●『女信長』その後 | サンロフトの本とテレビの部屋

●『女信長』その後

●『女信長』その後
平均視聴率は第1部8.9%、翌日の第2部8.7%と惨敗したそうだ。第2部で急落しなかったことで、逆に良作だと証明したのではないか? 奇抜な設定をバカバカしく思い、最初から観なかった人が多かったのだろう。観る側としても、2夜連続って2週連続よりハードルが高い。


第1部を観始めて、すぐに『太閤記 サルと呼ばれた男』を連想した。もう10年も前になるが、草なぎ剛主演の時代劇だ。スタッフが共通しているかどうかは知らないが、同じくフジテレビ『プレミアムステージ』枠で放送された。翌年、やはり草なぎ剛主演で『徳川綱吉 イヌと呼ばれた男』が放送されている。


「もしも、戦国武将が現代人だったら」ともいうべきコンセプトで、戦国時代を平成時代の価値観で描ききったトンデモ時代劇であった。
『女信長』もそのコンセプトを引き継いだのだと思った。設定もトンデモなものにしたお陰で、むしろ前2作よりリアリティを増したと感じた次第。


信長以外の言動や行動もデタラメで戦国時代ではあり得ないし、話の辻褄も合わない。いったい、ねね(おね)はどこへ行ったのか? 秀吉が側室としてお市の方を欲しいと信長に言うのか??
そんなちぐはぐさには目をつぶって、トンデモ仮説で歴史のもしもを描ききった力量は凄い。現代人の価値観にしなかったら、むしろ小ぶりでつまらなくなってたろう。制作者側が20%超えを狙ったのもうなずける。


●『あすなろラボ』
初回6.8%か。面白いけど、どこかで見たような企画の連続。めざましテレビとかの1コーナーに入るようなものも……。
言い換えれば、日本のバラエティ番組って無数の企画をやってきたんだなぁ。深夜みたいな濃いやつをゴールデンでやればコケるの必至だし。難しいよなぁ。


●『赤丸!スクープ甲子園』
『DERO』、『TORE』の後番組。まったく異なる内容のバラエティだが、期待大。こんな限られたテーマで大丈夫かと思ったが、初回特番、レギュラー1回目いずれも面白かった。
こういうの、日テレ的だよなぁ。昔の『投稿!特ホウ王国』みたいな雰囲気。単発ネタの他に長期取材ものもあり、長寿番組になる予感。でも、数字は5.9%しか無いのねぇ。


●『アゲるテレビ』
毎日中継を出す等がんばっているが、番組のスケールが小さい。1時間30分枠の首都圏ではどうなのだろう?
地方はすべて1時間枠なので『知りたがり』が半分の長さになったのと同じ。で、後の時間が中途半端になるから、残りは『ミヤネ屋』。となると、今度は『ミヤネ屋』が中途半端だから最初から『ミヤネ屋』になっちゃう。
まあ、どっちかから観始め、つまらない話題になったら裏へ回す、の繰り返し。ワイドショーなんて視聴者にとってその程度。子供のケンカで「バカという方がバカ」というセリフがあるが、視聴者をバカだと想定してワイドショーをつくると、視聴者の方がテレビ制作者をバカだと思ってしまうもの。
でも、『アゲるテレビ』がエンタメ寄りなのは方向性として間違っていないと思う。

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