第48回 引鉄
豊臣と徳川が和睦。
しかし、真田丸は取り壊され、
城は堀も埋め立てられた。
裸同然となった大坂城。
真田信繁の本当の戦いが、
ここから始まる。
なんとか最終回前に、残りを片付けないといけない…という決まりがあるわけではないのですが、片付いていないというのもあまり気持ちの良いものではありません。
タイトルです。
オリジナルは「引鉄」と書いて「ひきがね」と読ませています。物語の途中、利休の茶室跡から掘りだされた馬上筒のことを「鉄」で指しているのは明らかですが、このエピソードで語られたのは、次の戦、ひいては豊臣の滅亡に到るさまざまな(後戻りできない)出来事でした。それらも「ひきがね」でしょう。ということで、タイトルは複数形にしました。
ドーでもよいことですが、馬上筒が掘り当てられた場所は既に畝が出来ているところでした。あんな感じの畝ならば、結構深くまで鍬が入っているはずの場所です。それにしては、浅いところから出土。誰かが前の晩にこっそり埋めてでもいなければ、ああいう具合にはならないと思います。まあ、そういう刑事ドラマの証拠隠しの話ではないのですが…
そういう、ツマラナイ拘りはさておき。
本文です。
今回も、前回同様繋がりの論理がおかしいと感じます。和睦と、それに続く文の「しかし」は説明不足でしょう。そこで、前回の砲弾の直撃を受けて、和睦交渉の始まりをまず文にしました。
「本当の死を目の当たりに見、茶々は目先の和睦交渉の道を選んだ」
この物語の茶々は、徐々に命が細っていく病人(捨と秀吉)の死から目を背けています。おそらく、父母を亡くした過去の経験でも実際の死は目の当たりには見ていないのではないでしょうか。ましてや、先ほどまで元気に会話していた侍女の突然の死です。彼女にとっては始めて見るリアルな死だったのだと思います。”cease-fire”は休戦ですね。「砲弾を撃つ(fire)のを止めさせる」というつもりで使いました。
次の文で、「和睦交渉は徳川のペースで終わった」と続け、「豊臣側にとって好い(書かれている:表面的な)条項の陰に、決定的な条件が隠されていた」としました。これで、文章の上では、ロジックはつながると思います。
裸同然の大坂城。という体言止めではなく、決定的な条件の中身を「大坂城は事実上武装解除しなければならなかったのだ」として、その中身が「真田丸の破却と(深い)堀の埋め立てである」と続けます。”even”は修辞的に加えました。
最後の文「信繁の本当の戦いが始まる」というのも、少し変です。言いがかり的ですが、ここで「本当」というと、では今までの戦いは本当ではなかったのか、ということになりかねません。
そこで、最後の文は「この状況が、真田信繁のサーガ(英雄譚:あるいは講談)の本当の始まりなのだ」としました。
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