脳卒中後遺症の鍼灸治療と漢方薬
脳卒中とは脳血管障害の総称で代表的なものには脳梗塞と脳出血があります。脳卒中後遺症としては、主に半身不随(片麻痺)、言語障害(失語、ろれつが回らない)、痙縮(筋肉の緊張が強くなりすぎること)などがあげられます。 これらの後遺症に対して鍼灸漢方の治療は効果があります。その効果はWHO(世界保健機関)からも認められています。具体的には体内の気血の流れを正常にし、脳循環の改善、神経再生の促進で麻痺の回復、痙縮や痛みの軽減が期待できます。脳卒中後遺症に鍼灸治療がよく使われるツボとして① 口眼歪斜(中枢性顔面神経麻痺): 風池、上関、地倉、頬車、合谷、太陽② 言語障害(失語、ろれつがまわらない): 上星、百会、風池、通星、廉泉、金津、玉液③ 半身不随(片麻痺): 曲池、内関、合谷、手三里、足三里、三陰交、 陽陵泉、委中、太衝、血海、解谿、丘墟中国の頭皮鍼治療法の運動区、感覚区にもつかわれます。 漢方薬として活血化瘀薬の血府遂瘀湯、補益気血の補陽還五湯、めまい、痺れ、高血圧を伴う症状に釣藤散、天麻釣藤散は効果があります。漢方の場合は症状だけではなく具体的に証(体質、虚実、寒熱など)を正しく判別して使うことが重要です。脳卒中後遺症にリハビリによる機能回復訓練と併行して早期鍼灸治療、漢方薬をおこなうことによりADLの向上、合併症の予防、治療に意味が大きいと考えます。