7月10日(月)猛暑

 

田植えから4週間 草丈50cm 茎数19本

 

 

なかなか、いい感じです。

あと1ヶ月と少しで穂が出ます。

 

昨日から、田んぼごとに順次、中干しに入りました。

中干しというのは、田んぼの水を落として、地面に細いヒビが入るくらいまで田んぼを干すことです。

うちの場合の主な目的は、

・ガスを抜くこと

・地面を固めること

です。

田んぼによっては、フワトロの層が10cmくらいになっているので、放っておくと8月末の雨に打たれて稲が根こそぎ倒れてしまいかねません。

ちなみに、このフワトロ層がコナギ一族を飲み込んでくれるので、とっても大切なフワトロなのです。

 

さて、水を落としきる前に、昨日、生きもの調査をしました。

 

 

田んぼに水口に残った水たまりを網ですくってプラの水槽に入れました。

ふだんは気づかない生きものがけっこういました。

 

 

いちばん大きなのが「ミズカマキリ」

尾の先についている呼吸管をあわせると8cm。

子どもの頃によく見かけた記憶がありますが、対面は久しぶりです。

カマキリとは名ばかりで、タイコウチの仲間だそうです。

 

 

サカマキガイに取り付くタイコウチの幼虫、かな。

これ、実際は2cmくらいのサイズ。

上のミズカマキリとからだの作りが似ています。

 

 

トウキョウダルマガエルのオタマジャクシ

けっこうでかい

ヌカエビが5匹 写ってます

たくさんの小魚(オイカワの幼魚かな)

 

ヤゴも何匹か確認できました

あと タニシが1匹だけ

 

昨日、捕れた田んぼの生きものはこんな感じです。

初めて調査をした私の感想は

「意外と、いろいろいたなあ」です。

というのも、ふだん田んぼをしていても、水生昆虫や魚やエビの類を目にすることはほとんどないからです。

 

15年前に有機栽培の田んぼを始めた時は、

「2,3年もすれば田んぼに生きものがあふれるようになる」

と単純に思っていました。

ところが、何年たっても、生きものは戻ってこない。

 

その昔、田んぼや水路ではコブナやドジョウがいくらでもとれました。

ゲンゴロウやタガメやメダカも普通に目にすることができました。

残念ながら、そのどれも、わたしの田んぼではほとんど見ることはできません。

 

あまりに残念なので、実は今日、もう1度すべての田んぼの水口をすくってみました。

 

 

ようやく、小さなドジョウくんに出会えました! 

 

それにしても、どうして田んぼにドジョウがいなくなっちゃったのでしょうか?

今回、ドジョウくんと出会えた田んぼは、今どき珍しい素掘りの水路から水を引き込んでいます。

 

 

写真のドジョウくんは、ここで細々と命をつないできたのでしょう。

 

ところが、私がやっている残りの6枚の田んぼは、すべての水路がU字溝です。

U字溝では、ドジョウはほとんど生息できません。

 

かってドジョウは、春になって田んぼに水が引き込まれると、下流の水路や川からいっせいに遡上してきました。

そして、6月から7月にかけて田んぼで繁殖をしていました。

田んぼは、ドジョウくんにとって最高の場所。

水は温かくてエサとなるミジンコが無数にいる。

身を隠す柔らかい泥がたっぷりある。

生まれた子どもは、イネに守られる。

 

しかし、今、ドジョウくんは、大好きな田んぼに遡上することができないのです。

理由は、U字溝だけではありません。

 

 

これはうちの田んぼの排水路ですが、田んぼと水路との落差が50cm。

万一、水路にドジョウが生息していたとしても、田んぼには入れません。

この水路は、20m下流で柳瀬川と結ばれています。

 

 

 

しかし、川との落差は、およそ2m。

しかも、川は落差1m×2の堰堤(えんてい)で、分断されています。

魚道はありません。

 

柳瀬川には、ドジョウはそれなりにいると思います。

でも、そのドジョウくんがうちの田んぼにやってくるのは、絶望的なのです。

 

 

ああ、悲しい

何とかしたい

 

田んぼにドジョウがやってきて

子どもを産んで

そのドジョウを目当てに

いろんな生きものが集まる

 

ドジョウが泥をかんまわすから

草はあんまり生えなくて

稲もすくすく育ってくれる

 

稲刈り前に水を落とす時には

ドジョウがいっせいに逃げ出してくる

 

それを

近所の子どもや

田んぼを手伝ってくれた人や

お米を買ってくれる人と

いっしょにつかまえて

唐揚げなんかにして

一杯やれたらなぁ