。こんな風に今が楽しいのは 」

「 今は仕事も楽しいし、

 娘からは卒業して、自分のことをやっていくんだ 」

簡単にそんなこと。

( 本人の許可を得て書いてます )

 

私はあまり縛られることが好きではない。

だけど、人に任せたらその人を信じて着いていく。

どこに行くにも誰と行くにも私のナビは上からの囁き。

方向音痴も幸いして、必ず道案内が現れる。

お陰様で。

たくさんの人に助けられている。

 

苦しいことは分け合えばいい。

どうしても苦しくて立ち上がれなかったら

思いっきり泣いて、みっともないほど吐き出して

思いっきり振り切ってやり始めるしかない。

どんな恥ずかしい自分でも。

 

でも、私は出来る限り自分と向き合って

誰にも話さず解決して行きたい。

少し解決できたとき、実はねって話せたら最高だと思っている。

共有することも大事だけれど、

ひとり噛み締めて乗り越えていくのもカッコいいよ。

 

友人の苦しみを理解したとは言わない。

100%理解することは大変難しいから。

ひとそれぞれ。

そこに少しでも寄り添っていく。

それが思いやりだと思う。

いつも素敵な山道を運転してくれる友人へ。

無限大の感謝を込めて。

貴方の育てた娘さんが書いた絵本が

たくさんの人に届きますように。

心から願って。

 

身延山 久遠寺の龍に感謝を込めて。