もうすっかり秋になりましたね。
刺さるような夏の日差しが懐かしいです。

先週まで、金木犀の香りが感じられたけれど、今はもう分かりません。
季節が巡るのは早いなあ。
それにしても、金木犀の香りって、なんであんなにいい匂いなのでしょう。
もし桃源郷があるのなら、金木犀が香っていそうと想像していました。
なぜか子どものころ、「金星」と「木星」の総称だと思い込んでいました・・・。


最近は読書に時間を充てています。
携帯電話をスマートフォンに変えてから、移動中はSNSを見ることが多かったのですが、
活字の世界にどっぷり浸かりたい衝動に駆られ、今は読書の秋を満喫しています。

最近といっても先月読んだ本もありますが、
久々の読書録を綴りたいと思います。
よろしければお付き合いください。

盲目的な恋と友情/新潮社

¥1,620
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辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」を読みました。

横断歩道が赤のときも、続きが気になって読みました。

ラストが意外で驚きました・・・。



二人の女子大学生の視点で描かれた恋と友情の物語。

一人は、元タカラジェンヌを母に持つ、とても綺麗な女の子・蘭花。
一人は、自分自身の容姿に強いコンプレックスを持つ女の子・留利絵。

それぞれの視点から物語が描かれ、静かに進んでいきます。

切り絵作家・青山日菜さんの作品が思わず浮かんでくるような、繊細なお話です。

ちょっとでもバランスを崩すと、一気に全てが崩れ落ちる危うさを感じました。

呼吸だって気安くしてはいけない、そんな緊張感があります。

けれど、その危ういバランスが言葉にならない均衡を美しさを生み出しているのです。



同じ空間にいても、見えるものは違うし、感じ方も違う。
当たり前かもしれないけれど、やっぱり不思議です。

容姿に恵まれている蘭花は友人の外見にあまり関心を抱かないけれど、
自身の容姿にコンプレックスを持つ留利絵から見た世界は、
他人の外見が克明に描かれていました。

彼女達の視点で、彼女達の世界を感じられたのがとても新鮮でした。

きっと私のいる世界も、「私ではない人」から見たら
全く違う世界なんだろうなあ。
最後に流れる歌を聴いて、大人のミュージカル映画と呼ばれる理由が分かりました。

大人に向けてのメッセージが込められているんですね。

「子どもは見ている、聞いている、大人のことを」

そんな意図の歌詞が頭に残りました。


Into the woodsでは、空がずっと曇りだった気がします。
不穏な空気が空をずっと覆っている感じ。


シンデレラの王子様が大胆というか、びっくりしました。

タールを階段に塗って、お城から逃げるシンデレラを足止めするなんて、紳士らしからぬ行為でびっくり。

虫取じゃないんだから(^-^;

そして、パン屋の奥さんに手を出すという、御伽話の王子様像を崩してさらにびっくり。

王子がシンデレラに言った「権力者は誠実さよりも魅力が大事」という言葉は、権力そのものの言葉に感じられて、複雑な気持ちになりました。

確かに、信念といった精神的なものより、視覚的情報のほうが情報の受け手である民衆には分かり易いとは思いますが^^;

民衆は、権力者の言葉の内にあるものを見極める能力が必要なんだろうな。


ラプンツェルの場面は、私のなかのイメージにぴったりでした。

子どものころに、ラプンツェルのお話を初めて読んだとき、ほの暗い怖さを感じたので。

髪の毛で人間を持ち上げるなんて、頭皮大丈夫なのかなとか、王子の目がつぶれるなんて、こわいとか。


巨人の奥さんが気の毒でした。

また、巨人の奥さんを殺すことに躊躇する赤ずきんが良かったです。


ブラックコーヒーのような苦味のあるお話です。

でも、音楽が魅力的で好きです。

歌声が重なりあっていく響きに痺れます!

言葉遊びと音遊びを詰め込んだ音楽が素敵でした。

Into the Woods/Walt Disney Records

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イントゥ・ザ・ウッズ オリジナル・サウンドトラック -デラックス・エディション- (CD2枚組)/WALT DISNEY RECORDS

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どっちを買うかいまだに悩んでいます・・・。
近況報告のお手紙をもらったようなほっこりとしたお話でした。

前作では、神妙な表情の多かったエルサが茶目っ気たっぷりで笑っていたり、自転車に二人のりして階段をおりていたりと、本編とは違う表情が印象的でした。

本編では叶わなかった夢を叶えられて良かったねと言いたくなるくらい。

そして、アナはいい妹だなあとほっこり。

クリストフとエルサの会話も新鮮で、面白かったです。

ハンスも少し出てきて、なんとなく安心したり(笑)

今回は出てこないのかと思っていたのでf(^^;

ちらっとだけど、出ていて良かったです。

子どもさんたちの合唱も可愛くて和みます^^

軽やかな明るい音楽も、聴いていてわくわくしました。

それにしても、くしゃみしながら歌うのは難しそう^^;

5分くらいの歌にストーリーがぎゅっと詰まっていて、まさにミュージカルでした!

お気に入りの場面は、エルサが誕生日ケーキの上に氷の像を作る場面。

自分で自分をパロディーにしているところに、制作者の遊び心が感じられて好きです^^