「このひと、おかしいんとちがうか?なーっ、にいちゃん!」 認知症とは、その(6)
「このひと、おかしいんとちがうか?なーっ、にいちゃん!」
2005/3/9(水) 午後 0:55
某月某日 今日は、月に一度の母の診察日である。自宅から徒歩で3分(母にすれば、2回は休まなければならない距離)の20年近く通っている診療所へ行く日。
「にいちゃん、ここどこ?なにすんの~、これから~」と何時も聞く母。
「悪いとこないか、診てもらいに来たんやでぇ」
「00さ~ん、こんにちは、お兄ちゃんと一緒、ええね~」と顔見知りの看護師さんの、何時もの明るい声。
「うん、にいちゃんといっしょにきてん!」母も笑顔で答える。待つことおよそ30分。
「もうかえろ~」と、何度も言う母をなだめすかして、順番待ち。
「母と私のデコチンとデコチンを合わせて、ベーっ、ベーっ」それに飽きると。母の足の裏のマッサージ。いつしか、母は大欠伸。やがて、、、。
「00さ~ん、6番の診察室へどうぞ」のご案内。
「ねむたいやんかー、どこいくのん?にいちゃん!」
「先生に、お袋ちゃんの身体、診てもらうんやでぇ、早よ行こか~」
「わたし、わるいとこないで~、はよかえろ~な」病院は、私とて、早く帰りたいのだ。
「うん、すぐ済むから、ちょと診てもろてから帰ろ~なっ」
「ほんまに、すぐ、おわんの~」診察室へ、母を。
「はい、00さん。ゆっくりでよろしいよ。腰掛けて下さい」実は、今日は特別の診察日。先生は認知症(痴呆症)の専門医である。
「00さん、これから、この机の上に置いてあるものを、ちょっと覚えてくれるかな~」と、先生は机の上に置かれた四つのもの指差し、母をうながす。
「はい、このハサミをおぼえたらいいんですか?」と母。
「はははっ~、おもしろいこといいはるわ~このひと。なぁ、にいちゃん!」何の屈託もない。
「これ、ハサミやんか、な~にいちゃん?」
「うん、そうやな~」すると、先生は机の抽出しを引き、いままで置いてあった机上の四つの物を抽出しの中へしまいこんだ。
「00さん、いま、何と何があったか分かりますか?。分かったら、ちょっと教えてくれますか?」机上には当然のことながら何もない。
「なにもないやんな~、にいちゃん?」
「いま、あったでしょう、何があったか、思い出せませんか?」と、母の顔をみながら先生が。
「このひと、おかしいんとちがうんか~?なーっ、にいちゃん?」(あほらし~、と言わんばかりの母の表情)。机上には、何もないのだから、母の言うことは正しいのだ。
「はい、結構です」と、先生も一言。待ち時間約40分。診察約3分。まぁ~何時もこんなものである。これで、半日が終わるのである。
PS:「PTSD,パニック障害、鬱病、心身症、不安神経症、、、etc」母につけられた、病名、で「脳血管性痴呆症(認知症)」と診断された。
が、どう、治療すれば良いのか、家族は、どう接すれば良いのか、このブログの通り、精神科医からは、何のアドバイスもない。
「お袋ちゃんの、言う通りや、この人、おかしいわ」と、私も思った。