♦︎File No.3♦︎

Toyota AE86
TRUENO & LEVIN



現行86の魂とも言える旧式のFRクーペ
しっかりと振り返ってみよう



登場は1983年!頭文字Dの時点で15年以上経過している💦 


若い人にとっては神話的な存在となっているAE86ことスプリンタートレノ/カローラレビンですが、なんとその登場は1983年ビックリマーク



思わず嘘でしょ⁉️

と叫びたくなるような古さです(笑)


初期モデルならば、40年経過していることになりますから、その古さたるや半端ないのです。


車種の成り立ちについては割愛しますが、姉妹車であるカローラとスプリンターのクーペタイプのサブネームがレビンとトレノであり、5代目カローラ/スプリンターのクーペタイプがAE86と言うわけです。



イニシャルDには序盤でS15が出てきますから、少なくとも15年くらいたった86に乗っていることが示唆されます。



80年代の車事情とは? 


70〜80年代は、日本が高度成長を終えて安定してきた時代ですから、車も一般大衆にかなり普及しています。

しかし、車の構造はまだまだ発展途上であり、Bピラーをもつ4枚扉のセダンは高級車イメージが強い時代です。



「いつかはクラウン」のキャッチコピーもこの頃のもので、頑強に設計された上級4ドアセダン/ハードトップを除くと、基本的には2枚扉の方がパーツが少なくて楽ですから、簡単に設計されたクーペタイプ/2ドアハッチバックなどが主流の時代でした。

個人的な考えですが、「高級車=4ドアセダン」が定着しているのは、この頃の残留思念だと思います。

というわけで、ファミリーユーザーを除けば、安くてカッコいい2ドアクーペタイプの車を買うのは当然の流れであり、AE86は稼ぎ出したらまず検討に入るような…今で言うところのヤリスくらいの立ち位置だったわけです。

カローラ→セリカ→カムリ→クラウンなんていうふうに乗り換えていく時代ですから、クラウン=4ドアセダン=おじさんという定式があっても無理はありませんね💦

まぁ何が言いたいかというと、
AE86も含めてレビン/トレノはスポーツカーとしてではなく、シンプルで若者向けのドライバーズクーペとして登場したのだということです。


FFの台頭が始まった時代でもある?5代目カローラはFFへ 


先ほどの通り、レビン/トレノは「若者向けのシンプルなクーペ」であるわけですが、5代目カローラ/スプリンターにはモデルチェンジにあたってある変化が起こっています。

それが、FRからFFへの変化です‼️



当時のレイアウトの違いは、このように仰々しい事では有りませんでした。


車=乗り物ですから、本来ならキャビンが広いに越したことはありません。

そこで、乗用車のFF化は当然の流れで有り、カローラやスプリンターなどのファミリーカーは真っ先にFF化されるべき車種だったのです🤔



駆動輪と操舵輪を同一とするFFは高騰テクニックでもありました。


同時期、日産のブルーバードもFFに移行していますが、ファミリーユーザーへのアピール&FFを作れる技術のアピールも伴っていたわけです。

つまり、現代と異なり車のFF化はプラスこそあれ、マイナスの感情を抱かれることは無かったことでしょう。一部の車好きを除けば。。

しかしトヨタはこの車好きたちを見捨てませんでした音譜音譜 (捉え方は人それぞれ…)

今にもつながるトヨタの顧客の意見を伺う慎重姿勢が見て取れますが、5代目カローラ/スプリンターがFF化した際に、レビン/トレノは一旦FRに据え置かれたのです。

その後、6代目以降のレビトレがFF化されたことで、15年ほど経過してドリフトが若者の心をとらえたことで、激安のFRクーペAE86に光が当たってきました。


ドリキンとイニシャルD 


AE86は、10年以上たった激安のFRクーペでありましたが、若者が手が伸ばせるドリ車としては最適のコンディションでした。

構造が至ってシンプルな古い車であり、エンジンは評価の高いトヨタの4AGで、1.6Lという絶妙な排気量。車重も900kg台でロータリーのRX-7と張り合える軽さです。

この優良物件86を世の中に知らしめた生きる伝説が2つハイハイ

まず86はドリキンこと土屋圭市の愛車として知られています。



AE86なめんじゃねぇ!


という思いでドリフトしていたらしいドリキンは、いろはを86で学んだと言います。



もう一つは、やっぱりイニシャルD!!

藤原拓海が86を手足のように操り、7やRを抜き去るかっこよさたるや…‼️


ドリキンが監修に入っているドリフトシーンの見応えは半端じゃない✨


これにより、火がついた若者たちがAE86を買い漁り、気がついた時にはまともな個体は殆ど無くなっていました笑😆

というのが今の現状です…😭

大事なのは、AE86はスポーツカーではなく陳腐なクーペとして誕生したはずが、若者の夢が存在を押し上げて伝説化したのだということです。


結局86の魅力は何なのか? 


僕はギャップ萌えだと思っています。



AE86って絶妙にのろそうな見た目(特にレビン)で、エンジンも1.6L、FRを押し出した形もしておらず、こんな車が速く走るなんて夢・浪漫が溢れてるじゃないですか!!

イニシャルDの主人公がGR86に乗っていても興奮しないわけですよ。
だってあの車はスポーツカーですもん。



もっと絶妙にカッコ悪く作らなきゃ‼️
とか思っちゃいますが、別にこれはこれで良いですよ笑

でもね。
若者が憧れて手を伸ばしたAE86とは、本質的に少し違う車だと思いますよ。


個人的な車の美学
羊の皮を被った狼』…は
スカイラインの伝説ですが、こういうギャップ萌え要素は車にとって大事なことですね音譜