英国人ってかしこいの?

よく日本人は賢いといわれる。もちろん学力が高いと感じることがあるだろう。

例えば、計算力。

数学などの言語を超えて能力測定できるものは分かりやすい。

基本的に東アジアは幼少時から教育熱心なので、計算などは他の先進諸国に比べても群を抜いているといえる。

 

例えば九九について、在外邦人の間で話題になることがある。

日本の教育では小学2年生2学期に集中して覚える。3年生では割り算が出てくるので、これを覚えていなければ先に進めない。私立校では早く覚えることもあるが、足し算引き算と間違えてはいけないので、一つ一つ進めていくことになっている。

 

英国では、小学校が約1年早く始まり、1年長いので、1年生の前の準備学年(レセプション)が4歳児からなのだが、ちょっと掛け算もあったりするのでビックリした。

その4歳児は、幼稚園児と同じ歳であるから、やっていることは幼稚園に近いのだが、教育の遅れを取り戻そうと英国教育では英語(国語)と算数/数学に力を注入している。また、字がうまく書けない人が多くなりすぎて、筆記体の練習も始まった。現在30-50歳の人は筆記体が書けず、日本人の方が上手くて「うそでしょ?」と思うこともあったので、わからなくはない。

掛け算といっても、その概念を植え付けるため、10の段を教えて、1年生になったら5の段を教えて、とめちゃくちゃユックリである。じゃあ、3年生になったら、九九を暗唱するのかと思うと、そうでもなく、4年生の教室にもまだ書いてある。強制することが無いため、ユックリ小学校卒業まで(11歳)に分かればいいんじゃない、という姿勢が伺える。(九九は12の段までが一般的)

4年生(日本では3年生)の掛け算表

 

これに、日本人の親は焦りを感じる。これでいいのか?

 

九九の呪文の様な覚え方が無く、順番に覚えているのが一般的みたいで、7の段になると、7,14,21といくので、しちさん にじゅういち、とすんなり出ないものだから計算が遅くて当たり前なのだ。これまた「うそでしょ?」と呪文を日本語で覚えさせるべきか、どうか葛藤する人が多い。

いろいろあるのだが、日本語で覚えた子は、英語に変換でつまづく子もいる。もちろん、その変換がすんなりできて、数学を日本語交じりで考える子もいる。私は、英語で呪文を考えて毎晩子供とうたいながら手作りフラッシュカードで約1か月強だったろうか、集中記憶日本方式をとった。

 

まあ、日本人、東アジア人にとどまらず、南アジアのインド系が計算に強いのは有名なことなので、割愛するが、英国にいるインド系住民も例外ではない。

 

じゃあ、その他の多勢であるアングロサクソン英国人は馬鹿なのか?

 

決してそんなことないので、ナメないで下さい!!!

 

彼らに関わらず、概して英国人の特性として、私が感じることを挙げる。

·         口が堅い(言って良いこと悪いことの判断力の高さ)

·         表裏をわきまえている(絶対表の顔を信じるな)

·         ゴマすり(自己利益追求して当たり前でしょ)

·         ユーモアはインテリジェントのバロメーター(世間話やおもしろい話ができない奴は馬鹿だ)

·         酒が好きだ(人間だもの!?)

 

いわゆる朴訥な人柄を良い意味で日本人は受け取る場合が多いが、英国(殆どの欧米)ではスマートじゃないと受け取るのが当たり前なのだ。

殆どの日本人は、英語がそう流暢でないし、自己主張もしないので、少し頭が悪いハンディキャップを持っている人、と見られることがある。意外とそうでもなく、能力高かったのね、と白人英国人以外の人から言われることもある。ああ、私ってそう思われてたんだ、と気付いて裏で何言われていたんだろう、と心配になる。口を割る奴はそういない。

 

要するに、英国人は計算が皆出来るわけでないが、社会的能力に長けているのだ。その価値観は日本のそれと合わないものもあるが、彼らの良しとしているものを認識して、合わせていく能力も持ちたいと思う。