38年も前の事ですが、英語のからきしダメな記者が、アメリカ国務省の招待でアメリカの教育事情視察に招かれて1カ月半の旅をしたことは、直前のブロで書きました。その時、今も耳に残っている英語があるのです。「フラグメンテーション」(砕け散る)です。南部のある中学校の女性校長が、叫ぶように使ったのでした。

 

 女性校長は言いました。「我が校の生徒の半数は、親が離婚経験のある家庭に育っているのです」と。その中には、英語で何と言ったか忘れましたが、離婚した親同士が子連れで結婚しているケースも少なくないとか。いずれにしろ、こうした事情は子ども達に複雑な影を落とします。「何よりも」と校長は力を込めました。「親の離婚で子ども達の足元は砕け散るのです」。国務省派遣の通訳を待たずとも「フラグメンテーション」はわが心に響きました。

 

 今話題の女優Aの不倫騒ぎは、関係者を巻き込んで泥沼化の状況です。愛の行方には様々あろうと思うので良し悪しは言いませんが、関係者の話や記者会見などを見ていて不満なのは、子ども達への配慮があまり見られないことです。可哀そうに、彼や彼女の子ども達の足元は砕け散り、大変なショックを受けているでしょう。愛の行方とは別に、親の責任も考えざるをえません。