コンクリート・ユートピア | Pessimistic Optimist

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徒然の想いと出来事

一昨日になりますが今年初めて映画館に足を延ばしていました。

 

今年の劇場鑑賞映画1本目は、公開されたところの韓国作品で、「コンクリート・ユートピア」というタイトルの映画でした。

 

予告編を観た時から少し気になっていた作品で、所謂ディザスタームービーに属する内容ながらも、主演のイ・ビョンホンが、当初英雄だったものが、サイコな支配者に変わる姿を中心にした、おどろおどろしい内容に観える部分に興味を惹かれました(^-^;

 

実際に鑑賞してみると、予告で得た感覚とは随分異なっていて、しっかりとした、重厚でリアルな人間ドラマでした!!

 

韓国映画のパニック物は「感染半島」等の作品でも顕著ですが、今作も大地震か地底爆発か詳細説明もなく、いきなり地面が隆起して、舞台となる高層アパートが立ち並ぶ団地が壊滅し、国自体も崩壊した様で僅かな生存者だけになるという、徹底した設定の潔さに、ある種好感がもてます(;^ω^)

 

実際には、本当に役に立たない国・政府が、映画の中だけでは、カッコイイ総理大臣等が登場し、活躍するといった忖度パニック映画しか作れない邦画に比べると、もう随分前から、この分野でも韓国映画の方が、レベルが高いと思える作品が多いです。

 

それはさておき、今作では、巨大団地も完全崩壊したにも関わらず何故か1棟だけが無事なまま残ります。

 

その棟の住人達も当初は周りの壊滅したアパートの生き残りを迎え入れ一緒に生活をしようとしますが、当然食料は不足してきて自分達の存続も危ぶまれる・・・結局住人による投票で、住人以外の人間は追い出す事に・・・設定は冬で寒い韓国では最低気温が-26℃といった状況下で追い出す事は、多くの人にとっては、凍死を筆頭に死を意味するもの・・・

 

それらをリーダーシップをもって断行する、住民代表として選ばれた主人公、イ・ビョンホンでしたが、果たしてその正体は?というサスペン・ススリラーな部分と、それぞれが普通の家族でありながら、生き延びる為の方策を実行すればする程に、隣人関係も含め、絆や温もりが崩れていく様を丁寧に描いています。

 

予告編を観ていたのは当然去年でしたが、公開されたのが1月5日で、まさか現在の環境は、一般人の誰もが予測し得なかったでしょうから、正しく間が悪すぎる時期の公開になった今作です。

 

能登半島地震の影響はモロで、シネコンでも一番小さな箱で上映観客も私以外に4人位でした。当然ヒットもしないでしょうし、早々に上映打ち切りになる公算大ですから、こんな時期に観に行くべき映画ではないかもしれませんが、普通に観に行きました。

 

個人的には、韓国映画の総合的なレベルの高さからすると、やや不満も残るグレイドでしたが見応え充分な良作とも思いました。

密かには、お薦めしたいと思います(笑)