「学ばなかった」業界と読売新聞の打開策 | あたま出版ブログ 禿頭席(とくとうせき)

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大谷昭宏氏が“古巣”を激怒批判! 読売新聞が大阪府と包括提携の衝撃「彼らはジャーナリズムの誇りを打ち捨てた」 


 暮れも押し迫った12月27日、日本のジャーナリズム界を揺るがす“大事件”が起きた。

 読売新聞大阪本社と大阪府が、情報発信など8分野で連携・協働を進める「包括連携協定」を結んだのだ。 


 協定は「府民サービス向上」と「大阪府域の成長・発展」を目的に、教育・人材育成、情報発信、安全・安心、子ども・福祉、地域活性化、産業振興・雇用、健康、環境の8つの連携事項を掲げているが、問題は報道機関が公権力と協力関係を結ぶという極めて異常な事態が現実となったことにある。つまりは、取材する側と取材される側の「一体化」だ。


 「本来、権力を監視するのがメディアの役割なのに、行政と手を結ぶとは、とんでもない話です。大阪読売はこれ以上落ちようがないところまで落ちた。もう『新聞』とか『全国紙』と名乗るのはやめて、はっきりと『大阪府の広報紙』と言ったほうがいい。そこまで自分たちを貶めるんだったら、もはや大阪読売はジャーナリズムの範疇には置けませんよ」  静かに、だが怒りを含んだ声で語るのはジャーナリストの大谷昭宏氏(76)。


 大谷氏は1968年4月、読売新聞社に入社し、1970年に大阪読売社会部へ移動。上司である黒田清氏(故人)とともに「黒田軍団」の一員として数多くのスクープ記事をものにした。1987年、黒田氏が当時、論説委員長だった渡邊恒雄氏(現主筆)との対立から大阪読売を退社した際、行動をともにした経緯がある。 「我々が出た時点でいずれ大阪読売は落ちぶれていくだろうなとは思っていましたが(後略)」 


 吉村洋文大阪府知事は記者会見で、「協定締結にあたり、報道活動への制限、優先的な取り扱いがないことを双方確認している」と語った。

 一方、読売新聞大阪本社の柴田岳社長は、「(略)記者の行動規範には『取材報道にあたり、社外の第三者の指示を受けてはならない』『特定の個人、団体の宣伝のために事実を曲げて報道してはならない』と定められ、これに沿って公正にやるとなっている」と大見得を切った。 

 

 これに大谷氏は反論する。 「(略)そもそもなぜ協定などを結ぶ必要があるかの答えになっていない。今回、読売が協定を結んだのは、明らかに部数増と大阪府からの見返りを期待しているからです。 大阪府の職員は、朝日や毎日よりも、府と協力関係にある読売を読むようになるでしょうし、読売に優先的に取材上の便宜を図ろうとするでしょう。まさにギブ&テイクです。   

 (略)大阪府が、朝日や毎日や産経にも声をかけて、結果的に読売だけが応じたというならまだしも、今回は読売のほうから大阪府に提案したんです。

吉村知事は『報道内容に何ら影響されることはない』と言うが、ゴロニャンとにじり寄った側が相手を叩くことなんかできるわけがないじゃないですか。

  たとえば、賛否半ばする大阪万博やカジノを含むIR(統合型リゾート)開発に関する報道にも影響が出てくるでしょう。推進派の言い分ばかりが報道され、反対派の言い分は報道されなくなるのではないか」 

 さらに、政治的な中立性も失われると危ぶむ。 

「大阪は府市ともに維新が政権を取っている。その維新の現代表と副代表のいる行政機関と連携するというのはどういうことなのか。たとえば、朝日新聞が石原都政や舛添都政と連携すると考えれば、その異常さがわかります。 

 大阪府と大阪市は常に一体で、何回も性懲りもなく大阪都構想の住民投票をやってきた。維新は3度目の住民投票をやりたい。今回の読売との協定の根っこにはそれがあると思います。

前回は公明党を味方につけたが、3度目の住民投票では読売を味方につけるはずです」 

 


『特定の個人、団体の宣伝のために事実を曲げて報道してはならない』

これは、トップである主筆自身が守っていません。特定の球団や政党・議員に偏った報道は周知の事実です。


「我々が出た時点でいずれ大阪読売は落ちぶれていくだろうなとは思っていましたが(後略)」 

これは言い過ぎ。いくら優秀であったとしても、わずか数人程度で紙面に大きな影響を与えることはありません。


 新聞業界は部数減少に喘いでいます。各社生き残りに必死で形振り構っていられない状況です。

 業績が良かった時代に取得した不動産の運用益で本業の減少分をカバーしている新聞社やテレビ局があります。しかし

、本業が回復しなければ、いずれ経営が行き詰まるでしょう。 

 それにしても、部数ナンバーワンの全国紙である読売新聞が自治体の広報紙と批判されるようなことを自ら進んで行なうとは、驚きを禁じ得ません。


 読売新聞は今後他の自治体や官公庁とも同様の契約を結ぶのでしょうか。

 他の新聞社も追随するでしょうか。


 新聞業界は社会を常に見ているはずですが、実際は非常に保守的で変化を好まない体質です。

 少子高齢化とネットが普及により新聞の購読数が減ることは十分予測できました。しかし、各社共これと言った手を打たなかった。

 これまで数多くの企業を取材し経営手法等についても学んだはず。取材資料やデータも豊富にあります。

 新聞社の役員であればほとんどの企業はトップ以下誰にでも会うことが出来ます。業績を伸ばしている企業や業績の回復や業態転換に成功した企業のトップや担当者から自社の業績回復のヒントを得たり教えを請うことも可能です。


 他の業界よりも遥かに恵まれているはずですが、実際は全く活かしていない。学んで来なかったと言わざるを得ません。勿体ない話です。

 だからこそ、業界トップの読売新聞が自壊の道を選択したのでしょう。

 同社の心ある記者が気の毒です。