美女は一生に二度と死ななければならない。ひとつめは肉体の死、そしてもうひとつは美の死ー三島由紀夫 

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(世界史上、最も美しい皇妃とも言われるエリザベート。1865年ヴィンターハルター作)
 
〝ハプスブルグの美の神″   とまで言われた絶世の美女、エリザベート。

 
美しい肖像画や写真は残されていますが彼女はどのような人物だったのでしょうか?
 
 
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典雅、威厳、魅惑、孤高などいかなる言葉を並べても表現できない圧倒的な存在感。
 
 
エリザベートは、当時のヨーロッパ宮廷一といわれた美貌に加え、身長172cmと背が高く、ウエスト50センチで体重は50キロというスパーモデル並みの体型の持ち主でした。
 
 
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しかし美貌と若さと痩身であることに異常なほどに執着し、公務を捨て、一日のほとんどを美容やダイエットに費やしました。
 
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(結婚式の前祝いに着用した夜会ドレスのレプリカ)
 
 
しかし年を取るにつれて、過酷なダイエットと間違いだらけの美容法のせいで、皺とシミだらけになった顔を分厚い黒のベールと革製の高価な扇や日傘で隠すようになり、それが彼女の晩年の立ち居振る舞いを表す姿として伝説となってしまいました真顔
 
 
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さらにエリザベートは極度の人見知りで、オーストリア帝国の皇妃の務めを異常なほど嫌い、皇妃責任を一切放棄し、大西洋にあるマデイラ島へと逃避しますショックショック
 
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亜麻色の髪はエリザベートの自慢ニコニコビックリマークビックリマークしかし髪が一本でも抜けるとヒステリーを起こすので、専属美容師ファニー・アンゲラーがかなり気を使い、毎日2時間かけて髪を結い上げましたた笑い泣き
 
 
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(エリザベート専用のお召し列車の内部。かなり快適に過ごせそうですね)
 
さらに贅沢三昧で知られるマリー・アントワネットですらかなわないほどの浪費家で、、宝石・ドレス、ギリシアのコルフ島に絢爛豪華な城アキレイオンの建設、彼女専用の贅を尽くした船や列車を利用しての豪華旅行等はすべて税金で行っていました。
 
 
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しかしエリザベートの気まぐれな性質から一箇所にとどまる事ができず、乗馬や巨費を投じて建てたアキレイオン等にもすぐに飽きてしまい、宮廷のあるウィーンには戻らず、60歳で死ぬまで夫を置いて、ヨーロッパ・北アフリカ各地を彷徨い続けることになります。
 
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(三つ編みにした髪を頭上に持ってきた、クラウン・ヘアニコドキドキファッションセンスのよいエリザベート)
 
美しさの絶頂期29歳のエリザベート。
 
エリザベートは、女官には徹底的に控えめに振舞う事や、自分の旅行についてくること、自分の女官の結婚の禁止を行いました。
 
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さらに、死への異常なまでの関心を持ち続け、皇后・妻・母としての役目は全て放棄しながら、その特権のみ享受する自己中心的な人物でした。
 
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ベルギー大使夫人は、
 
 
この女性は本当に狂っています。
こんな皇后がいるのにオーストリアが共和国にならないのは、この国の国民がまだ寛大だからです
 
 
 
と言われるほどでした。
 
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このように救いようのないエリザベート皇妃ですが、別の視点から考えると可哀想な人物でもあります。
 
 
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(少女時代のエリザベートラブ
 
 
エリザベートは、バイエルン王家の傍系にあたる名門ヴィッテルスバッハ家の次女として生まれました。
 
エリザベートの生まれた、ヴィッテルスバッハ家というのはもともと変人ぞろいでした。
 
 
 
王家の人々は高貴なる青い血を守るために血族結婚を繰り返し、遺伝性の病気なども引き継いでしまっていました。
 
 
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エリザベートの従兄弟はノインシュバシュタイン城を建設したルートヴィッヒ2世です。彼もまたヴィッテルスバッハ家出身で、狂王、変人と呼ばれました。
 
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(ルートヴィッヒ2世。美形一族でしたラブ
 
ルートヴィッヒのエリザベートはともにヴィッテルスバッハ家の出身なこともあり、似たような美貌の持ち主でしたニコ
 
身長は191センチ、スタイル抜群ですビックリマーク
 
 
 
 
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(絵本に出てきた王子様みたいラブ
 
さらにもう一人の従兄弟、オットー1世も精神を病んでおり、彼の日課は〝 朝起きたら村人を一人撃ち殺すこと″ だったと言われています。
 
お城がメルヘンなだけに怖すぎるよアセアセアセアセ
 
 
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(世界遺産、ノインシュバシュタイン城
 
 
ルートヴィッヒ2世もまた、奇行が多くノインシュバシュタイン城に莫大な建設費をかけた割には住みにくいお城。
 
(ルートヴィッヒの中世趣味のため中世のつくりなので住み心地が最悪でしたガーン
 
 
そんなルートヴィッヒに対し家臣たちは廃位を計画。
1886年ルートヴィッヒ2世の廃位が決定するも、翌日医師のフォン・グッデンと共に水死体となって発見され、謎の死を遂げました。
 
 
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この一族の気質を受け継いでしまったエリザベート。
 
 
15歳の時、当時22歳の若き皇帝フランツ・ヨーゼフがエリザベートに一目惚れし、結婚ニコニコ
 
 
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(結婚前のエリザベートは自由でのびのびした生活をしていました。皇妃にならなければもう少し幸せな人生だったかもしれませんあせる
 
 
しかしエリザベートは皇后には全く向いてない人物。ウィーンの宮廷で本人もまた辛かったのだと思います。
 
 
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エリザベートは神経がとても繊細で傷つきやすい性質をもち、その感受性の強さゆえの精神的な弱さ、その性質のためエリザベートは生涯苦しみ続けました。
 
 
私はこの辺りはなんだかエリザベートだけを責められませんあせる
 
持って生まれた気質ってたぶん変えられないもの。。ぐすん
 
 
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この母の気質を受け継いだ、エリザベートの息子で皇太子ルドルフもまた傷つきやすく繊細でハプスブルグ帝国の皇太子の責務に苦しみ、愛人マリー・ヴェッツエラとピストル自殺します。
 
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(皇太子ルドルフと心中した、男爵令嬢マリー・ヴェッツエラ)



 
 
息子の死を嘆き悲しんだらエリザベートは、ますます死へ憧れるようになりました。
 
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願いどおり1898年9月、旅行中のジュネーブのレマン湖のほとりで、イタリア人の無政府主義者ルイジ・ルケーニに鋭く研ぎ澄まされたヤスリで心臓を刺されて殺害され、その苦悩の生涯を終えることができました。
 
 
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死によってしかその苦しみから逃れられなかったエリザベート。
 
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(ハンガリーでの戴冠式の衣装のエリザベート)
 
しかし今日では美しいエリザベートの人気は高く観光のシンボルとされ、宝塚でも上演されたり、ウィーンなどの観光名所に多大なる貢献をもたらしましたグラサン
 
 
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しかしエリザベートの悲劇はその類まれな美しさだったのかもしれません。



あまりの美しさゆえに誰からも愛され続け、時たまエリザベートを責める者の声に耳を貸す必要すらなかった。。
 
 
 

(シェーンブルン宮殿になるエリザベートの化粧室ラブ) 
 
 


 
 
またルートヴィッヒ2世の建設したノインシュバシュタイン城もまたシンデレラ城のモデルとなり世界一美しい城となっています。
 
 
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