もう一つの家族の芽 8 | 日陰で絵日記

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イラスト描きとその家族の日記

 病院内でのアトくんの話。


 まだガラスケース越しに見つめるのが精一杯だけど、誕生初日だけは、お願いすれば授乳室から出して家族は見る事ができる。

 

 仕事が終わって駆けつけたお義兄さんにアトくんを見せるため、ボクは看護師さんにお願いして授乳室から出してもらった。


 マヨを大切にしてるお義兄さんは、妹の子であるむーちゃんをいつも可愛がってくれるし、アトくんの事も気にかけていたみたいだ。


 授乳室から出たアトくんは眠っていたが、ボクが抱っこしたところで目を覚ました。

 シワだらけの顔を更にくしゃくしゃにして、苦しげに泣き始める。



 「お腹が空いたんですね」


 アトくんを連れ出した看護師さんがそう言って、哺乳瓶をもってきた。

 マヨはまだベッドで眠っていて、とてもオッパイをあげられるまでには回復していない。



 …おや?



 哺乳瓶には、ゴム乳首がついていない。


 蓋のない哺乳瓶を手に、看護師さんはアトくんを抱き上げた。








 アトくん、ミルクを瓶から直飲み。


       日陰で絵日記-20090524binkaratyokusetu.jpg




 


 「最初に吸いつくのをお母さんの乳首にしないとね」


 

 ゴム乳首の感触を最初に覚えてしまうと、母親のオッパイに吸い付きにくくなってしまうのだそうだ。


 苦しそうにむせるアトくん。



 早くマヨから初乳をもらおうね♪




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