有希子さんと一度も握手をしたことの無い私ですが、唯一、たった一人だけ握手をしたことのある女性アイドル歌手がいます。



それは、有希子さんも憧れた河合奈保子さんです。








あれは85年の夏でした。



新曲のキャンペーン&握手会で札幌へ河合奈保子さんがやってくるという情報があり、有希子さんが大好きだった奈保子さんとは一体どんな人なんだろう、という気持ちで行ってみることにしました。



たしか、札幌駅前のSOGOデパートの屋上特設ステージが会場でした。



奈保子さんは当時「デビュー」という新曲のキャンペーン中でした。






B面はルパン三世の映画の主題歌で、奈保子さんは両曲とも歌ってくれました。



初めてみた奈保子さんは、有希子さんの時と同じように、思っていた以上に小柄に感じました。



ただ、有希子さんの時と違ったのは、奈保子さんにはオーラというか何というか、独特の輝きと「迫力」が感じられました。



さすが有希子さんが憧れた奈保子さん、と納得してしまいました。




会場では歌の他に、司会の方と奈保子さんとのトークもあって、明るくハキハキおしゃべりする奈保子さんが印象的でした。



「ナハハ~!」と大笑いする奈保子さん。観ているこちらも笑顔になっていました。



おしゃべりが終わり、いよいよ握手会となりました。



ユッコ一筋の私でしたが、初めて女性アイドルと握手が出来るとあって、ちょっとドキドキしていました。



いよいよ、ステージに上がりテーブル越しに奈保子さんの前に立つと、奈保子さんは私の右手を両手で包み込むように握ってくれました。



私は、(あっ…なんて、やわらかい手なんだろう…)と感動して、握られた手をじっと見ていたら、奈保子さんが私をのぞき込むようにして一言、



「応援してくださいね!」ニコッ、と微笑んでくれました。



(あぁぁ・・・これが奈保子スマイルかぁ・・・。まずい!この感覚、ユッコに出逢った時と同じだ。)と感じてしまいました。



奈保子スマイルに癒されてうれしかったのと、ユッコに対してなんだかちょっと「浮気」をしてしまったような罪悪感をいだいて家へ帰りました。




私がアイドルと握手をしたのは、これが最初で最後となりました。