アメリカ合衆国の教育の危機を訴える連邦報告書「危機に立つ国家(Nation Atlisk)が発表されたのは1983年でした。当時、日本はジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた高度経済成長の真っただ中。アメリカ国務省から日本の教育記者にアメリカの現状を見て欲しい、と招待がきたのは1985年でした。

 

 その時、日本のアメリカ大使館広報セクションの説明によると、教育のリーディングペイパー、政府系新聞、ワイヤープレス(通信社)の3社から各1人を招待するということで、教育の代表紙として毎日新聞に白羽の矢を立てたのでした。当時、私は会計検査院担当でしたが、全国教育取材班のデスクをやったこともあり、出張の社命が出たのでした。

 

 出発の時、アメリカの航空機で来てほしい、というアメリカ側の要請でしたが、出張3人組は「スチュワーデスが日本語を知らない」との理由でJALで乗り込んだのでした。イヤハヤ視察団ですが、米国では国務省の日系通訳が付いて約1カ月半の向こう持ちの旅を楽しく、有意義に過ごしました。帰国して「夢と競争」という連載を5回書きました。「ちょいの間旅行で5回も書くんじゃない」と社会部デスクには叱られましたが、外信部長は「よく書けている」と感心したとか。

 

 その時のことは改めて書きたいと思いますが、私が今強く思っているのは、日本の教育の危機です。前回のブログで書いた子どもたちの日本語離れの危機なのです。一般社団法人日本書字文化協会(書文協)の仕事を手伝うようになって確信になった「日本語の危機」なのです。言葉を失った民族の将来はどうなるでしょう。まさにNation Atlisk  政府の本腰を入れた取り組みを求めます。

 

 書文協では書写書道の基本を身に付けるための書検(全日本書字検定試験)を始めました。書写書道は言葉の学び。これも日本語の危機を救う大きな手立て、と思い私も力を入れて手伝っています。近く、書文協ホームページに公開しますので、是非ご覧ください。