某月某日 母が、寝たきり状態になり、病院を転々とせざるを得ない状況に追い込まれた時、母の主治医(精神科、認知症専門)の先生を尋ね、相談した。先生は意外なことを、教えてくれた。


「○○さん、A,B,Cのね、三箇所くらいの病院で、やり取りしますねん」A病院に3ヶ月、B病院へ3ヶ月、C病院で3ヶ月。で、またA病院に戻す。これを、ずーっと繰り返すのだ。


「こうして、グルグル患者さんを回しますねん」


「は~、そう言うことになってるんですか~」3ヶ月を超えると、入院医療報酬がガタッと下げられる、仕組み。母の場合、当時(4年ほど前)入院月額80万~100万円位になるそうだ(差額ベット代は別で、病院ごとに異なるが)。


 それが、3ヶ月を超えると、60万円以下に。この報酬額では、病院はやっていけないらしい。母はこのトライアングルで回されるのだ。A、B、Cの病院がタッグを組んで(他所もやってるそうだが、他は知らないんで、よう分りませんが)。


「そやけど、先生!、在宅介護するために、看護婦さんから、腸ろう食(エンテルード)の作り方や、何やかやと、特訓してもろてるんですけどね~」その、熱心な看護婦さんは、数ヵ月後、その病院を辞めたのだ。


「いまの担当医(内科)の先生は、どう言うてます」


「無理です、って、言われてますねんけどね」


「ふん、そう言うでしょうね」


 母は、腸ろう、で、重度認知症、身体障害1級、会話も通じない。A、B、Cの、どの病院も、はっきり、嫌がる(居座られたら、かなわん、のでしょう)。先生とは、長いお付き合いで、私等親子の実情を良くご存知なのだ。


 それを、見越して、先生が、病院の現状を説明してくれたのだ。先生の、お説通りになった。特訓の甲斐なく、在宅介護は、できず、母はB病院へ。在宅介護に、こだわる私は、方法は、ないものか、と、先生を尋ねたのだ。


「○○さん、自殺考えたことありますか?」真顔で、私の顔を覗き込む。お互いの顔と顔がくっつくくらいだ。二人は、1分くらい固まった。


「えっ!、、、ありませんけど(そんな度胸おまへんわ)」読み取ったのか、先生が。


「○○さん、貴方が、病院信用してないのは、分ってます、今は、お母様の容態のこと、考えて、もうちょっと、辛抱しましょう」