颯人の会社までの道のり。
この道を、毎日朝・晩と送り迎えしたんだな。。。。
そんな事を思いながら運転していた。
少し走ると、会社の前に着いた。
「もしもし?着いたけど?」
「あ~ごめん、ごめん!今行くから、ちょっと待ってて!」
颯人はまだ社内に残って居たようだ。
しばらく待つと、颯人が出てきた。
「ごめんな~~!ホンマ助かるわ!」
「あんたは助かるかもしれないけど、私は迷惑だわ!」
「咲ちゃん、なんかはっきり言うようになったね?」
「そうか?」
別れるまでは、颯人の顔色ばかりを気にしていた私。
「嫌われたくない!」
その一心で、いつも言いたい事も言わず、言葉を飲み込んでいた。
颯人が悪くても、最終的に私が悪かったと謝ったこともあった。
今は別れてすっきりした気持で颯人に何でも言える。
「元気にしてた?」
「ああ。。。おかげさまで元気にしてたよ?
そう言えばさ。。。。あんた、うちに無言電話してない?」
「は?してないよ??なんで?」
「いや。。。。してないならいいんだけど。
あんたと別れてしばらくしてから、無言電話が続いてさ。
自宅にも掛かってきたから、自宅知ってる人って限られるからさ。
もしかしたら、颯人かな?って思っただけ!」
「俺じゃないし。。。。。」
私は運転してたから、颯人の顔は見れなかった。
もし颯人だとしても、認める訳はないか。。。。。
「あのさ?咲ちゃん??
今日出張費用銀行から下ろさなきゃいけなかったんだけどさ。
時間がなくて下ろせなかったんだよ。
で、悪いけど、3万ほど貸してくれない??」
「(o´д`o)=3やっぱり金か!!」
「そう言われると、ホントに言い返す言葉も無いんやけどさぁ。。。
あ!ちゃんとキャッシュカードは預ける!
3万以上入ってるから、下ろしてくれて構わないから!だからお願い!」
「ふーん。。。。。いくら残ってる訳?」
「多分、5万は入ってるはず?」
「分かった。じゃあ明日下ろすから」
そう言って、また3万円を手渡した。