茶の湯とキリスト教のお話とクリスマス 「綺麗さび茶会」
メリークリスマス!
12月25日の夜、サロンでは、遠州流 壺中庵宗長・堀内ギシオ先生の
「数寄人ノ会」が開催されました!
座学のテーマはクリスマスということで茶の湯とキリスト教のお話。
十字架を想わせる織部燈籠
茶道とミサの所作の類似性などから、
16世紀にザビエルとともに入ってきたキリシタンのミサを見て、
茶人たちがその儀式を取り上げたという説などさまざま
茶道はキリスト教の影響を受けているという説が語られています。
物語としてはそのほうが面白いですよね。
でも果たして本当にそうなの?ということで、
当時の日本を掘り起こすところから、本日の歴史探訪がスタート。
そもそも茶道はキリスト教が入ってくる以前から盛んだったということ、
そして、当時のヨーロッパ文化は日本より劣っていた(!)というところから、
茶道がキリスト教から影響を受けたのではなく、
キリスト教が茶道を利用したと考えるほうが自然では?
と様々な視点から面白おかしく、なるほど納得の検証を展開。
さらに、キリシタン大名で有名な高山右近が茶人であったことを例にあげ、
(↑この人)
当時の茶道の環境を探ってゆくと、
茶禅一味といわれる茶道も実は、この時代には宗教色がかなり薄くて、
とても自由に遊んでいた様子が見えてきました。
では、今日学んだことをふまえて、クリスマスの綺麗さび茶会です!
とその前に、地ビールとともにクリスマス・ディッシュで一休み。
ではお茶室へ移動して、クリスマスのお茶会です!
お茶室は暗いのと、茶事の最中に写真をバチバチ撮るのも無粋なので、
ここからはイラストで解説いたします!
本日はお濃茶の席でした。
本日のお花はクリスマスカラ―で、白侘助と薮柑子のむこうがけ。
本来茶道では掛け軸の時は掛け軸だけ、お花の時はお花だけ。
必ず軸をかけなくてはいけないということはないそうです。
キリスト誕生の日に、仏教僧のお軸をかけるわけにもいきませんよね(笑)
お菓子は、小石川「一幸庵」に特注された、今日ここでしか食べられないおまんじゅう!!!
羽二重餅のなかにこし餡が包まれています。
言葉にできない美味しさ・・・・・(感涙)
堀内先生曰く「もう他の和菓子は食べられないくらい」と。
水差しはガラス作家・ 高橋 禎彦さんの花器に蓋をつけたもの。
蓋の取っ手は七宝紋(透かし)になっています。
円に見えますが、実は上の半月型が下に映りこんで円に見えるという粋な演出!
16世紀の有名な宣教師フロイスの「フロイスの日本史」にて、
茶道と出会いの記述に登場する「好い形をした鉄釜がのっている見場の好い三脚」
茶道史の初期の頃のお茶碗はとっても大きかった!
そのためみんなで回し飲みをするという作法(儀式)が生まれるのも自然なこと。
ということを体感すべく、先生が持ってきてくださったのは、
17世紀李朝の茶碗!大きいです!たっぷり5人前!
お茶碗を眺めるときに化していただいた出袱紗は18世紀インドネシアの三国更紗で
仕立てたものでした。
ころんとした赤茶色の茶入れはなんと、ポルトガルへ行ったときに見つけた一輪ざし!
後から合わせて作った蓋のほうが高いそうです(笑)
ポルトガルからやってきた宣教師にちなんで。
この茶杓、堀内先生お手製です!
イタリア・フィレンツェのワイナリーで見つけた竹をちょっぴり貰ってきて削ったのだそうです!
現在のカトリックの聖地はイタリア・バチカンということにちなんで!
日本人だからこそできるクリスマスを堪能しました。
数寄人ノ会は、その名のごとく、毎回遊びの多い学びの場となっています。
来月は2012年1月29日(火)開催予定!
茶道と正座のお話と「綺麗さび茶会」です。
みなさまのお越し、お待ちしております。