商標法の改正(その2)

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 今回の商標法改正の要点は大きく2つでした。

 (1)保護される商標の範囲を広げる内容と、(2)地域ブランドの保護手段である地域団体商標の権利者になれる範囲(組織)を広げる内容です。

 今回は、後者について。 

 そもそも、この話の前提となる「地域団体商標とは何だ?」という基礎知識については、商標が絶対的な権利として登録されるための判断基準から考えます。

  商標はブランドの基礎だから、そもそも他と区別される目印としての役割、すなわち商標の基本的機能である「識別力」が備わっているかが最重要。
 この「識別力がない」商標は商標登録される意味もないし、本来、誰もが使用できるべきもの。特定個人の独占に適さないという意味で「独占適応性がない」ものです。

 

 地域団体商標とは、基本的に「地域名」と「商品・役務の普通名称」の結合からなる地域ブランドです。
 例えば福島県だったら、「土湯温泉」「南郷トマト」「会津みそ」「大堀相馬焼」。
 
 私も食べたことがありますが、南郷トマトは、モスバーガーに使用され、地域ブランドを前面に出したモスバーガーが販売されることがあります。

 これらの「地域名」や「普通名称」は、そもそも「識別力」と「独占適応性」の観点から商標登録されず、その組合せも同様です。
 しかし、地域ブランドの保護強化として、ある程度有名になって保護されるべき価値を得た商標は所定の要件のもと、上記のような地域団体商標として保護されることがあります。

 

 地域団体商標として出願手続をして権利者となれるのは、これまで事業協同組合や農協・漁協など一部の組合に限られていましたが、今回の改正で、商工会・商工会議所・特定非営利活動法人(NPO)も加わりました。

 

 前回(その1)で説明した音響商標等の新しいタイプの商標に関する改正の施行は、改正法公布日(本年5月14日)から1年内でこれから政令で決定されるため、現在はまだ未施行ですが、この地域団体商標の主体に関する改正は8月1日から既に施行されています。

 将来的に地域ブランドを地域団体商標として保護するためにはどうすべきですか?と聞かれることもありますが、法律は「主体・客体・時期・手続」が基本なので、地域ブランドの構築に向けた効率的なマーケティング等の取り組みと同時に、その主体となる組織を如何にすべきかを考え、時機を逸さず適切な時期に出願手続をすることを、バランス良く考えるべきだと思います。

 

 私としては、必要に応じてNPO等の設立手続からマーケティング展開などを含め、地域ブランドの確立に積極的に協力をしていきたいと考えています。