(住)馬来、シンガポール他の占領地における一般日本人の生活は、戦前の統治国の英国人の生活を真似てか贅沢を極め、一人に一軒の豪邸をあてがわれ、アマ(女中)、コック、ボーイ、雑役夫、運転手など多数を雇い入れ、中には特別な関係の女性まで置いて豪奢な生活までしていた者もあったという。しかし、わが社は建設途上にあるという自覺を持って、各個人の私生活は極力簡素にするよう心がけた。ジョホール本社は、工場建設事務所と社員宿舎との兼用だったので、比較的広い家屋を必要とした。幸いサルタンの侍従長官だった人の邸宅を譲り受けることができた。しかし、日本人社員25人が宿泊していたので手狭に感じられた。

(物価上昇状況)

           戦前   昭和18年  昭和19年  昭和20年  終戦時

米   1キロ   15銭    5円      40円     160円    250円

芋   同     5銭    80銭      3円     10円    50円

野菜  同    15銭   1円50銭   8円     30円    180円 

肉   同     30銭   3円      15円    80円    300円
卵   1個    2銭    15銭     50銭    10円     50円 

バナナ 10本  5銭    60銭      3円     20円     50円

タバコ 20本   6銭    90銭     4円     50円    200円

背広        5円    40円    150円    900円   5000円

靴          2円    20円     50円    400円   2000円