介護施設づくりの基礎知識 その7「照明」
介護環境デザイナーの間瀬樹省です。
介護施設の照明というと「お年寄りは暗いと見えにくくなるので明るくしないと!」と考えがちです。
それで通常よりも全体に明るめの計画にしてしまいがちですがそれで本当に良いのでしょうか。
歳をとると、程度の差はあっても誰でも白内障が進みます。これは加齢による変化で誰でも避けることはできません。
白内障は、目のレンズの役割を果たす「水晶体」がだんだんと黄色くなり濁っていく現象です。
水晶体に濁りが発生するため光が届きにくくなるわけですが、同時に濁りによって水晶体で光の乱反射が起きやすくなります。
そのため、若い頃よりもまぶしさを感じやすくなります。良い天気の日でもカーテンを使うお年寄りが多いのは、まぶしさを感じやすいからということも理由のようです。
歳をとると見えにくくなるので明るくしないと…
ということで明るい照明をたくさん増やすと逆にまぶしくて不快になるということもあるのです。
そのための対策を2点ご紹介します。
・光源が直接目に入らない工夫を行うこと
蛍光灯やLEDの電球がそのまま見える照明器具はまぶしさを感じやすいので、カバーで光がやわらぐ器具を使うといいですね。
また、間接照明にするのもまぶしさを感じさせない工夫になります。
・必要なところだけを明るくする
部屋全体をとにかく明るく!とはぜずに、必要なところだけを明るくするようにします。
例えば食事の時であれば料理が美味しく見えるようにテーブルの上を明るくすればいいですね。
読書の時に手元照明を使うのと同じことです。
部屋全体を明るくしてしまうと、夜でも昼間のような感じになってしまいますが、必要な部分だけを明るくすると明るさにメリハリが感じられて雰囲気も良くなります。
こんなことに注意して計画・設計を進めてくださると良いと思います。
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