アンダンテ

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心の映画館

 

 

静かな夜。

なんとなくテレビをつけた。

見なければいけないものがあるような気がして。

ここ何ヶ月間、凄く疲れてて、少しだけ長い風邪を引いて、

やっと機能調整がついた今日の夜。

呼ばれるように見た映画は、「 シンデレラマン 」

大嫌いなボクシングの映画だ。

だいたい、顔を殴りあうなんて、最低なスポーツだと思うくらい大嫌い。

正式な、スポーツかも知れないけれど。

でも、ずっと見ているうちに、何の為にボクシングに懸けたのかが伝わってくる。

 

愛する妻の為。可愛い子供の為。大切な友人の為。

自分を育ててくれた世の中の為。

そして、なにより、一番大切な自分の為。

一度捨てられた若くも無い男は、復活して勝利を掴んだ。

努力と愛情と希望を持ち続けたお陰で。

 

食べるにもこと欠く毎日。

とうとうお金が払えず、電気も止められた。

子供は、親類に預けられ、それを知った男は、かつての仲間に頭を下げに行く。

「 お金を貸して欲しい 」 と。

そして、たった一度のチャンスをものにし、完全なる復活を果たす。

 

苦しい環境。

仕事さえ、あるかどうかも解らない毎日。

絶望と向い合わせの人生は、奇跡を起こす。本人の努力で。

勝つか負けるか、死ぬか生きるか。

その選択しかないむごたらしい試合。

逃げてしまえば、それでお終い。

でも、逃げなかった。なんとしても、家族を幸せにしたかったから。

たった、それだけの理由。

 

「 シンデレラマン 」

配給を受けていた男が、ボクシングのチャンピオンになる。

激闘の上、若い力のあるチャンピオンを破って。

心の琴線に触れて、久しぶりに静々と泣いてしまった。

申し分なく。

 

その映画を見ながら、ふと思い出したことがある。

それは、小さな愛。

いろんなことがあって、いろんな会話があって、いろんな思いがある。

人間としての感情論。

なんでもないことを許すことができず、グルグルと渦巻いて、片付かない頭の中。

そこだけは、いつまでも終わらないフィルムのよう。

心の中の映画館は、一作がいつ終わるのやら、わからない状況だ。

 

そして、ふと浮かんだ 「 アンダンテ 」 

意味は、「 歩くような速さで 」

どう頑張ってみても、人の歩く速さには合わせられない。

きっといつか、倒れてしまうだろう。

 

人として、どう生きるべきか。

かっこつけないで、自分に正直に生きられるか。

そこが、難しいところではある。

 

生きていることは、奇跡。

そう感じられる毎日。

たまには、ひとり、テレビの前で泣くのも悪くない。

 

少しずつ、一歩ずつ、歩いていく。

それが、私のアンダンテ。

誰でもない私の生き方。しっかりと貫いていこう。

これからも。

 

親愛なる神様に感謝を込めて。