愛は大きな力だとか世界を変えるというセリフがあります。昔の私は愛がなぜそんなに愛が大事なのかよく分かっていませんでした。むしろ人間を弱くする根源だとまで思っていました。人はどうにでも変われるものですね。
◇本当の愛
愛は大事だと言われる割に何がどう大事なのか語られていないように感じます。もっとも、愛とは感じるものであり湧き上がって来るものですから、そこに理由などいらないと言うのもわかります。ただ本質を知っておくのは大切かなとも思うわけです。
まずは、ここでいう愛が何かをハッキリさせる必要があります。ここで出てくる愛とは男女の異性間での好きではありません。相手のことを心から思ってその人が幸せでありますように、と思う気持ちを愛と言います。これは自然に溢れてくるものです。
◇愛の力
そんな愛とは何か。愛というのは自分の存在を自覚するために必要なものだと考えています。厳密に言うと、愛を貰うということは自分の存在の自覚に欠かせないわけです。そして、愛を与えることは相手の存在を認めることです。それが愛の本質ではないかと思います。
人間は他者がいないと自分という存在を認識できません。そして、世界は他者で溢れているので「自分がいる」ということは何となく分かっています。しかし、ここからが問題で、では「自分の生きている意味は?」とか「自分には存在している価値があるのだろうか?」という疑問が出て来るわけです。そんな中で愛を与えて貰えるかどうかがその先の運命を変えるわけです。
愛を貰うと、「ここにいていいんだ!」「私には生きる価値がある!」となるわけです。私はこれを存在を自覚する瞬間だと思っています。自分の存在を認識していても存在を自覚(生まれてきて良かったという気持ち)できていなければ、その先に進めなくなるのです。その先とは、「自分は何がしたいのか?」とか「なぜ生まれてきたのか?」ということです。
では逆に愛を貰えない場合どうなるのか?その時には、自分の存在する意味や価値を見出せなくなります。自分は生きる価値がないとか最悪の場合、自分は悪だと解釈します。要するにエネルギーの低い重い人間になってしまうわけです。
◇愛なしでは始まらない
人間には愛を貰うことも与えることも両方必要です。少なくとも愛を貰えなければ何も始まりません。自分は何なのかわからないまま一生を過ごすことになります。人間としての進化ができないというわけです。
そして、愛を与えることもまた重要です。まず、愛を与えるということは相手の存在の認知を意味します。あなたはそこにいていい、いてくれてありがとう、ということです。このような認知が人間同士で広がることによって進化していくことができます。そして、愛を与えるということは他者と繋がるという意味も持ちます。要するに思いやりですね。この相手を思いやる、繋がろうとする行為には自分と他者の境界を無くすという裏の意味があります。これは物質世界からの抜け出す入口なのだと感じます。相手の肉体ではなく、相手の内側(魂)に目を向けてそれを思う。愛はこういうところへ繋がっていくのです。
【KAITON’S コラム記事】
KAITON (フリーライター)
高校で人生最大の絶望を経験。それをきっかけに視野が広がり始める。世界を知る中で現代社会の限界に気づき、精神世界に人生の本質を感じる。
コラム発信への想いは、こちらにて紹介しています。
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