流れるような旋律。

時に砕け散るような波音。

京都 正伝寺の庭。

借景は比叡山。

枯山水の庭園は水を讃えた生きとし生ける庭。

 

昴が輝く静寂の時間。

戦国武士の残骸。血天井さえ静かに眠る。

「 22才なれば少しずつ臆病者になるわ。

 なせか、わかるあなた? 」

一気に畳み掛ける音の洪水。

虚しさと切なさと、そしてこれから成長する大人に対して。

人生は思い通りにはならないけれど

それが人生の醍醐味なんだよと語る、静かに、

運命の出会い。糸。

 

大平原の先には何がある?

暗闇の星空に見えるものはいったい何?

 

その昔、遠い遠い昔から。

死してなお、司馬懿を走らせた諸葛亮孔明。

秋の秋風五丈原。

その遠き道を行くように音楽はなり続ける。

人の心の中に。滔滔(とうとう)と。

 

「 あー、砕け散る定めの星たちよ 」

砕けて散って沢山の雨を降らした。

澄んだ眼の涙を。

 

どうぞ、ご存分に歌って下さい。

言葉の豊かさを。

忘れ去られた優しさを。

星空の音楽を。

心置きなく。

 

天明燃ゆる令和の秋風五丈原。

心からの感動に拍手を贈る。

決して忘れないと。

 

ありがとうございました。

そして、お疲れ様でした。