カイカイのえくぼ

カイカイのえくぼ

えくぼのかわいいカイカイは、ママとパパとお兄ちゃん二人のおうちにダウン症をもって生まれてきました。いろいろとチャレンジはあるけれど、彼女のえくぼのおかげで、みんなの笑顔が見られるよ。

カイカイ一家はアメリカ北方のミネソタで暮らしています。

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大変ご無沙汰しています。

ブログの更新方法もあまりに久すぎて忘れてしまっていそうですが、

いろいろとあったこの一年のカイカイの成長を

雑にでも記録しておこうと思います。

 

まずは一番大切なこと。

元気です!

本当に風邪をひくこともなく、

毎日食欲いっぱいに元気に過ごせていることはありがたい。

ちなみにこの食欲の件は最近ちょっと気になり、

食べる量を以前よりも規制するようになりました。

 

さて昨年末に勘づいた自閉症の件。

正式な検診を問い合わせてみると大学病院ではなんと9ヶ月待ち。

それも年齢によって優先順序があるようで、

普段は3歳未満で診断される自閉症のため、

7歳になっていたカイカイは療育への反応も遅いだろうと後回しにされたようです。

別に2軒ほど自閉症を専門にしている機関があって、

その一つで合併のケースも扱っているから、と受付の人が対応してくれたところで

六月初めにアポが取れました。

アポを取った翌週に1時間強の事前問診。

私と話した人が学校でのカイカイを観察に行くとのこと。

また待機機関中に親だけのコンサルティングの機会があって、

言語と摂食について話を聞きましたが何を教えてもらったのか記憶にあまりなく、

当時でもそれほど有益と思える情報は学ばなかったように思います。

唯一耳新しかったのはソーシャル・ストーリー。

本人に習得してほしい習慣をお話しにして伝えるというもの。

例えばトイレだったら、

「カイカイはトイレに行きたくなったので、ママに「トイレ」と伝えました。」

「するとママはトイレに連れて行ってくれました。」

そして、トイレに座って、して、ふいて、水を出して、手を洗って、と続く感じ。

言語の習得レベルに応じて挿絵が付いたり、なかったり。

自閉症のように社交面での学習障害がある子の手助けに使われるようです。

 

診断を待つ間自閉症以外の他の要因を一つずつ消去していきます。

まずは大学病院で問いあわせた際

ダウン症との合併のケースの認識がなかったのか

7歳にもなっているから小児神経科に診てもらうように言われ、

生後12ヶ月時の点頭てんかん治療以来の

脳波検査と脳のMRI検査を4月に実施。

結果は予想どおり全て正常でした。

 

またここ数年間検診の度に言われていた左耳に耳垢が栓になってしまっている件も

歯の検診とX線撮影のために麻酔を使用する際にきれいにとってもらい、

聴力検査をしてもらった結果こちらも正常。

久々に病院巡りをしましたが、

引っ越しのおかげで全て車で20分以内で行きつけることに感謝です。

 

学校側も放課後の療法士さんたちも自閉症の可能性を理解してくれたのですが、

誰もダウン症と自閉症の合併の症例は扱ったことがなく、

センソリー障害を重視して

移動時間に手でブラブラさせるものを与えたり、

言語療法の前にブランコに乗せたり程度の対応。

歯ぎしりがひっきりなしなので、

自宅でも振動するクッションやら噛む用具やら買ってみたのですが、

後者については付随のヒモにぶら下げて遊ぶ方が楽しいらしくまず口に入れない。

 

さて検診当日。

担当チームは臨床心理士、臨床カウンセラー、ケース管理士の3人。

合併のケースを多数見てきているとのことでした。

まずカイカイと二人でチームに会って挨拶の後

臨床カウンセラーがカイカイを別の部屋に連れて行って

「遊んでいる」(能力テストをしている)間、私への問診は続く。

事前に答えた部分があっても60分以上かかり、

それからカイカイが連れ戻されてきて、チームが会合している間二人で待機。

15分くらいしてチームが戻ってきて彼らの診断を聞く。

後日全部書き出してレポートを送るから、の前置きの後

カイカイは自閉症向けのサービスが必要だと。

「ASDがある」という言葉使いではなかったように記憶。

決め手は、と聞いたら、

能力の後退、人よりもブラブラするものに注意を向ける等、

私が独学で調べたことくらいで少々拍子抜け。

一番気になっていた、失われた能力は戻るのかどうか聞いたところ

合併のケースは千差万別で自分たちが想像したように誰も成長しない、

と明言は避けていたけれど、悲観的ではありませんでした。

そして自閉症のある子との接し方の本をくれて終了。

この本、最初の数章しかまだ読んでいませんが、なかなか実践的です。

 

