先日、トーハクの「名作誕生」という日本美術の展示に行ってきました。



前期展示の開催中でしたが(前期は昨日5/6まで)


普賢菩薩ゾーンに、こんな経典が。


滋賀県・百済寺 所蔵


「おおお、観音さま、ビーム出てるやん」

と、ケースにかぶりつきで見ていると、どこかから話しかけてくる声。

ん?と顔を上げると、横にいた人が、何やら話しているんですね。

え?もしかして、わたしに話してる?

と、声のほうに顔を向けると、









パパ!




バカボンのパパ、一年ぶりに登場です!


昨春、徳島のかずら橋でもパパにあってるんですよね、記事に書いてませんが。

パパは、わたしに示唆を与えるべきことがある時に現れます。

おそらく神仏(あるいは後ろの人?)が手っ取り早く何かを教えるときに、そのへんにいるおっさんを利用しているように感じてます。笑



パパ(赤いTシャツを着て、野球帽をかぶり、扇子を持っている)は言いました。

「お釈迦さまは毛穴から光が出てんのよ」

「は? け、毛穴?」

「毛穴全部から光を発している」

「えっ!ホントですか?」

「毛はすべて青色」

「青!?」

「お経に書いてあるんだよね」

「えー!そうなんですか・・・」

「お釈迦さまの像は金色やろ?あれは光ってるのを表してる」

「なるほどー」

作者は、仏像の身体を金で塗ることで、仏さまが光ってる状態を表現したということね。

パパはさらに言いました。

「眉間のポッチがあるやろ」

「はい」

「あれは何かというと、毛のかたまり。ププ」

「あ、それは聞いたことあります!」

んで、わたしが知りたいのは、なんで普賢菩薩さまからビームが出てるかということなんだけど?

「で、この眉間から出てるビーム・・・あれ?」

パパはすでにいなくなってました。



お釈迦さまの毛穴から光が出ている。

マジ?

初耳だけど、一般に広く知られていることなのか?

わたしは昔から、お寺や仏像を文化財として好きなだけで、仏教には詳しくありません。

帰宅してから調べてみました。

「お釈迦さま 毛穴 光」で検索すると、

三十二相八十種好

というのが出てきました。

三十二相八十種好 - Wikipedia

お釈迦さまの見てすぐ分かる特徴が32種類あって、さらに見えない部分まで含めた80種類の特徴があるんだそうな。

そうなんや、知らなかったわ。f^_^;

で、三十二相を順番に見ていくと、

12番目に、

毛上向相(もうじょうこうそう)

体のすべての毛の先端がすべて上になびき、右に巻いて、しかも紺青色を呈し柔軟である。


ほんまや、青色なんや。


次、13番目。

一一孔一毛生相(いちいちくいちもうしょうそう)

身体の毛穴にはすべて一毛を生じ、その毛孔から微妙の香気を出し、毛の色は青瑠璃色である。


あれ?

毛穴から出てるのは、光でなくて、香り???

パパ、話がちゃうやん。(-"-;A


さらに、14番目。

金色相(こんじきそう)

身体手足すべて黄金色に輝いている。


おおおおお、これか!

でも、毛穴から光を放ってるとは書いてないよなぁ。

ま、いっか。笑


ずーっと順番に見ていくと、

最後の32番目。

白毫相(びゃくごうそう)

眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。伸びると一丈五尺ある。



おおおおおお!これがビームの正体かっ!


で、なんのために光明を放つの?

という答えを探すべく、八十種好のほうを読んでみると、

65番目に、

四辺光長一丈

身体から放たれる光は長さが一丈ある。


66番目に、

光照身而行

光は身を照らして遠くに届く。


とあります。これかぁ?

一丈=10尺、つまり約3メートル。

あれ?



うーん、このビームは3メートルなのか?

ま、いいや。


そーそー。

素晴らしいなぁ、と思ったのは、

25番目の、

一切衆生見之而楽

誰でもお会いすれば楽しくなる。


なんと!お釈迦さまを見るだけで楽しくなるんだ!

お釈迦さまって、いろんな意味でスゴイ。^^


そんなこんなで、お釈迦さまの身体が金色なのは、そういう特徴を持っていた、ということを初めて知りました!

というお話でした。

チャンチャン♪



特別展『名作誕生-つながる日本美術』(東京国立博物館で開催中)
展示替えをして、明日8日から後期開催です。