極楽寺 阿弥陀如来立像の修復完了 | ◆彫刻家◇吉水快聞のオフィシャルブログ

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こんにちは。なかなか梅雨入りしないなぁ・・とおもっておりましたが、ようやく梅雨入りし、湿気たっぷりの潤った空気になりましたね。カエル

 

さて、ご報告が遅くなったのですが、先日、奈良県田原本 極楽寺の御本尊の修復が完了して、お返しに上り、開眼法要が行われました。

 

 

 

 

 

今回、本堂の改築に伴いお預かりしたのですが、新しい本堂にお戻りになられた姿に、ご住職、奥様はじめとても喜んでいただき、私自身も有難い気持ちでいっぱいです。

 

因みに本像は従来の調査では像の制作年代は鎌倉中期とされています。しかし今回の修復で発見した台座裏の銘記には元禄10年の年号がありました。素直に銘記を解釈すると元禄の作になりますが、この銘記からこの時にすべて新造したのか、像は修復して台座光背のみを新造したのかははっきりしません。

巧匠堂としては、像自体は快慶の様式を比較的濃く踏襲している点、また像には後世の修復の形跡がみられる点、加えて台座光背と像の時代感の違いから、台座光背は元禄、像自体は鎌倉中期~末頃の作とみて良いのではないかと考えています。

 

この度、仏縁ございましたことに感謝。