後日送られてきたレポートは20ページに及びました。

自分が答えた内容が多いのですが、

最後の診断のところで

優先事項その一に自閉症、

その二に知的障害(知的発達障害)中等度

その三にダウン症

とあったのが興味最大。

どうやらダウン症よりも知的障害よりも

自閉症への対応をなんとかしてあげないことには

カイカイが前に進むことは難しいようです。

 

 

 

 

あと1週間でカイカイは7歳になります。
お誕生日のお祝いを考えたいところなのですが
ここ数日間で行き着いた「二本目のロープ」の存在を受け入れるのにまだ精一杯です。
この「ロープ」。
1本目がダウン症だとすると2本目は自閉症です。

Kaikai will be turning 7 in a week. I should be busy thinking about the festivities, but I'm preoccupied by trying to accept the existence of a "second rope" in Kaikai's life. If the first rope was Down syndrome, the second rope is ASD (autistic spectrum disorder).

カイカイが11月頭から言語力を始め、総合的に後退しているようなのが気になっていたのですが、
クリスマスの朝
去年は積極的にプレゼントを開けていたのに
まるで忘れてしまったかのように包装紙をなでるだけの彼女をみて退化を確信しました。
グランマたちの農場にクリスマスを祝いに行き帰ってきた翌日
ネットで「Down syndrome」「regression(後退)」と検索したら
ダウン症と自閉症が両方ある場合の記事を発見。
カイカイに当てはまる項目の中に
3歳から7歳の間に能力の後退が見られることが多いとのこと。
あ~やっぱり。
以前から自閉症的な様子はうすうすと気づいていたし、
tamakoさんや働く主婦さんからも二つの共存は聞いていたことなのに、
なぜこんなにショックなのか自分でもよくわかりません。

I've been concerned that Kaikai seemed to be regressing since the beginning of November, not just in her verbal skills but also in general. On Christmas morning, she seemed to have forgotten what present opening was, which she eagerly participated last year, cementing my suspicion. When I Googled "Down syndrome" and "regression", I ran across an article about dual diagnosis of DS and ASD. Among the items that applied to her, in many cases regression in skills are observed between ages 3 and 7.

1冊しかないと思われる共存する場合について書かれたをさっそく注文して
むさぼるように読んだところ、
最初の章に書かれた体験談の息子さんが点頭てんかんを経たとのこと。
あ~やっぱり。
次の親の気持ちについての章には
せっかくダウン症に慣れ親しんで思い描いた未来像の喪失感、
再度直面する未知への不安や
ダウン症しかないお子さんたちとの成長の差が広がる辛さ、
ほかのダウン症のある子の親御さんにわかってもらえない寂しさも書かれてあって、
自分の気持ちを整理するのに役立っています。

たとえば11月に呼んでもらった1歳下のダウン症のある女の子を
カイカイのお誕生会に呼ぶかどうか。
親御さんはコミュニケーションをとりたがってくれているのですが、
彼女が年齢相応に周囲を把握していることに正直圧倒されてしまって...
また日本にいるダウン症のあるお友達。
引き続き帰国ごとに会えるといいな~。
そういえば昨夏エイ兄が
なんでほかのお友達はいろいろと出来るようになっているのに
カイカイはまだなのかと聞いていたっけ。

まだ全ての章を丁寧に読んでいないのですが、
「二本目のロープ」は最終章を執筆した親御さんが使った比喩で
大縄遊びをイメージしながら
せっかく1本のロープを人前で無様な試行錯誤の末にまともに跳べるようになったのに
二本目を加えられまた試行錯誤を強いられる苛立ちを覚えている状態を表していました。

I ordered the only reference book out there on DS-ASD and dove right in. The boy who is discussed in the first chapter went through infantile spasms, just like Kaikai. The second chapter talks about feelings of parents receiving the dual diagnosis, which was extremely helpful in naming my feelings, including the loss of expectations I had built based on her having DS, fear of this new unknown, pain of seeing the gap between your loved one and other kids with only DS widen, and loneliness of not being understood by parents with kids with only DS. I sure hope I can come to peace with myself that we can continue our friendship with other families affected by only DS. The "second rope" metaphor is used by the author of the last chapter, describing the parents' frustration of receiving the second diagnosis, after finally learning how to jump well in a one-rope situation.

