We kept waiting for our guide and Ayama san. It took about thirty minutes for meeting with them. Now we would go hiking to Eiger trail. We arrived at the climbing entrance to Eiger in one hour.

 ガイド氏とA山さんと無事再会したので、今回のハイライトであるアイガートレイルに挑戦?です。駅舎脇に「アイガートレイル」と云う看板を確認してスタートします。真横にはいつもワイルドな岩肌が迫りくるアイガー北壁直下のコースです。難所で知られるアイガー北壁に挑んだ登山家たちの歴史を随所に感じることが出来るはずです。

 アイガー北壁が迫るクライネシャイデック駅前は人気の展望テラスレストランがあります。裏手の丘にはアイガーを愛した作家、新田次郎の記念碑もあるので、時間があれば訪ずれるのも一興でしょう。

 新田次郎は気象庁の職員として富士山測候所等に勤務したこともあり、「強力伝」等、山岳小説を多く書いています。1980年に鬼籍に入っていますが、小生的には彼の小説としては「武田信玄」が好きでした。享年68歳です。

 歩き初めは、岩場やガレ地に作られた細い道を一列に進みます。やがて標高が低くなってくると、徐々に緑の草原へ変わります。途中、グリンデルワルトの村を見下ろす開けた道を歩いて行くと、山から清冽な水が流れ落ちる美しい沢や滝がいくつも見かけることが出来ます。

 1時間ほどでアイガー登山口に到着です。なだらかな草原の向こうにアイガー北壁が立ちはだかります。その手前に登頂ルートの案内プレートがあります。女性登山家に今井道子さんが登ったルート等も刻まれています。

 日本人とアイガーの関りと云う意味では、先にも書いたかも知れませんが、槇有恒が有名です。小生もグリンデルワルトにやって来るまで彼の事績は知りませんでした。しかし、彼は、グリンデルワルトに様々な足跡を残している様です。

 1921年、27歳でアイガー東山稜を初登攀し「世界のマキ」と称された槇有恒は、現在でもグリンデルワルトに愛されている日本人登山家なのです。日本登山界に広く貢献し、62歳になって8000m峰のマナスル初登頂にも導いた、日本登山界のレジェンドです。

 一方の今井 通子さんは、東京都出身の医師・登山家で、女性初のアルプス三大北壁登攀に成功しています。1968815日、今井さん達は現在も最短直登とされるルートでアイガー北壁登頂に成功しています。このルートが案内プレートに印されているのです。

 今井さんは194221日生まれで医師となる一方、幼い頃から親に連れられ親しんできた登山を続けてきました。1971年にグランドジョラス北壁登頂に成功。女性として世界初の欧州三大北壁完登者となり、その後もチョー・オユー、キリマンジャロなど世界の高峰を制覇しています。先ごろ亡くなった田部井淳子さんと並んで、日本人女性登山家のパイオニア的存在です。

 途中、山肌に人気クライマーの手形プレートがありました。大きな掌です。