今回は「大橋流と伊藤流」についてです。
このタイトルを見ただけで何のことなのかがピンときたら、あなたは立派な「将棋通」といえるでしょう。これは、将棋の駒の並べ方に付いた名称です。
アマチュアが将棋を楽しむのに、並べ方は自由です。しかし、格調の高いプロの対局では、駒の並べ方にも「流派」のようなものが伝統として存在するのです。そこで、将棋教室では、「駒の並べ方」の解説と同時に「大橋流と伊藤流」についての説明も行うことが多いのではないかと思います。
「大橋流と伊藤流」の具体的な並べ方の違いについては、日本将棋連盟のサイトに詳しいので、興味のある方はそちらをご覧ください。
日本将棋連盟のサイト(大橋流と伊藤流)→
テレビでの将棋対局番組をご覧になっている方は、対局者が駒を並べている光景を見たことがあると思います。圧倒的多数派が大橋流で、大橋流はとても分かりやすい並べ方です。一方、伊藤流は少数派ですが、たま~に、見かけることがあります。カクザンが出場していた頃のアマチュア大会でも、伊藤流で並べてくる方がいて意表を突かれたことがありましたw。伊藤流は大橋流に比べると、何というか、とても難しい並べ方です。一応理屈はあるので、興味のある方は上記サイトをお読みください。
では、将棋教室における「大橋流と伊藤流」は、どの程度の重要性があるのでしょうか?初心者を対象に、「駒の並べ方」を説明する時に、この「大橋流と伊藤流」を一緒に説明するケースが考えられるのですが、説明にはそれなりに結構な時間を要します。また、駒の動かし方がわからないレベルの初心者の立場に立てば、説明を聞いて理解するには、非常に難しい内容になってしまう可能性も懸念されます。
意見が分かれる可能性もあるとは思いますが、カクザンはあえて、重要度は「C」と判定したいと思います。「大橋流と伊藤流」のことは知らなくても、将棋を指すことはできること。そして、将棋に興味を持てば、独学で、そのような知識は身に付けることは十分可能だと思われること。特に、後者がその他多くの「テーマ」について、カクザンが生徒さんに期待していることです。
講師は何でも説明したがるものですが、説明のしすぎは生徒さんの頭を混乱させて逆効果となる可能性もあります。それよりも、必要最低限のテーマを厳選して、効果的に伝える工夫が特に初心者向けの将棋教室では大事なのではないかと思います。
◎中級者向け(1級~10級)以上
・詰将棋(やさしい5手~9手詰め)
・攻めの「拠点」
◎初級者向け(11級~20級)
○重要度A
・玉は包むように寄せよ
・王手は追う手
・遊び駒の活用
・詰将棋(やさしい3手詰め)
・棒銀(▲2三銀不成~▲2四歩)
・棒銀(▲1五歩、△同歩、▲同銀)
・3歩持ったら「ツギ歩」と「タレ歩」
・金はトドメに残せ
○重要度B
・
○重要度C
・
◎初心者向け(21級以下)
○重要度A
・王手と詰み
・持ち駒
・駒得
・成り
・詰将棋(やさしい1手詰め)
・数の攻め(=足し算攻撃)
・棒銀(基本の攻め筋)
・タレ歩
・頭金
・駒の並べ方
○重要度B
・
○重要度C
・駒台
・大橋流と伊藤流(New)
◎保留
・「王」と「玉」
・「飛香落」の初形
・「香落」の初形