とりあえずカイカイの学校の先生にメールしたところ
冬休み中なのに丁寧なメールが返ってきて
私の複雑な胸中を気遣ってくれ、
カイカイが本当にDS-ASD(Down syndrome-Autistic Spectrum Disorder、共存している場合の略称)であれば
カイカイに見合った学習方法の方向性が見えるということもあるから、
また診断がおりたとしてもカイカイがカイカイであることは変わりないのだから、と。
感謝です(涙)。

カイカイはいいお兄ちゃんたちにも恵まれています。
こういうことは常時シェアしているので
お兄ちゃんたちにも即伝えたのですが、
さっそく以前よりも辛抱強く
工夫をこらしながら、コミュニケーションをはかり、
いっしょに遊ぶ努力をしてくれています。

なかなか診断してくれる医療専門家・施設を探すのが大変なようなので
正式な診断を得るまで長そうですが、
さっそく自閉症に関する勉強も始めました。
知識ってありがたいですね。
新たなチャレンジに取り組む一年となりました。
今年もどうぞよろしくお願いします。

I emailed her teacher at school, and despite being during the break, she wrote back immediately affirming my complex feelings and informing me that the dual diagnosis may suggest learning methods for Kaikai that might be more effective and that regardless of diagnosis, Kaikai always remains our sweet Kaikai. It seems like it might be a challenge to identify medical professionals who can examine her for the diagnosis. In the meantime, I'm starting to learn more about ASD. Arming ourselves with as much knowledge as possible, here we go into an unchartered territory in the New Year!
再会した旧友はこのロシア人!
パパと3人、大学院時代をいっしょに過ごした仲良しです。
彼は修士をとったあとロシアに戻り、
一度だけパパと遊びに行ったのが17年前のこと。
ここ数年はアムステルダムに住んでいます。
モスクワでの生活では仕事帰りも遅かったけれど
オランダ生活では家族で過ごす時間もとれてゆとりを感じているそうです。
パナマ帽の趣味も含めてまるで変わっていなかった!

Our long-time friend is Russian, currently living in Amsterdam. The three of us were very close friends in grad school. So happy that he hadn't changed at all, including his taste for hats! We rented a house north of San Francisco near Inverness, where we took turns cooking and emptied many wine bottles by the open fire.

泊まったのはサンフランシスコから北上し、
50分ほど歩けば海に出れる距離にある
二家族が泊まれる家。
代わりばんこに調達した食材で
毎晩4人で調理し、
焚いた火を囲んでワインを何本も空けました。

日中は近場を観光。
初日はポイント・レイェス国立海岸。
この時間は陰っていて
外海は肌寒かった。

Every day, we chose a sight to see. The first day, we drove out to the Point Reyes National Seashore. In the morning, it was grey and chilly.

午後になって日が出たあとは湾内のビーチに行ってみたけれど
寒くて泳ぐというよりは土木工事。
カイカイが浸かれるプールを作るんだと三人掛かりで頑張っていました...

In the afternoon, the sun came out, and we headed to Tomales Bay for some beach time. But, the water was still pretty chilly and the boys focused on civil engineering.

二日目はムール森。
オレゴンのときに遊びにいったレッド・ウッズが強烈で
それほど感動はありませんでしたが、
カイカイが梢を見上げていたのは印象的でした。

The second day, we headed to Muir Woods. I was glad to see that Kaikai was admiring these elder trees.

午後は往く道にみたビーチに寄りました。
外海だったけれど遠浅なのか海水浴しやすく
水温は高くないのですが、
私も2回ほど海水に浸かって波乗りを楽しみました。
奥さんのカチアとは17年前にも会っているのですが
今度初めて会うのは12歳のニキタくん。
とてもエイ兄と一年ちがいとは思えない背の高さに圧倒されますが、
やっぱり12歳。
ソウ兄と土木工事にずっと懲りずに取り組んでいました。
どう見ても巨人と小人...

We stopped on the way back at Stinson Beach, which was quite enjoyable. Even though he is taller than us, our friends' son is still a 12-year-old, who tirelessly excavated along with Jiro.

やっぱり海はいい...

Love...

いっしょに過ごした最終日は
私たちが行ったことがないという理由で
ナパのワイナリーに試飲しにいきました。
ケーブルカーで高台に上った眺望はなかなか。

On our last day together, we went to a winery in Napa Valley for the experience and the view. We parted promising a reunion before another 17 years elapse, hopefully in Amsterdam. Grateful for another memorable vacation...

翌日はアレクセイ一家と
次回はアムステルダムでの再会を約してお別れ。
今回もすてきな旅行になりました。