
さて今日はコンビニで1年ぶりに今金男爵を発見したので、
実際に美瑛アンドーバーと食べ比べをしてみようと思う。
今金町は函館と小樽の中間。
渡島半島の真ん中、潮風の影響が少ない地理にある。
今金町のホームページによると
昼夜の寒暖差が大きい内陸性の気候条件はジャガイモの生育に適しており
「清流 後志利別川」の豊かな大地の恵みを受けデンプン質をたっぷり含んでいます。
味はもちろんのこと、ほこほこした食感と肌や形状の美しさは男爵というより貴婦人といった品格が漂います。
特に関東圏で人気があり、日本の男爵いものプライスリーダーとして、長年その地位と信頼を守り続けているほか、レストランや料理店からの指名も絶えません。
この人気の高さと、他の産地と比較して流通量が少なくなかなか手に入らないことから 「幻のイモ」ともいわれています。

今金町は昼間の温度が高く、夜間の温度が低いという内陸性の気象条件から、
じゃがいもの生育に適しています。
さらに昭和28年以来、男爵以外のお芋は栽培していません。
つまり『地の利』に、男爵じゃがいも栽培のプロ集団という『人の利』が加わった、
最高の条件を兼ね揃えた町で生産されているじゃがいもなのです。
じゃがいものホクホク感は、でんぷん量で決まります。
一般的な北海道産は12~13%の間。
今金男爵は、14.5%以上。
これが美味しさの差です。
「でんぷん質が日本一多い」ということでジャガイモのトップ・ブランドにマークされているのである。
ただ、でんぷん質に多さは、そんなにポテトチップスをおいしくするのだろうか。
私の考えはそうではない。
でんぷん質が多いと、ポテトチップスに「焦げムラ」ができやすい。
焦げの原因は、ジャガイモの水分と余計なでんぷんだ。
ジャガイモを切ると包丁に白い液体がつく。
今金男爵はこれがたくさん出てしまう特異な性質なのだ。
もともと日本のポテトチップスは北海道の男爵いもと、
アメリカ産のプリングルス、ナビスコなどアイダホ州・オレゴン州の合成チップスが主流だ。
合成チップスは「じゃがいもを処理するための方法と装置」("Method and Apparatus for Processing Potatoes")というアメリカ特許を1937年3月5日に取得したマーク・プリングルが開発したもので。
特許は脱水加工されたポテトの味を改良するため、つなぎに小麦でんぷんを利用し、ムダな焦げが出ない温度で焼き上げる、という生産プロセスで製品化される。
プリングルスのフレーバーはこの「つなぎ」に添加されたりする。
焦げがほとんどないのは水分が少なく、でんぷんも男爵より少ないからである。
でもしっかり甘さはある。
今金と美瑛、結論は美瑛アンドーバーのほうが断然美味い、ということ。
そもそも男爵いも(Irish Cobbler種)は、欧米ではマッシュポテトや煮込みシチュー用なのであって、
北海道で男爵いもがポテトチップスに使われだしたのは、
はじまりの事情によるものだ。
海老煎餅のカルビーが1970年代にポテトスナック・ポテトチップスの生産を始めた当時、
北海道ではジャガイモは男爵いも栽培が圧倒的に多かったからである。







