闇夜の人救いジャック | こころ癒し言葉〜心の進化の為に〜

こころ癒し言葉〜心の進化の為に〜

同じ時代を生きてくれてありがとう。
報酬はあなたの朗らかな笑顔です。
心不全直腸がん術後転移してステージ4。
浜松の精神障害者。
イラストと詩と小説を書きます。
言葉使い師。魔法使いです。
コメント大歓迎!
インフルエンサーじゃなく、パイオニアになりたい。

都会は夜毎に人が騒いでいる。


賭け金はいくらだい。


豪華なマンションに住みたい。


お高いネグリジェで眠りたい。


とあるバーの隅っこで壁にもたれ。


小さなバイオリンをもつ子供がいる。


やあ坊や。


子供がこんな時間にこんなところに来てはいけないな。


僕は歌うたい。


このバイオリンでなんでも歌うよ。


人が欲しがる愛や理想。


正義の正体まで。


紳士がリクエストします。


じゃあ。


わすれなぐさをお願いするよ。


お安いご用だ。


バーは哀愁に溢れます。


誰もが憧れた青春の日々。


思い通りにならない日々。


酒を飲んで忘れたいのは、


責められることじゃないから。


バー中で涙まみれの熟年たちが酒を片手に拍手で喝采します。


坊やが一仕事終えて外に出ると。


都会の外は雪化粧、吐く息が白くなります。


マッチ売りの少女がハイテクマシーンの


携帯端末を売っています。


マッチはいかがですかあ。


おまけにこの十万ゼゼコの携帯電話がついてきます。


やあお嬢さん。


そのマッチはいくらだい?


ひとつ千ゼゼコです。


そのマッチを全部買い占めたいけど。


僕の全財産は今日の飯代だよ。


ごめんなさい。


代わりにあなたのためにに愛の歌を歌うよ。


今宵素敵な笑いがらすの夢が見れますように。


ひとりだけの観客の、


雪夜の演奏会が始まる。


バイオリンの音色と透明な歌声に涙が溢れる。


少女は道行く凍えた人の懐までゆき、


商売道具のマッチで温めてあげる。


ありがとうお嬢さん。


人たちはお礼のチップをはずみ。


少女の今夜の飯代になった。








みりあちゃん高校生になる!





望郷の旅