ツリー・オブ・ライフ

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映画 「ツリー・オブ・ライフ」 平成23年7月12日公開  ★★★☆☆



読んで♪観て♪

1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、

テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。

一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、

逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。

一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……。

                                (シネマ・トゥデイ)


ブラピとショーン・ペンが親子(しかもブラピが父親のほう!)と

カンヌを制したという前評判で、

平日の昼間にもかかわらず、映画館は空席なし(!)でした。」


今までずいぶん映画を見てきましたが、

これほど思ってたのと違う映画は初めてかも。



「わたしが大地を据えたとき おまえはどこにいたのか」

「そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い 神の子らは皆、喜びの声をあげた」


旧約聖書ヨブ記の引用は珍しいことでもなく・・・

と思っていたら、キュルキュルと時間が遡って、

なんと宇宙の創世まで戻ってしまい、この炎は星の爆発?

それはちょっと戻りすぎでしょ?と思っているうちに睡魔に襲われ、

次に目が覚めた時はトリケラトプスの子どもが走ってたかな?

そして次に目覚めた時は、

いきなりミクロの映像で、細胞分裂?

おっと、これは子宮の中の胎児でしょうか?


隣で観ていた夫によれば、私はけっこう長いこと寝ていたそうで

よって、偉そうにブログなんて書けないのですが、

無理やり反論すると、

「私は寝ていたのではなく、瞑想していたのです」と。

・・・・・嘘ですが。


埋め草に映画とは関係ない経験談を書きますが、

(ここは読み飛ばして下さい)

上の娘を出産する時、ちょっとトラブってしまい、緊急手術となり

初めての「全身麻酔」を経験しました。

看護婦さんからは「お花畑がみえますよ~」といわれてたのですが、

一瞬で意識が、地球をこえて太陽系をこえて銀河までトリップし

こんどは逆に超高速でズームアップして、ミクロの細胞レベルまで。

そしてその細胞の中の核のなかにまた別の宇宙があって・・・(以下くりかえし)

みたいなそのころのCG技術では対応しきれないような

迫力映像を脳内体験してしまいました。


寝てたから偉そうなことは言えないんですが、

出産時の私の脳内に流れた映像のほうが迫力あったなぁ・・・

当時私は「ガイアシンフォニー」にハマっていたから

どうせ自分のオリジナルであるはずもなく、どっかのパクリなんでしょうが、

この映画の一連のイメージ映像だって、

どこかの資料映像を借りてきたような・・・

オリジナルだとしても、たいしたことないような。


ただ、今の今まで、過去の出産時の幻覚のことなんて思い出さなかったし、

この映画のとてつもなく退屈な心象風景をみせる事で

観客それぞれの潜在意識を目覚めさせるなら、

それはそれで立派なことだと思います。


ちなみにすぐそばにもの凄いイビキのオジサンがいましたが、

彼もまた、無我の境地で瞑想していたのかもしれません。

スゴイ!


ということにしておきましょう。


さて、旧約聖書は難しいから、スルーしたいのですが、

「神の恩寵に生きるか」

「世俗に生きるか」

二者択一だという母によるナレーションがながれます。

ジャックの両親は信心深く決して快楽的ではないのですが、

自分の欲を叶えるためには

他人を従わせ、利己的な父親をどうしても好きになれないジャック。


一方の母親は、あふれる愛情で兄弟たちに接してくれました。

「助け合うのよ、愛をもって」


厳格な父と優しい母。

はた目には理想的に観られる家庭も

ジャックにとっては矛盾だらけで、

特に大嫌いな父に嫌いという事も出来ず、

弟のように上手に甘える事も出来ず、

納得いかないまま従っている自分も母も嫌で、

いつも孤独を感じていました。


今はここまで両親の「役割分担」できている家庭は珍しいでしょうが、

少し前の日本だったらごく平均的な家庭だったと思います。

私の育った家も父が厳しく、しかも私は長子だったので、

ジャックの気持ちよくわかるな~


父はホントは音楽家になりたかったけどあきらめた。

とか

お前は強く育って事業を起こせ

とか

ほんとに余計なお世話だから。


しかも、

工場閉鎖で職を失いかけた父は

自分の弱さをカムアウトして、

厳しく育てすぎた事を息子に許しを請うのです。


これ、「和解」ではないと思います。

ジャックはこんな父をみたくはなかったと思う。

「あんたにはがっかりだよ」って心境だったと思いますよ。


また、明らかに父に可愛がられている弟の存在も。

弟は好きだから守ってやりたいと思う自分もいて

これが複雑です。

ジャックの子役の子、上手でしたね。

ショーン・ペンの面影ともつながって・・・

でも、ブラピには全然似ていなくて、

逆に弟たちはブラピそっくりでした。

「僕はほんとうに父さんのこどもなの?」

ってせりふはありませんでしたが、

この顔立ちだったら疑っても当然だと思います。


音楽は比較的抑え目で、予告編のモルダウばかりが目立ってますが、

選曲や挿入する場所がなんか納得いきません。

台詞のなかにはブラームスが出てきましたが、

私のわかる範囲でも、バッハ・モーツァルト・

それにレスピーギやクープランもかかってましたね。

とくに「シチリアーナ」が印象に残りました。


プラピとショーン・ペン目当てで観に行くという人には

けっしてオススメできませんが、

かといって、辛口な事をいう勇気もない。

寝ちゃったという後ろめたさもあるし・・・

★のつけにくい作品です。


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