開戦と同時に第25軍の主力、第5師団はタイ領シンゴラに上陸、マレー半島を斜断して国境を越えてジットラへ向かった。 英印軍はあらかじめ、ここに強力な防衛線、ジットラ・ラインを敷き、激しく抵抗したが、第5師団は72時間の猛攻撃のすえ、、これを突破、マラッカ海峡の町、アロースターを占領した。「F機関」の藤原機関長、ILLのプリタム・シンの一行も12月13日にはアロースターに到着、ただちに対インド人工作を開始した。

この地で「F機関」はILLとの共同工作で、英印軍の一個大隊の武装解除に成功した。英印軍は英国人の大隊長を除けば全員がインド将兵だった。投降してきたインド兵捕虜は、アロースター市内の警察署に収容されたが、これを手際よく指揮したのが、のちにINA軍司令官となったモハン・シン大尉であった。投降兵は500人を越す勢いでILLと「F機関」の最初の投降勧告は見事に成功した。