【環境的要因】

■子供の頃に大人からあまり
関心を持たれなかった子供

《傾向》
物事を大袈裟にする傾向がある。

《具体例》
小さな事でも大袈裟に泣き叫んだり、

暴れたりしないと、
かまって貰えなかったからです。

子供は、まだ、
自分に問題解決をする力がない。

その為、大人に頼るしかない。

大人に関心を持たれないと言う事は、
子供にとって、とても恐ろしいこと。

だから、大人に気づかれるまで
大袈裟にするしかない。

そのように育って大人になると、

『俺は疲れているんだ』
『俺は苦しいんだ』
『俺は辛いんだ』

と身近な人に訴えるようになる。

自分の辛さを訴えると言う事は、
俺は自分の問題を解決する事が
出来ない。
だから
『お前がなんとかしてくれ』
と叫んでいるだけなのと、
同じ事です。

『苦しい自分を助けて欲しい』

とお願いしているのです。

■心に余裕がない親によって
 育てられた子供

《傾向》
自分の気持ちを理解されないと
常に閉塞感に苛まれる傾向

《具体例》
心に余裕がない親によって

『子供が言う事を聞かない』

と嘆く。

一方
『子供は子供で大変なんだろうな』

と思える余裕のある人は、
子供の気持ちを理解する為の
アプローチをする事が出来る。

もしも、自分の周りに
『誰も自分の気持ちを分かって
 くれない』

と言う人がいたら、その人は、

『あなたの話を聞いてくれない』

と思った方がいい。

『誰も分かってくれない』

と言うのは、

『私はあなたの話を聞く気が
 ありません。
 あなたが私の話を聞くべきですよ』

と言っているのと同じだから。

他人の気を引くために、

『疲れている』
『辛い』
『苦しい』

等と騒いでばかりになる。


■周りの大人が困難を乗り越える姿を
 見せて来なくて育てられた子供

《傾向》
自分の力を過小評価する傾向

《具体例》
『自分には、出来ない』
と思っているから周りに頼るのです。

しかし、大人になれば、
子供の頃と違い、
問題を解決出来る力がある。

しかし、そんな自分の力に
気づいていないから、

周りになんとかして貰おうと
思ってしまうのです。

恐らく周りの大人も、
問題が発生すると、

『辛い』
『苦しい』

と騒いでいたと思われます。

そのような余裕のない大人に
囲まれていると、
子供は自分の話を聞いて貰えません。

だから、関心を引くために、
表現が大袈裟になってしまう。

大人が困難を乗り越える所を見なければ
子供の中に

『自分で問題を解決出来るんだ』

と言う気持ちが生まれてきません。

だから、小さい時から、自分の力で
困難を乗り越えると言う体験が
出来ないまま大人になって
しまいます。



■そのような大人達によって…子供は

《傾向》
自分の気持ちを分かって欲しい。
と言う思いで、
心が埋め尽くされているので、
相手を思いやる心理的なゆとりが
無くなる。


《対策》自己理解への道

心が弱っている時に

『辛い』
『苦しい』

気持ちを言葉にしたくなる
気持ちはよく分かります。

辛い気持ちを分かって貰えるだけで、
心が楽になることがある。

だから、弱音を吐く事が悪いと
言う訳ではありません。

しかし、そう言う人に限って

『疲れている』
『辛い』
『苦しい』

といった訴える相手を間違えてしまう。

『自分のこの辛い気持ちを
 分かってくれ』 

と訴えている相手も苦しんでいる
事がある。

だから、その人にいくら、
苦しいと訴えても、理解される事
はない。

何故なら相手も

『自分の気持ちを理解されたい』

と言う思いでいっぱいなので、
悩んでいる人の話を聞く心理的な
余裕がないから。

大切なのは、疲れたり、辛かったり、
苦しかったりするのは、

『自分だけではない』

と知ること。

そうすれば、自分の辛さをどれだけ
訴えても、優しい言葉、ねぎらいの

言葉がかえってこない時に、
絶望感を抱く事がないから。

どんな問題でも、
最初は他力だったとしても、

最後は、自分の意思で前に進む事が
出来る。

と言う事が分かれば自分に自信を持てる
ようになる。

障害が現れた時に、
それを乗り越える為に、

コツコツと努力していく事で、
自分には、力があるんだとだんだんと
気づけるようになる。

大切なのは、問題が発生した時に、
その場で立ち止まらないこと。

『自分は辛いんだ。助けてくれ』

と立ち止まって叫んでも、
誰も助けてはくれない。

そうすると、自分に対しての無力感、
期待に応えてくれない他人に対しての
憎しみや恨みを持つようになる。

どれだけ苦しいと訴えても、周りから、
期待するような反応が還ってきません。

そのような人は傷つき、怒りが増して
いくのです。

人は誰も自分の事を助けてくれないと
わかった時に、自分の為に行動を
起こせるようになる。

『誰も自分の事を助けてくれない』

と言うのは、絶望的ではない。

自分の事を助けられるのは、自分だけ。

と言うのを知る事で自分の事を
大切にしようと思えるから。

自己否定したり、自分の事を苛めるのは、

『誰かが自分の事を助けてくれると
 思っているから。』

でもそんな事はない。

だから、もっと自分の事を大事にして
欲しいと思います。

自分を知る事で

『自分の事を大切にしよう』

と思えるから。

まずは、自己理解を深め、自分自身の
現在の状況について考える。

欺瞞、瞞着、ごまかさず、
ありのままの自分を受け入れる為に…

今正に苦しんでいる人が一歩でも
前に進めるように心より願って
おります。