どのくらいそうしていたのだろうか。
外はいつの間にか暮色が迫っていた。

最早、涙も枯れ果てた。
自分にはもう何も残っていない。
残っているのは、先生への想いだけ。
想いを自覚したのが、いなくなってからなんて…。
そんなこと、気付きたくなかった。

こんな気持ち知らなければ良かった。
先生と出会わなければ良かった。
そうすれば、今まで通り、虫けらのように生き、
虫けらのように死んでいっただろう。

だけど、俺は先生と出会ってしまった。
先生の手を取ったあの時から俺の人生は変わっていった。
誰にも必要とされなかった俺に差し伸べられた一筋の光。
先生は俺にとって光のような人で、
この先も俺を導いてくれる人だとそう思っていたのに…。

出会ったことを後悔しても遅い。
先生との日々を思い浮かべても無駄だ。
先生はもういないのだから…。

先生がいないこの世など、何も意味がない。
先生のいた痕跡など、
消してしまえばこの苦しみも消えるだろうか。

先生と出会って、自分は変わったと思っていたけど、
何も変わっていなかった。
やはり俺は俺なのだ。
初めて光に触れたから気がつかなかっただけで、
闇は闇のままだということに。



俺はある場所へ向かった。


先生の痕跡が残るそこへ…。











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