「うん、そうか、にいちゃんばっかりさせて~、ありがと~ございます!」母の日常、その(96)
2006/1/23(月) 午後 0:57
某月某日 今日は、粉雪が舞う寒い朝だ。母をデイに送り出すべく、何時もの日課をこなす。8時過ぎ、母のご機嫌を伺いに母の和室へ。

「お袋ちゃ~ん、起きよか~、な~」寝ている母の耳元で。

「う~ん、びょうきやから~、かぜひ~てんねん」

「そうか~、ちょっと、熱ないかみたるわ~?」

「つめたい!、さわりなっ!」

「ご免、ご免、熱ないな~、しんどいんか~?」

「びょうきや、ゆーてるやろーっ!」

「ほな、病院いかなあかんやんか~?」

「さぶいっ!ほっときんかいなー!」

「分かった、わかった」さて、取りあえず、しばらく様子をみてから。「ひょっとしたら、今日はデイにはいかれへんかな~」と思いつつ、ギリギリの8時半頃まで、待つことにした。あっという間に8時半だ。

「お袋ちゃん、熱いお湯で、顔洗~をか~?気持ちえ~よ」

「かぜひ~てんねん、ねかせて~、にいちゃんさむいっ!」同じことの繰り返し。「こらあかんかな~」と思った。一縷の望みを託し、母の意表を突いて掛け布団をめくった。と、、、。

「なにしてんのん!、あほー!さむいやんかー!ばかたれ!」と、母の右手が私の頭を素早く叩く。

「痛い、痛い!、分かった、わかったー、ご免やー、叩かんでもえ~やろにぃ」思えば、母のパンチをよけきれたことが無い。(我ながら不甲斐ない)。

「あほかーっ!」と、母の止めの一喝が放たれた。もう、8時45分。「こら、あかん」と私は、急いで、ケアマネさんに電話。ヘルパーさんを派遣してもらうよう、緊急の交渉へ。次いで、デイ施設へ休ませてもらう旨の連絡。そして、会社へ遅刻する旨の連絡を。あいにく、この日、いつも頼りにしている、ケアマネの00さんが体調を崩され、お休みだった。00さんには、いつも、ご無理をお願いして、助けてもらっていた。このため、少し不安だったが、9時過ぎに、ヘルプステーションから電話があり、派遣の手配が出来たとの、連絡が入った。

「お袋ちゃん、看護婦さんが、もう直ぐ、来てくれはるから、みてもらお~なっ」

「うん、そうか、にいちゃんばっかりさせて~、ありがとうございますぅ」安心しきったような母の顔。11時前に無事会社へ出勤することが出来た。途中で家に電話連絡を入れると。

「10時過ぎに、おしっこで、おきはりましてねぇ、いま、ご機嫌よ~したはりますよ!」との派遣ヘルパーさんの声を聞き、一安心。まだ、粉雪が舞っている。「寒かったんやな~、お袋ちゃん」と、呟く私。(お袋ちゃんは正直だ)。