七夕 | 鳰アンオフィシャルブログ

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毎年、この時期になると思い出すのが質屋蔵という落語の演目。

正確には米朝師匠の質屋蔵のマクラです。


「なんやて、あいつが置き手紙していた(行った)て?」

「あんたが留守やちゅうたらな、読んでくれ言うて」

「この頃、あいつな、字ぃの稽古に行っとおんねん。この間まで、ほんまに、名前もろくによう書かなんだ奴が、生意気に置き手紙やなんて…。見てみぃ、これ。ミミズの這うたような字ぃ書いてるがな。えぇ、かり…、借りた羽織はに置いた。そら、何さらすねん、あいつ。いや、なんやいるさかいちゅうて、三日だけ貸したったんやないか。勝手にに置きやがって。見てみぃ、これ。数字のてな字ぃ書きやがって、どんならんで」

言うて、ぼやいているところへ…

「オゥッ、手紙見てくれたか?」

「お前なぁ、三日だけて言うて貸したったんに、何でわしに黙って羽織をに置いたりするねん」

「そんなことするかい。返しに来たとき、お前が留守やっちゅうさかい、そこのに置いて帰って…おぅ、そのの上に置いたあるやろ」

「ああ、あるがな。そやけどお前、これ見てみいな『借りた羽織はに置いた』と書いたあるやないかい」

「おまえ、字ぃ知らんなあ。そら夕のタナという字やがな…」